50歳を過ぎた私が神社の「ラジオ体操」に参加してみたら、理想の生活がどんどん見えてきた

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50歳を過ぎた私が神社の「ラジオ体操」に参加してみたら、理想の生活がどんどん見えてきた

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おのみさ

麹料理研究家、イラストレーター

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朝早くから街角で行われているラジオ体操。その魅力について、エッセイストでイラストレーターのおのみささんが自身の体験を交えて語ります。

「謎の体操」が気になり参加

 珍しく早朝に目が覚め、窓の外を見ると青空が広がっていました。普段は自宅でデスクワークをしているので、慢性的な運動不足。それを解消するために江戸川沿いでも歩こうかと思って外に出ると、近所の神社の境内がなにやら騒がしい。朝から何事なのかと覗いてみると、お年寄りが数人集まって、みんなでラジオ体操をしていました。

 中国や台湾に旅行に行くと、お年寄りが公園で太極拳などをしていますが、まさにそんな感じ。ラジオ体操は好きで、家でも時々やっていたのですが、ラジオ体操の後に校歌のような歌にあわせた「謎の体操」もやっていて、一体なんなのかと興味津々。翌日も早起きして、こっそり参加してみました。

おのさんの体験を描いたイラスト(おのみささん制作)



 まずは最初に流れる『ラジオ体操の歌』にあわせて足踏みして腕まわし。おばさまがラジオの歌にあわせて高らかな声で歌っていらっしゃるので、ちょっとほほえんでしまいます。

 そして体操の始まり。子供の頃はなんでもなかった腕回しは、50歳を過ぎると五十肩にひびき、ただ首を回すだけでも「ゴキゴキゴキッ」と音がして、身体がさびついているのがよくわかります。ラジオ体操のあとはCD(カセットテープ?)に切り替え、N〇Kの番組で見たことのある『みんなの体操』をやって、そのあとはいよいよ謎の体操です。

 歌詞を聞いていると「江戸川」「葛飾」「住みよい街」などのワードが出てくるので「なるほど、葛飾区の歌にあわせた体操なのか」と納得。もともと体操用に作られていないものに動きを合わせているせいか、若干せわしなくて難しいのです。

 最初はわけがわからず、ひとりで間違えまくっていたのですが、週に2~3回くらい通っていると、少しずつ慣れてきて楽しくなってきました。計20分の体操を終えるとバキバキに固くなっていた身体がほぐれて、とても気持ちが良い♪

 こんなふうにお年寄りにまじって体操をしていると、ふと自分の老活(老後の生活に向けて準備する活動)のことを考えはじめるようになりました。

「お金をかけず、楽しく、健康に」

 私が住んでいる葛飾区は駅から徒歩10分圏内でも比較的家賃が安く、野菜なども安いので、少ない年金でも暮らしやすいかもしれません。生活必需品は駅前でだいたい揃うので車も必要ありません。

 朝は神社でラジオ体操をして、時にはそのまま江戸川ウォーキング。天気の良い日なら水筒にコーヒーを入れ、簡単なサンドイッチを持っていって、江戸川沿いで朝ご飯なんていうのも素敵です。昼間は旬の野菜で発酵食品や保存食を作りおきして、夕方には銭湯に行って疲れをとり、夜は顔なじみの食堂や酒場でちょっと飲んだり、家で晩酌……なんていう老後の生活はなかなか良いなぁ。

 成田空港にも行きやすいので、将来、地方に住んでいる親の介護が必要になったときはLCC(格安航空会社)を利用して頻繁に行き来できるし、安いツアーを探して海外旅行もできる。まぁ今でも似たような生活をしているんですけど。

おのさんの体験を描いたイラスト(おのみささん制作)



 ラジオ体操は家でもできますが、わざわざ早起きをして時間をあわせ、屋外で、他人と一緒にやるのは、気分も新鮮だし空気も良くて、とても楽しいです。これを機に早起きクセがつけば夜も飲みすぎなくて良いかも。

 まだ老後を考えるのは早いかもしれないし、この先また気が変わるかもしれない。でもこれからも色々なことをやってみて、「お金をかけず、楽しく、健康に」過ごせるものを探していきたいと思っています。

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