開幕まで193日 東京オリンピックはやっぱり「楽しんだ者勝ち」なワケ

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開幕まで193日 東京オリンピックはやっぱり「楽しんだ者勝ち」なワケ

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冨田格

ライター、編集者

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東京2020オリンピック・パラリンピックの開幕まで200日を切りました。まだ記憶に新しい「ラグビーワールドカップ2019日本大会」のように、多くの熱狂と感動のドラマが期待されます。スポーツのビッグイベントは「楽しんだ者勝ち!」を提唱するライターの冨田格さんが、今から準備しておきたい「4つのこと」を紹介します。

「一生に一度の夏」、これぞ楽しんだ者勝ち!

 2013年9月7日、ブエノスアイレスの国際オリンピック委員会(IOC)総会で「TOKYO2020」の開催が決定してから6年と4か月。まだまだ先のことだと思っていましたが、あと半年とちょっとで東京オリンピック・パラリンピックが開幕します。

 世界中が注目するビッグなスポーツイベントが日本で開催されることがどんなに楽しく、そしてすごいことなのか、2019年のラグビーワールドカップ日本大会で実感した人も多いはずです。「TOKYO2020」にはラグビーワールドカップ以上に多くの国から選手や関係者、そして観客たちがやってくるのです。世界規模での注目度もラグビーワールドカップよりも、さらに大きくなります。

 2020年の夏は、東京に住む私たちが体験したことのないような熱くエキサイティングなものになることは確実です。まさに「一生に一度の夏」がやってくるのです。

東京オリンピック・パラリンピックの開・閉会式などが行われる国立競技場(画像:冨田格)



 そして、ラグビーW杯のときには「はすに構えて白けているよりも、楽しんだ者勝ち」と感じた人も多いはず。東京オリンピック・パラリンピックも同じです。TOKYO2020を思いっきり楽しむために、どのような準備をすればいいのか、今から考えておきましょう。

チケット入手のために残されたチャンス!

 地球上で最大のスポーツの祭典ですから、やっぱりライブで観戦したいものです。

 とはいえチケット争奪戦は激烈。チケット抽選申し込みが全て外れてしまったという人も少なくないようです。パラリンピックに関しては2020年1月15日(水)~1月29日(水)の午前中までが「第2次抽選申し込み」期間となっています。第1次の抽選で外れた人や、まだ申し込んでいない人は、この機会をお見逃しなく。

 そして、まだ詳細な時期は発表されていませんが、春には「東京2020公式リセールサービス」が始まります。抽選でチケットを入手できたけれど何らかの理由で行けなくなってしまった人と、チケットが入手できなかった人を結ぶサービスです。オークションサイトでのTOKYO2020のチケット取引は禁止されているので、公式リセールサービスが唯一のチャンスになります。

 2019年のラグビーワールドカップでは、完売になっていたチケットのキャンセル分が再度発売されるということがよくありました。もし会期が迫ってきてどうしてもチケットを入手したくなったら、公式リセールサービスをマメにチェックされることをおすすめします。

テレビの買い替え、結局いつがいいの!?

 TOKYO2020の期間中は、都心は海外からやってくる人たちでいつも以上に混雑することは確実です。酷暑のなか人ごみをかき分けて試合会場まで行ってライブ観戦するよりも、冷房の効いた自宅でテレビでさまざまな競技をザッピングしながら楽しむのもいいかも? という考えも浮かんできます。

テレビでオリンピック競技を観戦するイメージ(画像:写真AC)



 私(冨田格。ライター、編集者)も、テレビ観戦を楽しみにしているタイプです。10年ちょっと前に購入したわが家のテレビが最近調子が良くないので、TOKYO2020の前に買い換えねばならないと思い、2019年後半から大型家電量販店のテレビコーナーを頻繁にのぞいては、どれを選べばいいのか考えています。

 4Kチューナー内蔵、4K8K対応、液晶、有機ELなどなど、大型家電量販店には、サイズも機能も異なるさまざまなテレビが所狭しと並んでいます。「どれを選べばいいのか?」に加えて、「いつ買い替えるのがベストなのか?」という問題もあります。

 55年前の東京オリンピックのときには、一気にテレビが普及したと聞きます。当然、メーカーとしてはTOKYO2020を最大の商機と捉えているでしょうから、夏が来る前に最新型の機種が続々と発表されるのではないかと予想しています。

 素人の情報収集力では限界があります。やはりプロに話を聞くのが一番だと考えて、大型家電量販店のテレビコーナーの担当者に「いつ買い替えるのがベストですか?」と尋ねてみることにしました。

大手家電量販店おすすめは有機ELテレビ!?

