彼女たちはなぜタピオカに並ぶのか? 「盛り」から紐解く女の子の謎
2019年7月7日
ライフ近年、大ブームのタピオカミルクティー。店舗に長蛇の列をなす光景はもはや日常です。そんなタピオカミルクティーに女の子たちはなぜ並ぶのでしょうか。メディア環境学博士の久保友香さんが「盛り」の観点から解説します。
女の子たちの謎行動を紐解く鍵
今、どこの街でも、タピオカミルクティー店に並ぶ女の子たちの行列を見かけます。私は正直言って、タピオカミルクティーをそれほどおいしいと思いません。とくに、東京は江戸時代から営業する老舗和菓子店からフランスの有名パティスリ―の支店まで、これだけおいしいお菓子があふれているのに、なぜ彼女たちはタピオカミルクティー店ばかりに集中しているのでしょうか。

最近では男性誌やインターネット上で、「タピオカミルクティーのカロリーは、実はハイカロリーで有名な某ラーメン店のラーメンのカロリーより高い」とか、「タピオカミルクティー店を経営しているのは、実はブラックな企業が多い」など、批判的な記事も増えています。そのため、女の子たちの行動を不可解に思っている大人は、どうやら私だけではなさそうです。
日本の女の子たちはこのように、大人たちには不可解な行動をとることがあります。それらの謎行動を紐解く時、キーになるのが、「盛り」という概念です。私は2019年4月、『「盛り」の誕生―女の子とテクノロジが生んだ日本の美意識―』(太田出版)という、日本の女の子たちの「盛り」という行動が、なぜ誕生し、どう発展していったかを解説した本を上梓しました。読者の反応からわかったのは、女の子たちにとって「盛り」は当然である一方、男性や大人は、彼女たちの「盛り」の目的をまったく理解していなかったことです。
例えば、1990年代半ば、東京の渋谷の女の子を中心に、日焼けサロンで“黒肌”に、髪を脱色して“茶髪”やさらには“金髪”にすることが盛んになりました。また2000年代半ばには、プリクラ写真の上で目を大きくする“デカ目”加工することがさかんになりました。彼女たちはなぜそのようなビジュアルをしたのだと思いますか? その目的が決して「美人」になることでないことは、皆さまもおわかりだと思います。

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