ワインオークションのプロが語る――「武器」と「教養」になる高級ワインの知識とは?

2019年10月7日

ライフ
ULM編集部

酒類全体の消費数量は下降するなかで、この10年、ワインの消費数量はほぼ右肩上がりの曲線を描いています。ワインの世界は非常に奥行きが深く、その間口の部分で止まっている人も多いのではないでしょうか。競売大手「クリスティーズ」のワイン部門で活躍してきた渡辺順子さんに、高級ワインについて話を聞きました。


ワイン市場に異変? コスパ重視から多様性へ

 日本における果実酒の消費数量は、2019年3月の国税庁発表の資料によると、2017(平成29)年度は10年前と比べて58.6%増となっています。2017年度は、2015(平成27)年度についで果実酒の消費数量が最も多く、この10年間、ワインの消費数量はほぼ右肩上がりの曲線を描いています。

酒類全体の消費量が落ち込むなかで、ワインの消費量は増えている。写真はイメージ(画像:Zachys)

 また、酒類全体における果実酒消費数量のシェアは、2017年度は4.3%で、10年前の2.6%と比べて1.7ポイント上昇。酒類全体の消費数量は下降していますが、飲酒習慣のある人たちに、ワインを楽しむ機会あるいは量が増えていることがわかります。ちなみに、国税庁のデータによると、個人のワイン消費量が最も多い都道府県は東京です。

 財務省による2018年の国別のワイン輸入量は、1位がチリ、2位がフランス、3位がイタリアで、4年連続でチリがトップです。しかし、同省の統計によると、2019年1月〜8月までのワイン(2リットル以下の容器入りにしたもの)の輸入数量における前年比は、チリが87.1%、フランスが114.4%、イタリア116.6%、スペインが117.9%と、ヨーロッパが軒並み増えています。

 これについて、 ワインメーカー大手のメルシャン(中野区中野)の広報担当者は、「欧州EPA(経済連携協定)が今年2月に発効されて、ヨーロッパ産ワインの価格が下がったことがその要因のひとつといえます。加えて、チリワインのような500円前後のコスパの良いものの需要がここ2年ほど停滞気味となり、ワイン市場の活性化のために昨年あたりから欧米のもう少し品質の高い1000円台のワインを、多様性を持たせて輸入する業社が増えました。それらの需要が伸びていることも原因に挙げられると思います」と話します。

 ワインは種類が非常に豊富で多様性もあるため、好きになればなるほど、徐々にランクが上のものに目移りしがち。そして、一旦上のランクのものを飲んでしまうと、下のランクにはなかなか戻れなくなるものといえるのではないでしょうか。

 この9月に、『高いワインー知っておくと一目置かれる教養としての一流ワイン』(ダイヤモンド社)という本が出版されました。著者は、競売大手「クリスティーズ」にて、アジア人初のワインスペシャリストとなった、渡辺順子さんです。デイリーワインの先に広がる世界を垣間見るべく、渡辺さんに直接お会いして話を聞きました。

 渡辺さんは現在、東京に拠点を移して欧米のワインオークション文化の日本での普及に務める傍ら、ワインコンサルタントとして投資指南からセミナー開催まで幅広く活躍しています。

1本の高級ワインとの出会いが、ガラリと人生を変えた


日本でのワインオークションの模様(5枚)

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