 まずは量販店「B」。

「例年ならば夏前には各メーカーから最新型が出るのですけど、今年に関してはオリンピックが控えているせいか、いつ出るのか情報が全然入ってこないんです。

 動きの速いスポーツ観戦を目的に機種を選ぶならば、有機ELが断然おすすめです。最新型が発売されると、2019年モデルの価格は下がりますけど、割りにすぐ売り切れてしまうので注意してください」

 続いて量販店「L」。

「ぶっちゃけ2018年モデルと2019年モデルは、性能的にはあまり大きな違いはなかったんですよ。だから、2020年モデルで一気に大きく性能が変わるとは思えないです。

 確実なのは、最新型が発売されたら2019年モデルは安くなるということ。2020年モデルが発売された当初はそんなに大きな価格の差はないかもしれませんが、1か月くらいすると2019年モデルは格段に安くなります。ただ、開幕直前の購入は避けたほうがいいです。在庫や配送の問題もありますから、なるべく早めの購入をおすすめします。

 有機ELは黒の発色がきれいなのが特徴。黒の発色がきれいだとほかの色の発色もいいんですよ。速い動きの再現性が高いのでスポーツ観戦には向いています。またモニターが薄いので、メーカーごとにスピーカーの位置に工夫を凝らしていて臨場感もアップしていますよ」

家電量販店が並ぶ都内のイメージ。果たしておすすめのテレビは?(画像:写真AC)



 最後は、量販店「Y」。

「スポーツ観戦を目的にするなら、有機ELが圧倒的に向いています。フィルターを重ねていない分モニターが薄くなるし、動きの早さに対応できるんです。液晶テレビは輝度が高い分、皆さんが見慣れているテレビとしてはきれいなのですが、有機ELはもっと生々しい質感でよりリアルな映像を楽しめます。

 地上波の番組を比べると その差は歴然としますよ。2020年の最新型が4K対応になるのか8K対応になるのかは、今の時点では分かりません。現状では8Kのコンテンツは少ないのですが、その超高精細な解像度に対応する再生力がある8K対応の機種は、8K以外のコンテンツでも確実に映像がきれいなはずです」

 実際に店頭に並んでいるテレビを見比べたら、確かに有機ELは色がよりリアルに再現されていてきれいだし、音の臨場感もすごくて魅力的です。とはいえ、有機ELの現行モデルは55型以上しかないので購入を考えていたサイズよりはかなり大きく、かつ価格も予算をかなりオーバーしてしまいます。

 各店の担当者が言っていたように、2020年モデルが発売されてから現行モデルとの性能や価格を検討してみるのが良さそうだという結論に至りました。液晶と有機ELの違いについても、もう少し詳しく調べながら、各メーカーのリリース情報を集める必要がありそうです。

「テストイベント」で競技への関心を深める!

「テレビもいいけど、やっぱりライブ観戦の雰囲気も味わいたい」という人は、TOKYO2020のテストイベントを観戦して疑似体験をしておくのはいかがでしょうか。

 TOKYO2020公式サイトによると、テストイベントとは、オリンピック・パラリンピックの本大会の成功に向けて、競技運営・大会運営の能力を高めることを目的として実施するもの。過去の大会でも実施されていて、東京2020組織委員会などが主催で実施するそうです。

 2018年9月開催のセーリングを皮切りに、すでに37の競技で実施されています。直近では2020年元日に国立競技場で「天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会」が行われました。

 2月末からゴールデンウィークにかけては、19競技(うちパラ4競技)のテストイベントが予定されています。これから開催されるテストマッチは、すべて本番の会場を使って行われるので、TOKYO2020の雰囲気を味わえることは確実。また代表選手選考会を兼ねているものも多いので、真剣勝負の醍醐味(だいごみ)も実感できそうです。

東京2020に向けた主なテストイベントの予定(1)(画像:冨田格)



