プロレスにパレードも 美術に詳しくなくても楽しめる! 武蔵野美術大学の芸術祭

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プロレスにパレードも 美術に詳しくなくても楽しめる! 武蔵野美術大学の芸術祭

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「芸術」と聞くと、詳しくない人にはわかりにくい世界かと思う人もいるかも知れません。ですが武蔵野美術大学の芸術祭は、芸術がよくわからずとも気軽に、学生じゃなくても楽しめるコンテンツがいっぱいです。

企画数650! 昨年の来場者は40000人のマンモスイベント

 学園祭のシーズンが到来し、全国各地でさまざまな趣向をこらした学園祭が開催されています。そのなかでも、とりわけ独自性が高いのが、今年で41周年を迎える武蔵野美術大学(東京都小平市)の芸術祭。

 芸術というと、難しそうと考える人もいるかも知れません。ですが「それこそ、子どもからお年寄りまで、幅広く楽しめる内容ではないかと思います」と大学の広報担当者は話します。

 年々増え続ける来場者は2017年、約40000人を記録しました。

過去の芸祭の展示作品や会場の様子(画像:武蔵野美術大学)



 同大学の専門分野は、絵画、彫刻をはじめ、建築、映像、グラフィック、プロダクト、webに関すること、舞台美術、店舗等のディスプレイ、ファッション、工芸品など多岐にわたります。

 学生の多くは「つくる」ことが好き。そんな彼らにとって「イベントの場づくり」は大の得意分野ともいえます。

 2018年の総企画数はなんと650企画。さまざまな模擬店はもちろんのこと、フリーマーケット、オリジナル雑貨の販売、プロレスやパレード、体験型の展示など、沢山の企画や催しがぎっしりと詰まっています。

作り込みがすごい! 造形力を活かした空間づくり

 武蔵野美術大学の芸祭では、2000年初頭ごろから毎年ごと「テーマ」を設定し、会場の装飾から広報活動にいたるまで、全体の世界観が統一されています。

 たとえば2017年は会場全体がゲームの世界に”変貌”。いたるところに学生作のオブジェが設置されました。

2017年の芸祭『ビ×ビット』の様子。構内の随所に、ゲームの世界観を持つカラフルな装飾が設置され、来場者の目を楽しませた(画像:武蔵野美術大学)

 2018年は、アラビアンナイトとも呼ばれる『千夜一夜物語』やイスラム美術など、異国情緒とファンタジー要素に富む、アラビアンな世界をテーマにしています。

 当日に至るまでの準備期間が長いことも特徴で、構内の全ての構造物は学生が夏休みをかけて制作したものだといいます。入り口や総合案内所の装飾の細かさは、見どころのひとつです。

2018年の芸祭『アート・マハル』のポスター(画像:武蔵野美術大学)
2018年の制作の様子(画像:武蔵野美術大学)

 テーマに合わせた飲食店も複数出店。『千夜一夜物語』をテーマにした茶会を行うお店や『アラビアンナイト』をもじったタピオカドリンクを販売する模擬店などが出ています。

競技ダンス部のクレープ屋ほか模擬店も盛りだくさん

 そのほかにも、さまざまな模擬店が並びます。競技ダンス部によるクレープ屋は、歴史ある出店のひとつ。今年は、アラビアンな世界観にあわせた造形の屋台を作り込んでいます。トッポギ、サムギョプサル、チーズダッカルビなどを置く店舗もあります。

 なお、年々取り締まりが強化されている学園祭内での飲酒ですが、同大学は条件付きでの実施です。飲酒可能なエリアは、大学の2号館と4号館の間。焼き鳥やサイコロステーキなど、お酒に合う食事を提供するお店が軒を連ねます。入るには、成人かどうか等を確認のうえ、飲酒パスを発行してもらう必要があるとのこと。

過去の模擬店の様子(画像:武蔵野美術大学)



 フリーマッケットも行われ、オリジナル雑貨から着なくなった洋服まで、さまざまなグッズが並びます。

過去には、オリジナルの手ぬぐいが販売されていたことも(画像:武蔵野美術大学)

 オリジナル雑貨は、フリマ以外でも教室など、さまざまな場所で販売されます。アクセサリー、かばん、Tシャツなど、日常使いできるものも数多いです。ツイッターやインスタグラムで告知している学生も多いため、事前にハッシュタグ「#maufes」「#maufes2018」をチェックしてみると良いかも知れません。

プロレスにダンスパフォーマンス… 本気の野外イベント

 同大学の芸術祭の伝統のひとつに「プロレス」があります。毎年開催される大会は大盛況。アントニオ本多さんなど、卒業後その道で活躍するOBもいます。

 パフォーマンスグループ「MagicKingdomProject」は、パステルカラーの楽しげな衣装をまとい、ディズニーの音楽にあわせて踊ります。身にまとう衣装や移動式の舞台セットが手作りというのが同大学ならでは。

プロレス大会やパフォーマンスの様子(画像:武蔵野美術大学)

 そのほか中央広場では、競技ダンス部のパフォーマンスや、彫刻学科によるお神輿も行われます。

彫刻学科によるお神輿は毎年恒例の伝統行事(画像:武蔵野美術大学)

 最終日28日の夜には、フィナーレショーを開催。ファッションショーなどが行われるほか、美術館の壁面にプロジェクションマッピングが実施されるそうです。

会場までの主な交通手段はバスか徒歩

 そんな同大学までの、交通手段はおもにふたつ。JR国分寺駅北口から、武蔵野美術大学正門行きのバス(寺71系統)に乗るか、西武国分寺線鷹の台駅から20分弱の道のりを歩くかです。

 正門行きのバスは、芸術祭にあわせ、普段よりも増便されるとのこと。混雑が予想されますが、大学の正門前まで連れて行ってもらえる上に終点なので、降り間違いする心配もなく、とても便利です。

 鷹の台駅から歩く場合、20分は長い道のりかもしれませんが、途中、玉川上水沿いの遊歩道を通ると、都会の喧騒から離れ、森林浴を楽しみながらゆったりと歩くことができるのでおすすめです。

 肌寒くなりつつも、過ごしやすいこの時期。ふだんとは一味違った環境に身を置いて、楽しい秋のひとときを過ごしてみるのはいかがでしょうか。

●武蔵野美術大学芸術祭2018『アート・マハル』
住所:東京都小平市小川町1-736 鷹の台キャンパス
交通アクセス:JR国分寺駅から西武バス・寺71系統「武蔵野美術大学正門」行き終点下車、もしくは西武国分寺線「鷹の台駅」から徒歩約20分
開催期間:2018年10月26日(金)~28日(日) 10:00~19:30
入場料:無料

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