飛び交うコール、揺れるペンライト 2.5次元の「熱狂」が女子大生を導く場所とは
2019年5月7日
知る!TOKYO2010年から右肩上がりで成長し、勢いを見せる「2.5次元ミュージカル」市場。そんな2.5次元ミュージカルのライブ映像をカラオケボックスで上映し、楽しむ女子大生たちがいるといいます。いったいなぜでしょうか。
ライブと異なる「上映会」という場
2.5次元ミュージカルで活躍する若手俳優を応援するファンたちは、とても忙しく活動しています。2.5次元ミュージカルとは、マンガやアニメなどの2次元の作品を、生身の俳優が3次元として演じる舞台演劇です。最も有名な『ミュージカル テニスの王子様』(通称・テニミュ)は、若手俳優の歌とダンスを楽しむことができる作品です。

舞台やライブだけではありません。ファンは「推し」俳優との握手会や、彼らとのハイタッチを楽しむ接触イベントにも足を運びます。推しとは「推しメン」の略で、自身の「応援メンバー」「好きなメンバー」を指します。
さらに、舞台とライブはCDやDVDなどに収録されるため、自身の推しが登場していれば買わざるを得ません。ファンたちは自宅で何度も繰り返しライブ映像を見て、都合があえば、気心の知れた2~3人のファン友だちと集まり、「上映会」を行うこともあります。
俳優を応援するため、上映会を企画する大学生も少なくありません。私の研究室の女子学生からその話を聞いたとき、私は「できるだけたくさんのライブ映像を見るために、DVDを分担して買って持ち寄るのかな」とぼんやり考えていました。大学生のお財布事情を考えると経済的だからです。
しかし実際、ファンたちはそれぞれにライブDVDを買い、見てから上映会に臨むとのこと。
「何度も見たライブ映像なのに、なんで上映会を開催するの?」
「なにが楽しいの?」
という疑問が湧いてきます。そこで、研究室の学生にお願いし、上映会の様子を撮影してもらいました。
カラオケボックスで大盛り上がり
「上映会」の様子を見ていると、DVD鑑賞ができるカラオケボックスの室内で、ペンライトを上下に振りながら、映像に向かって声援を送っている彼女たちの姿に目がいきました。室内には壁2面全面に投影できる「デュアルプロジェクター」が設置されているため、上映会にはうってつけのようです。
彼女たちふたりがペンライトを振りながら声援(コール)を送っていたライブ映像は『HAND SOME FESTIVAL 2016』でした。若手俳優25人が登場する約2時間半のファン感謝ライブで、ふたりの推しである小関裕太さんが登場しています。小関裕太さんは「テニミュ」で活躍し、最近ではNHKの朝の連続ドラマにも出演していました。ちなみに彼女たちはこのライブを実際に「生」で観ており、ふたりともライブDVDを購入しています。
自宅においてひとりでライブ映像を見るときは、推しの「登場シーン」以外を早送りすることが多いそうです。一方上映会では、2時間半のライブ映像を早送りすることなく再生するとのこと。すべての上映会が同様ではないでしょうが、相当の時間が必要なようです。
生の舞台やライブで、ファンたちの視線はステージに釘付けになります。そのため、友だちと一緒にライブに行っても、公演途中で俳優たちのパフォーマンスについて感想を言い合ったり、気持ちの高ぶりを共有したりすることは困難です。会場の爆音や歓声でもみ消されてしまうからです。
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