新型コロナ拡大で浮き彫りに 子どもの「オンライン学習」を阻むものは何か
2020年4月12日
ライフ新型コロナウイルスの感染拡大で注目が集まるICT教育。その必要性について、教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
コロナ禍で問題点が浮き彫りに
新型コロナウイルスの感染拡大は各方面に多大な影響を与えていますが、特に翻弄(ほんろう)されているのは学校に通う子どもたちです。
一斉休校が始まった3月初頭以降、緊急事態宣言が出された都内の多くの公立学校では新年度の授業再開が見送られています。

長引く休校措置の中、子どもたちは勉強する機会を奪われています。諸外国と比べて日本では、オンライン学習などの在宅で受けられるICT(情報通信技術)教育の整備が進んでおらず、その問題点が今回のコロナ禍で浮き彫りとなりました。
ネット環境は整っているのに……
政府が4月7日(火)に発表した「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の事業規模は108.2兆円。その中には、ICT環境の早急な整備への経費も含まれています。
総務省が発表している情報通信白書内の「2019年度インターネット利用状況」から個人利用のインターネット普及率をみると、全国平均は約80%、東京は88.4%と高く、ICT教育を押し進めることに対して支障は少ないように感じられます。

近隣の諸外国では、2002(平成14)年冬から2003年まで発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)、2009年の新型インフルエンザ、そして2015年に韓国を襲ったMERS(中東呼吸器症候群)などを契機に、ICT教育の整備が進められてきました。
ICT教育が整備されていない日本で今回のような状態が長引くと、子どもたちの学習機会を奪うだけでなく、学力維持が各家庭任せとなってしまいます。政府はいい加減重い腰を上げ、本格的にICT教育を導入しなければならないのです。

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