時短家電は「手抜きツール」と考えていた私を変えた、忘れられないひとつの言葉

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時短家電は「手抜きツール」と考えていた私を変えた、忘れられないひとつの言葉

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宮野茉莉子

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核家族化が進みワンオペ育児などが発生しやすくなった現在、食洗機やロボット掃除機といった「時短家電」が注目されています。しかしその使用を素直に受け入れられない人たちも。原因は、家事に対する「罪悪感」です。その克服方法について、3児のママライターである宮野茉莉子さんが語ります。

ママはなぜ「罪悪感」を感じるのか

 ママが普段の日以上に忙しくなる夏休みは、実は「時短家電」導入を検討するチャンスです。また夏のボーナス支給日を迎えるため、お財布的にもハードルが下がりやすくなります。

テクノロジーは、人間を救う?(画像:写真AC)



 あとはママ自身の心の中にある、時短家電に頼ることへの「罪悪感」をどのように払しょくするかがカギです。せっかく購入しても「使っていて後ろめたい」「結局使わず、これまでのように無理している」のでは意味がありません。

 まず把握したいのが、便利なものに罪悪感を感じる「理由」です。昔と比べて家族の人数が減り、その上、ワンオペ育児(ひとりで仕事、家事、育児のすべてを行うこと)を行うようになったのですから、便利なものに頼るのは当たり前。それなのに、ママは罪悪感を感じています。

 理由はさまざま。夫や実親、義両親などの「他人から言われて」や、ママ友や旧友などの「他人の暮らしと比較して」感じることもあるでしょう。また、「親がしていたように自分もすべき」と、自らの子ども時代と比較することもあります。また、ドラマ作品などを見て、いつの間にか「『家事は丁寧に』という風潮に縛られていた」というケースもあるでしょう。

 誰しも外部の情報からの影響を受けますが、日々の生活を続けるのは結局自分自身です。あくまでも自分を軸にして、自分の身体や心、頭のキャパシティーを把握し、「自分は何を大切にして、何を簡略化したいか」を考える必要があります。

時代は、確実に良い方向へ進んでいる

 筆者は長い間、自分自身を軸にして物事を考えてきたつもりでしたが、「家事を丁寧にできない罪悪感」からは抜け出せていませんでした。ところが作家・吉本ばななさんの日記に出てきた、同じく作家の森博嗣(ひろし)さんの「時代は確実によくなっている」の一言で、視点がガラッと変わりました。世の中は実際、便利になっています。

「昔は良かった」「便利なものは良くない」「手をかけることこそ良い」という考えが、自分の中に残っていたことに筆者は気付きました。便利になることを、どこか「悪」のように感じていました。テクノロジーが進化すると、「便利過ぎて人間関係が希薄になる」などの情報も筆者をそのような考え方にしていました。

 しかし歴史を振り返って見れば、かまどから炊飯器へ、洗濯板から洗濯機へ……と飛躍的に進化しており、現代でも、時短家電のおかげで核家族や共働きの負担が減り、体力や気力の疲弊を減らすことができます。

 生き物は進化します。そして人間は基本的に「より便利で安全な世の中」を求め、進化しようとしています。筆者は未来をもう少し明るく考え、メリットに目を向けようと思い始めました。

 現在では「時代は良くなっている」という考えのもと、時短家電のメリットを強く感じています。

時短家電で、より自分らしい生活へ 

 一番良かったのは、子どもと遊ぶ時間が増え、子どもの言葉に耳を傾ける心身の余裕が増えたことです。比重が「丁寧な家事」より、「丁寧な育児」にシフトしたのです。

テクノロジーは、親が子どもと遊ぶ時間を増やす?(画像:写真AC)



 これまで「ママは自分の時間がなくて当たり前」と思っていましたが、人間は自分を大切にすることで、初めて他人も大切にできる生き物だとわかりました。時短家電のおかげで、より仕事をする時間が増えたり、好きなコーヒーをゆっくり飲んだり、本を読んだり、ヨガをしたりする時間も見つけられるようになりました。

 時短家電に頼ることで、より「自分らしく」過ごすための時間が増えたと感じていますし、家事の負担を減らすことで、自分を大切にしようという「気付き」を得たように思います。こう考えると、丁寧な家事よりも、時短家電を使って自分らしい生活を送る方が魅力的に思えるのです。

 物事への「捉え方」を変えれば、考え方が変わります。ひとりのママの言葉として、参考にしていただけると嬉しいです。

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