伸ばす前の顔の直径約35cm! 実は東京銘菓の「金太郎飴」 その製造工程がすごい
「金太郎飴」の製造過程を見せてもらいました。途中、あらわれた直径約35cmの巨大な金太郎の顔にびっくり。そこからあっという間に1円玉サイズになった姿にもびっくり。圧巻な現場でした。
金太郎飴の「本店」は東京にある
切っても切っても切っても金太郎の顔が出てくる「金太郎飴」。その「本店」が東京にあるのをご存知でしょうか。その名もずばり「金太郎飴本店」。明治のはじめに飴売りの露天商からはじまり、現在は6代目が営む老舗です。
そんな同店の公式サイトを見ていたところ、衝撃的な写真が目に飛び込んできました。それは巨大な金太郎の「顔」。おおよそ直径35cm。人間の顔よりも大きく、今までに見たことのない類の表情をしています。

まさかこんなプロセスを経ていたとは……! この顔は、いったいどのようにして私たちが普段見ている姿へと変貌するのでしょうか。そもそも、どうやって組み上げているのでしょうか。作業現場を見せてもらいました。
金太郎飴の作業場は冷房NG
やってきたのは日比谷線三ノ輪駅。ここから歩いて1分ほどの場所に「金太郎飴本店」はあります。

飴づくりが行われているのは店舗の2階です。階段をのぼり、まず感じたのは売り場との温度差。取材は夏真っ盛りの7月下旬でしたが、作業場には冷房が入っていないのです。
「金太郎飴は、飴がやわらかい状態でないと成形できません。冷気は飴の固まるスピードを早めてしまうため、冷房が使えないのです」(「金太郎飴本店」6代目渡邊さん)
通常7、8人で行うという金太郎飴の製造。機械も用いるものの、多くの作業は職人の手腕にかかっており、未経験から飴の成形が立派にできるようになるまでには、2~3年ほどかかるといいます。
飴に空気を含ませることで色や食感が変わる
工程は、飴を溶かすところからスタート。溶かした飴は90度前後とかなり高温です。

その飴を冷ましつつ、丸めたあとは「精白機」でぐるぐると練り回し、空気を含ませます。すると飴の色が透明から白に変化。

空気は色以外にも影響を及ぼします。金太郎飴が、ほかの飴に比べてサクッとしているように感じるのもこの工程によるもの。歯にくっつきにくくなるのも空気の影響といいます。

直径35cmの大きな「顔」をゴロンゴロン
色付けのあとは、いよいよ直径約35cmの「顔」の組み立て。4、5人のチームで製作します。各自、担当パーツを組み上げていくのですが、その作業はあまりにも自然に始まりました。迷いなく、止まることなく、全員ほぼ無言でアイコンタクトをとっている様子もほとんどありません。

事前に綿密に打ち合わせをしているのでしょうか。聞いてみたところ「なんとなく、事前打ち合わせのようなものが、あるにはあります。ですが完成予定図を見るだけでも、自分が何をつくればよいのかは、なんとなくわかります」と渡邊さん。


お互いがお互いの動きを常に把握しあっていることも見て取れました。たとえば、飴が貼り付いてしまい剥がそうとしている人いると、一瞬のうちに、ハサミを持って剥がすのを手伝い始める人が現れます。
「飴の成形は時間に限りがあります。固まる前に組み上げなくてはいけません。でも、早ければ早いほどいいというのでもなくて、周囲の状況を見ながら、その進捗に合わせていく必要があります」(渡邊さん)
さて、口、鼻、目、眉毛とパーツが組み上がっていき、金太郎の表情が見えてきました。


顔が組み上がると、今度はゴロンゴロン。大きな顔を左右に揺さぶります。形をまるく整えるためです。


飴の外枠部分になる白い飴をくるっと巻き、さらに端をぎゅっと絞ったのちに機械の中へ。飴の塊の重さは約40kg、持ち上げる時は2人がかりです。



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