これからの複数育児に必要なのは「分析」、個性豊かな子どもたちを「比較」してはいけない

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これからの複数育児に必要なのは「分析」、個性豊かな子どもたちを「比較」してはいけない

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宮野茉莉子

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同じ親から生まれても、子どもの性格はバラバラです。そんな異なる個性を持つ彼らを等しく愛するにはどのようにしたらいいのでしょうか。3児のママライター・宮野茉莉子さんが、自らの体験を通して解説します。

「分析」はしても「比較」はしない

 わが家には長男、次男、長女の3兄妹がいますが、性格は見事にバラバラです。そのため、接し方を間違えて反省することもあります。「兄弟だから、性格も同じ」という考えは間違えです。

親は同じでも、子どもの性格はバラバラ。それが当たり前(画像:写真AC)



 長男は超慎重派、プライドが高い、繊細。次男は考えるよりもまず行動、大雑把、人当たりがよい。長女はふたりを足して2で割った性格で穏やか、我が強い、人見知りです。

 性格がバラバラだとつい比較しがちですが、筆者は「分析はしても、比較はしない」ように注意しています。

 分析とは、たとえば長男がひらがなを書くのが早く、次男が遅いとき、「ひらがなの覚え方にも個人差がある」と親が理解し、次男に合った方法を調べたり、試したりすることです。

 逆に「お兄ちゃんは〇歳で覚えたのに、なんで?」と次男に言ってしまうと、これは比較になります。比較をすれば、兄弟喧嘩や確執、さらには本人の自信や意欲を失わせることにつながります。

「この子は〇〇」と決めつけ過ぎない

 兄妹の性格がバラバラだと、つい「特性」で判断しがちなことも。たとえばわが家の場合、次男(考えるよりもまず行動、大雑把、人当たりがよい)は筆者に似た性格のため、「この子は強いから、このくらい言っても大丈夫」と思うことがあります。

 以前、次男が危険なことをしたので叱ったところ、口角をゆがませたり、目をパチパチさせたりして涙ぐみそうになったので、「怖かったんだ」「この子も思うところがあったんだ」と気付きました。この経験から、その後は抱きしめたり、「何か考えがあったの?」などと聞くようにしています。

 筆者は「この子は〇〇」と決めつけていたことを反省しました。逆に子どもの立場なら、親に決めつけられるのはイヤなはず。そう思い、今は、子どもを決め付き過ぎないように注意しています。

わが子とはいえ、分からないことも

 親が子ども全員を愛する気持ちは変わりません。しかし、性格は人それぞれ異なるもの。筆者と性格が違う子どもに対して、「気持ちが理解できない」と感じることもあります。

親は「自分の物差し」で子どもを判断してはいけない(画像:写真AC)



 たとえば大雑把な性格の人にとって、繊細な人の気持ちは分かりにくいもの。まず「何に傷付いたのか」に気付けませんし、「どれほど傷付いたか」も想像しにくいのです。

 そのため、筆者はすべての子どもの話をよく聞くようにしています。理解できなくても、いや理解できないからこそ、受け止めるようにします。

 話を聞いていて、「そのくらいで傷付いたの?」と言ってしまうと、子どもは次回から話さなくなります。筆者は「自分の物差し」で話をせず、子どもの気持ちに寄り添う発言を念頭に置きながら話しています。

 子どものそれぞれの性格に合わせて言動を選ぶのはとても大変ですが、自らのコミュニケーション能力の向上につながります。筆者が目指すのは、「性格が違ってもそれぞれを認め合える家族」。性格の違う子どもたちから、学ぶことも多いのです。

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