サンシャイン水族館が4月に日本最大級の「クラゲ水槽」をわざわざお披露目するワケ
2020年2月19日
ライフサンシャイン水族館が先日、2020年4月にクラゲの巨大水槽を新たに設置する計画を発表しました。これまでもクラゲを飼育していた同館。いったいなぜでしょうか。フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。
動物園・水族館に迫る困難
東京都は現在、葛西臨海公園内にある葛西臨海水族園(江戸川区臨海町)の改修計画を進めています。
1989(平成元)年に開園された葛西臨海水族園は、クロマグロが群をなして游泳する様子が見られる巨大水槽が目玉になっています。また、建築家・谷口吉生(よしお)さんがデザインしたガラスドーム屋根も葛西臨海水族園の人気に一役買っています。
ハード・ソフトの両面で創意工夫が凝らされた葛西臨海水族園は、これまで約5500万人の来園者を集める人気施設として親しまれてきました。

その一方、昨今はレジャーの多様化が進み、動物園・水族館はあらゆる面で難しい時代になってきているともいわれます。
運営の民営化で維持費がネックに
先日、兵庫県神戸市の須磨海浜水族園が民営化を発表。民営化移行に際して、入園料が3倍以上に値上げされるとの報道もなされました。
また、大阪府岬町のみさき公園は遊園地・動物園・水族館などを一体化した複合レジャー施設ですが、経営不振などを理由に運営元の南海電鉄(大阪市)が撤退を表明。引き継ぐ事業者が現れなかったことから、2020年3月末の閉園が決まりました。
動物園・水族館は生き物を扱います。機械のアトラクションが多くを占める遊園地とは異なり、動物・魚などの体調管理には人一倍気を遣わなければなりません。
そうした動物・魚などの体調管理のため、飼育員を削減することは難しく、人件費がかかります。また、早朝・夜間などの閉園中でも、動物・魚のために空調・水質の管理は怠れません。そのため、水道代・電気代などもかかり、施設の維持費なども膨大になります。

特に、逆風にさらされているのが水族館です。動物園とは異なり、水族館の展示は魚がメインになります。
人気のペンギン・アシカ・ラッコ・クジラ・イルカ・シロクマは大きな集客力を持ちますが、マグロやイワシといった魚類は一般的に見た目の違いや生態の違いがわかりづらく、水族館のメインターゲットでもある“子ども”には響きにくいコンテンツでもあったのです。
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