【子持ち主婦が考えるSNS論】なぜツイッター上での議論はいつも「平行線」をたどるのか
2020年7月3日
ライフツイッターをはじめとするSNS上ではしばしば、異なるふたつの意見が正面からぶつかり合い、議論が平行線をたどる場面が見られます。いつから、なぜ、このような状況になったのか、ライターの宮野茉莉子さんが考察します。
誹謗中傷や、平行線の議論ばかり
「みんなちがって、みんないい」(金子みすゞ)という、誰もがよく知る詩の一節はしかし、ウェブの世界、とりわけSNSにおいてはなかなか共有されにくい価値観のようです。

2020年5月、東京を舞台にしたフジテレビのリアリティー番組『テラスハウス』に出演していた女子プロレスラー木村花さんが亡くなり、花さんがツイッターなどのSNSでの誹謗(ひぼう)中傷に傷付いていたことが判明。ネット上では、花さんの死の一因になったと推測される誹謗中傷を書き込んだアカウント探し(犯人捜し)が展開されました。
匿名だからこそ簡単に、かつより過激な発言がされるSNS上には、時に暴言や人格否定、あおり立てるような表現が見受けられ、そこには明らかな攻撃性が感じられます。
一方で「犯人捜し」をするその行為自体もまた、オンライン上における他者への攻撃行為だという皮肉さを持ち合わせています。真偽不明のまま犯人だと名指しし、特定のアカウントや投稿を拡散して暴言を浴びせることは、花さんに向けられた誹謗中傷とさほど変わりがありません。
コロナ禍の「マスク警察」と「コロナ脳」
新型コロナウイルス禍においても、人々の反応はさまざまでした。「未知のウイルスを乗り越える」という点では皆ゴールは同じはずですが、その解釈や行動は人によって異なります。
未知のウイルスであるからこそ科学的な根拠は少なく、何をどこまで恐れればいいのかという正解はまだ見えません。そのせいか、東京などの繁華街ではマスクをしていない人を見つけてわざわざ注意する「マスク警察」や、自粛期間中に営業を続けていた飲食店に「休業しろ」というチラシを貼る「自粛警察」が現れました。
やや出過ぎともいえるそれらの行為に対し、「そういうことをするのはちょっとおかしい変な人」「さすがに常識から外れている」「だからたたいてもいい」という主張もネットでは数々見られ、さらに一部では「『自粛警察』狩り」まで発生したと聞きます。

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