デフォルメされる東京 ハリウッド映画から見たその姿とは
2019年10月3日
知る!TOKYO東京がロケ地として登場するハリウッド映画について、法政大学大学院教授の増淵敏之さんが解説します。
タランティーノは「日本オタク」
日本では2019年8月30日(金)から全国320スクリーンで公開されたクエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が順調なスタートを切っているようです。

レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピットの2大スターが主演を務めていることもあり、アメリカでも好調だったと報じられています。なお日本公開前には、タランティーノとディカプリオがジャパンプレミアに出席のため、来日しました。
この作品は1969(昭和44)年に起きた俗にいう「シャロン・テート事件」を題材に、かつての西部劇俳優とそのスタントマンが事件に巻き込まれていくというものです。本作品中に日本の風景は登場しませんが、タランティーノは「日本オタク」といわれるほど日本映画や文化に造詣が深く、作品にもそれらの影響が散見されます。
彼の作品でもっとも日本テイストが強いのは、2003(平成15)年の『キル・ビル』でしょう。ユマ・サーマン演じる主人公「ザ・ブライド」ですが、『Vol.1』は日本が舞台という設定で、お台場周辺の道路も登場します。
メインの舞台になる高級料亭「青葉屋」のモデルは西麻布の居酒屋「権八」(港区)といわれています。しかし青葉屋のシーンは中国にセットを作って撮られました。東京は映画の撮影許可を得るのが難しい都市のため、仕方ありません。
ただ作品はチャンバラや日本刀、ヤクザなどが盛りだくさんで、役名やせりふ回し、演出などに日本映画へのオマージュが盛り込まれており、タランティーノの日本愛を充分に感じることができます。ちなみに2004年には、続編となる『Vol.2』が公開されており、日本や東京の風俗や特徴がデフォルメされ、とても興味深いです。
タランティーノは黒澤明や深作欣二などが好きで、先日の記者会見では彼らの古い邦画DVDを探していると話していました。またレオナルド・ディカプリオやキアヌ・リーブス、スティーブン・タイラー、レディ・ガガなどは東京を始めとするさまざまな場所に足を運んでおり、日本好きであるのがうかがえます。

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