「駅のハンバーガー店」として親しまれた「ベッカーズ」が全店閉店――最後の柏店では限定メニュー販売も!

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「駅のハンバーガー店」として親しまれた「ベッカーズ」が全店閉店――最後の柏店では限定メニュー販売も!

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若杉優貴

都市商業研究所

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駅ナカのJR系バーガー店「ベッカーズ」が11月22日をもって完全閉店します。今回は、都市商業研究所の若杉優貴さんが最後の店舗キャンペーンとこれまでの歴史を振り返ります。

「ベッカーズ」全店閉店・ブランドクローズへ

 JR東日本子会社であるJR東日本クロスステーションフーズカンパニー(本社:東京都渋谷区)が首都圏各地に展開しているハンバーガー・ベーカリーカフェ「Becker’s」(ベッカーズ)が、2023年11月22日限りで「ブランドクローズ」することを発表。ベッカーズは37年の歴史に完全に幕を下ろすこととなりました。

都内で「駅チカのハンバーガーチェーン」として知られたベッカーズ。実は現在はJR東日本グループの運営でした。 JR飯田橋駅にあった「ベッカーズ飯田橋店」。(写真:若杉優貴)



「駅の待ち合わせスポット」「アニメコラボ」でも親しまれたJR系バーガー店

 ベッカーズは1986年にロイヤル(現:ロイヤルホールディングズ、ロイヤルホスト運営企業)子会社によって東京都新宿区の新宿三井ビルディングに1号店を出店。1990年に運営会社をJR東日本グループが買収して以降、おもな出店地域を首都圏の駅構内や駅ビルへと移すことで店舗網を増やし、最盛期には40店舗以上を展開していました。自家焼成バンズを使用するなど、他のハンバーガーチェーンに比べて少し値段の高いこだわりのメニューが多く、また殆どの店舗が都心の駅ビル・駅ナカということで、仕事やデートなどの待ち合わせに使ったことがあるという人もいるかも知れません。

 2013年にはJR田町駅のコンコースに新業態「アールベッカーズ」1号店が登場。このアールベッカーズは比較的大型の店舗で飲食メニューや酒類を充実させた新業態で、2015年にJR池袋駅東口に旗艦店を出店。ここでは池袋という立地を活かして漫画・アニメ作品やアイドルグループなどとのコラボメニュー企画が頻繁に実施されていたため、首都圏外から「遠征」として訪れる客も少なくありませんでした。

JR池袋駅にあった「アールベッカーズ池袋東口店」。ほろよいメニューも提供されていました。 都内では最後まで残ったものの10月に閉店。(写真:若杉優貴)

コロナ禍で一気に閉店――「首都圏の駅ビル・駅ナカ立地」も影響か?

 首都圏外での知名度も増し、地域限定チェーンかつほとんどの店舗が駅ビル・駅ナカ展開という訪れやすい立地ゆえ「東京旅行のときに寄ってみたい」という観光需要も取り込んでいたベッカーズでしたが、その一方で、新型コロナウイルスの感染拡大以降は「都心中心」かつ「駅ビル・駅ナカ」という立地ゆえか、閉店が相次ぐようになっていました。

 今年(2023年)10月には都内最後の店舗となっていたアールベッカーズ池袋東口店、そしてベッカーズ大宮店が閉店。残るベッカーズ柏店も11月22日での閉店を発表し、これをもってベッカーズは全ての店舗が消えることになります。

最後の店舗となるベッカーズ柏店。 11月22日の閉店まで限定メニューが販売されます。(写真:文鉄・お札とコインの資料館)

最後に残った柏店で「限定メニュー」を味わってみては

 ベッカーズ柏店では、閉店となる11月22日まで最後のハンバーガーとして1990年代に販売していた「ベッカーズバーガー」を今の食材で可能な限り再現した特別メニュー「ラスト・ベッカーズバーガー」(税込450円)を販売中。また、ポテト・ドリンクセット(税込850円)の購入者は記念クリアファイルをもらうことができます。

最後の「ベッカーズのハンバーガー」を味わってみては。(写真:文鉄・お札とコインの資料館)

 店舗の減少によりベッカーズから足が遠ざかっていた人も多いと思いますが、これを機に千代田線・常磐線に乗って「最後のベッカーズ」を味わいに出かけてみてはいかがでしょうか。

■ベッカーズ柏店
住所:千葉県柏市柏1-1-1 JR柏駅中央口改札内
営業時間:2023年11月22日(水)22:00まで
※日祝21:00まで

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