モロッコ料理からガラス工芸まで――マニア化する「大人の習い事」、いったいなぜ?
2019年12月16日
お出かけ近年増加する大人のための習い事教室・ワークショップについて、文殊リサーチワークス・リサーチャー&プランナーの中村圭さんが解説します。
拡大の背景に働き方改革が
近年、大人のための習い事教室・ワークショップが増加しています。英会話やパソコン、資格取得のスクールなど実用的な教室などのほか、料理教室やクラフト系ワークショップなどの趣味やライフスタイルに関わる教室・ワークショップに注目が集まっています。女性を中心に興味を持つ人が増えており、自分もなにか始めたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

需要拡大の背景のひとつには、働き方改革による残業や休日出勤の抑制によって余暇時間が比較的確保しやすくなっていることが挙げられます。社会的意識として仕事以外にも人生のやりがいを持ちたいと言う風潮が高まっており、1日が仕事だけで終わってしまうことに抵抗感がある人も多くなっています。
このような動向を受けて、商業施設の中には「サードプレイス」として新しい習い事教室・ワークショップを導入する動きが見られます。サードプレイスとは、家庭(ファーストプレイス)と学校や職場(セカンドプレイス)以外で自分の時間を持てる場所を意味します。簡単に言ってしまえば、サラリーマンが帰宅前に馴染みの居酒屋で一杯飲んで大将や常連客と他愛のない話をして帰るといったところでしょうか。
働く女性が増える中、サードプレイスはストレス管理の観点からも重要性が高まっていると言われています。家庭と職場の中間地点に位置する、駅ビルなどの趣味の習い事教室・ワークショップはサードプレイスの機能が期待できるでしょう。
国内のスクールビジネスは大手チェーンによって全国に拡大し、商業施設開発がそれを牽引していった経緯があります。1980~1990年代の郊外商業施設の開発拡大期においては、文化系集客業態としてカルチャースクールが積極的に導入されました。
カルチャースクールは主に専業企業のチェーンや、新聞やテレビ系企業のチェーンが運営し、いけ花やフラワーアレンジメント、習字、ペン字、編み物、洋裁など、いわゆる習い事の教室を中心に学びのコースを総合的に取り揃えたものです。
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