 2019年、ラグビーW杯に日本中が熱狂している頃、東京体育館では「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」が開催されました。いわば、車いすラグビーのW杯です。私はそれまでテレビで目にすることはあったものの、ライブで車いすラグビーを見たことはありませんでした。入場無料で見られるということもあり、せっかくの機会だから一度ライブ観戦してみようと会場に行ってみました。

 ラグビーとはいっても、車いすラグビーは試合展開もルールも全く違います。試合を初めて見るので、まさにチンプンカンプン。車いすがぶつかり合う音の迫力はすごいなと思いつつも、最初は両チームにあっさり点が入り続けていくんだなあとぼんやり見ているだけでした。

 しかし、館内で流されているMCと解説者の話が実に分かりやすくて、初観戦でも徐々に試合展開や戦術が分かってきます。そうなると面白くなるもので、結局3日続けて観戦に行ってしまいました。日本代表の試合は観戦する人が多く、MCのあおり方も卓越していて、まさに国際大会ならではの雰囲気を堪能できました。

 ラグビーW杯でも同じように感じたのですが、一度でも競技場でライブ観戦を経験しておくとその競技や代表選手に対する思い入れが格段に深くなります。ただ試合を観戦するよりも、深い思い入れを持って観戦する方がより熱くなるに決まっています。そして会場の空気感や雰囲気をリアルに思い浮かべながらテレビ観戦すると、楽しさも倍増します。

 テストイベントを体験してからのテレビ観戦、これはおすすめです。

関連イベントもいっそう気分を高める!

 さらに、TOKYO2020に向けて、実際に競技を体験してみることもできます。

 なじみが薄いパラ競技はこの数年、普及活動のための体験イベントをさまざまなところで行ってきました。私は、車いすでボッチャを体験したり、ラグビー専用の車いすに試乗させてもらったりしました。わずかそれだけの体験でも、観戦するときには車いすの感覚を思い出すことができて、より深く楽しむことができるようになっています。

「SPORTS of HEART 2018」の車いすバスケットボールの体験イベント(画像:冨田格)



 江東区の東京都現代美術館エントランスホールでは2月16日(日)まで、「東京2020公式アートポスター展」が開催されています。展示されているのは、漫画家の浦沢直樹さん、書家の金澤翔子さん、漫画家の荒木飛呂彦さん、写真家のヴィヴィアン・サッセンさん、画家の山口晃さん、写真家・映画監督の蜷川実花さんなど、国際的に活躍する20人のアーティストがTOKYO2020のレガシーとなるよう手がけた作品をポスターにしたもの。

 個性的な作品の数々を一堂に眺められる機会で、これは必見です。

 3月26日(木)からはいよいよ、福島県をスタート地点としてオリンピックの聖火リレーが全国を回ります。東京都内は7月10日(金)~24日(金)にかけて都内各地を走るスケジュールが発表されています。

 3月下旬から9月にかけて、国内外へ日本のさまざまな文化をPRするため「東京2020 NIPPONフェスティバル」も予定されています。「大会に向けての祝祭感」「参加と交流」「共生社会の実現に向けて」「東北復興」という4つのテーマに沿った4本の主催プログラムと、全国各地で行われる共催プログラムの数々は、日本の伝統と世界レベルの芸術を楽しめる、見応えのあるものばかりです。

さあ、「一生に一度の夏」がやってくる!

 海外の都市で開催されてきた今までのオリンピック・パラリンピックと同じように、TOKYO2020が開幕してから興味を持ったとしても、もちろん十分に楽しめるとは思います。

 しかし、私たちが住む東京で開催されるオリンピック・パラリンピックを体験するのは一生に一度の可能性がとても高い、本当に特別なことです。

 開幕に向けて日々盛り上がっていく東京の街に身を置けるというのは、実に得難い体験。能動的に貪欲に楽しみ尽くしたいものです。そうすることで、TOKYO2020が終わったときにあなたの心の中には、永遠に残る思い出が刻まれることでしょう。

 一生に一度の特別な夏は、楽しんだ者勝ち。まずは、国立競技場の前にある日本オリンピックミュージアムを訪ねて、日本とオリンピックの関わりの歴史を学ぶことからTOKYO2020を迎える準備を始めてみてはいかがでしょうか。

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