『ブラタモリ』で知識爆発 タモリはなぜこんなにも「坂道」が好きなのか
2020年3月8日
ライフ放送開始の2008年から長い支持を得続けているテレビ番組『ブラタモリ』。そもそも番組の案内役であるタモリさんはいったいなぜ散歩をするのでしょうか。社会学者で著述家の太田省一さんが解説します。
ゴールデンタイムの看板番組
いまやテレビに散歩番組は欠かせません。その多くは東京やその近郊の街を訪れてぶらぶら買い物をしたり食事をしたりするので、「街ブラ番組」などとも呼ばれます。
また、それらの番組ではメインが有吉弘行、マツコ・デラックス、さまぁ~ず、高田純次など大物やベテラン芸能人のケースも目立ちます。そんなところにも、散歩番組の定着ぶりがうかがえます。
そうした出演者のなかでも安定感抜群と言えるのが、やはりタモリでしょう。NHK『ブラタモリ』は2008(平成20)年にパイロット版がつくられ、2009年にレギュラー化されました。

その後いったん間が空いたりもしましたが、2015年からは毎週土曜の19時台から20時台という、まさにゴールデンタイムの看板番組としてすっかりおなじみになりました。毎回楽しみにしている視聴者も少なくないでしょう。
マニアックさこそが真骨頂
『ブラタモリ』は回を重ねるにつれて、訪れる街が全国各地、そして海外へと広がっていきましたが、当初は東京の街が中心でした。最初のパイロット版では原宿・表参道、そしてレギュラー初回が早稲田、さらに上野、二子玉川、銀座……という感じで続いていきました。
そんな『ブラタモリ』で最大の特徴になっているのが、地図です。
その街の古地図や地形図を携えながら、実際にその場所に行き過去と現在を比べるタモリの姿は、芸能人というよりは歴史家か考古学者のような趣があります。要するに、他の散歩番組とは一線を画す知的な奥深さがあるのが、『ブラタモリ』だと言えるでしょう。

ただ、古地図などはまだほかにも同好の士がいそうですが、地形に対する並々ならぬ関心の持ち主となると相当限られてくる気がします。しかし、そのマニアックさこそがタモリの真骨頂に違いありません。
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