悩める女子の強い味方! 恵比寿の養成スクールに聞く、「占い師」の最新事情や選び方

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悩める女子の強い味方! 恵比寿の養成スクールに聞く、「占い師」の最新事情や選び方

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多くの女性が関心を持つ「占い」。それを職業とする占い師には、いったいどのような経歴の人がなるのでしょうか。また、どのような性格の人が向いているのでしょうか。取材しました。

ある程度の人生経験も必要

 女性はいつの時代も占いが大好き。占い師はそんな女性たちの強い味方ですが、実は占い師の養成学校が東京・恵比寿にあるのです。いったいどのような人が目指しているのでしょうか。恵比寿にある占い師養成学校「アカデメイア・カレッジ」の運営スタッフ、長谷龍次さんに、業界の最新事情も含めたお話を聞きました。

占い師にも人生経験が求められる。写真はイメージ(画像:写真AC)



 同校は開校20年の老舗で、毎期50以上の講座を開講。これまでに約3000人の受講実績があり、卒業生に対して仕事のあっせんなども行っています。そもそも占い師になろうとする人は、どのような人が多いのでしょうか。

「当校の生徒は80%が女性ですが、この5年は男性の受講者も増えています。昔はいかにも占い好きな『マニアック』な方が多かったのですが、今は一般の勤め人が多く、定年退職した方もいます。各校が男性でも興味が持てるようなホームページ作りに力を入れたり、男性のイケメン占い師がテレビなどで活躍していたりということが背景にあると思います。平均年齢は、女性も男性も40代がもっとも多いですね。20代の方はほとんどいません。占い師は他人の悩みや相談を聞いて、それに対してアドバイスを行うわけですから、当人にもある程度の人生経験が求められるのです。『言葉の重み』はとても大切ですからね」(長谷さん)

 占い師にもっとも求められる資質は「他人の話をとにかくよく聞く人」。もちろんよく聞くだけでは当然ダメで、占いの技術もしっかりしていることが大前提です。

「そうでないと単なる人生相談になってしまいますからね。しかし、最初は誰でも初心者ですから心配する必要はありません。勉強を重ねていくうちに『直感』が磨かれていきます。同じ占術を使っても人によって見方や目のつけ所が違いますし、それがまたその人の個性につながっていくのです」

「人に役に立ちたい」という共通の思いも

 しかし、占いだけで生計を立てている占い師は全体の20%程度だといいます。大半は会社員などのかたわら、副業として占い師が集まる施設で週末に鑑定したり、電話やメールなどを使った占いを行ったり、知人の間だけで活動したり、個別でセミナーを開催したりしているようで、その活動形態はさまざまだといいます。ちなみに鑑定による収入は「ほとんどが完全歩合制」(長谷さん)といいますから、人気商売、実力業界そのものと言ってよいでしょう。

占いで食べていけるのは全体の20%程度という(画像:写真AC)

「副業で週末に始めて、うまくいくようになったら少し日数を増やしてみる。それが次第に正業になっていくという流れがほとんどです。生徒さんに一般の勤め人が多くなったと先ほどいいましたが、もともと占いに興味がある方はやはり多いですね。興味の度合いによらず、皆さんに共通しているのは『人に役に立ちたい』という考えでしょうか。

 もちろんプロを目指して挫折する方もいます。当校も週1回の通学でライセンス取得に2年かかりますが、せっかくプロになっても辞めてしまう人もいます。固定客がつかないからといった収入的なケースや、勤務先の施設での人間関係、深刻な相談を受けすぎてメンタルに傷がついてしまったなどさまざまです。そのため、占いを離れたプライベートの時間で、自分をうまくリフレッシュできる人が長続きする傾向があります。簡単な仕事ではありませんが、世の中の流れが速く、今後どうなるか分からない現在、副業として占い師を選ぶ流れも出てくるでしょう。もちろん競争も一段と激しくなると思います」(長谷さん)

女性占い師に人気の「タロット占い」

タロットカードのイメージ(画像:写真AC)

 ところで、占いは「命術」「卜術(ぼくじゅつ)」「相術」の3種類に分けることができます。
 
「命術」は、生年月日や日時を使って、個人の性格や運命、他人との相性を占うもので、西洋占星術、四柱推命(しちゅうすいめい)、紫微斗数(しびとすう)、九星術/九星気学、宿曜占術(しゅくようせんじゅつ・すくようせんじゅつ)、インド占星術に分けられます。

「卜術」は、偶然に表れた象徴を使って、事柄や事態の成り行きを占うもので、タロットカード、周易(しゅうえき)、断易(だんえき)、梅花心易(ばいかしんえき)、奇門遁甲(きもんとんこう)、ルーン、ダウジングがあります。

「相術」は、対象を外側から見ることで、その人の状態や運勢を占うもので、手相、人相、名相(めいそう)・姓名判断(せいめいはんだん)、風水(ふうすい)・家相(かそう)です。

 近年の占い師志望者に人気なのは、西洋占星術(命術)、タロットカード(卜術)、手相(相術)だといいます。

「もともと占い師には女性が多いため、華やかなイメージのある占いが人気です。特にタロットカードは、さまざまなデザインのカードが売られているので、女性の関心を引きやすいです。西洋占星術はそれに加えて、占いに必要なホロスコープ(生年月日時の惑星位置と出生地の緯度・経度を基に作る図表)を簡単に表示できる専用のパソコンソフトが充実していることも背景にあります。昔は手書きで作っていて、手間がかかっていたのです。

 筮竹(ぜいちく)という細い竹の束やサイコロなどを使った周易などの東洋占術は、漢字が多いため、女性には多少とっつきにくかったり、地味だったりするイメージがあります。ちなみに四柱推命は、スクールなどができる以前は、師匠に弟子入りして、免状を取るのに何十万円もかかっていたんですよ」(長谷さん)

独人女性の相談内容は「恋愛・結婚」が断トツ

占いはプロによる「技術」(画像:写真AC)



 最近はどのような相談内容が多いのでしょうか。

「年代によっても、独身か既婚かによっても大きく異なります。相談相手の60~70%は若い女性で、独身の方は恋愛や結婚に関する内容が断トツに多い。これは今も昔も変わりません。既婚者であれば子育てや子どもの進路について、男性であれば転職や起業といった仕事に関するものが多いですね。

 最近の相談の特徴としては、何といっても無料通話アプリに関するものが多いです。いわゆる『既読スルー』に関するものですが、こういった相談の大半は、占い施設に行って相談するというより、電話を使った相談が多い。相手の顔が見えないから話しやすいというわけです。深夜に同じ占い師に何回も電話して、1か月に数万円を使っている方もいるぐらいで、インターネット時代ならではと思いますね」(長谷さん)

 ちなみに、Aという占術の結果と、Bという占術の結果が違う場合は、どちらを信じたらよいのでしょうか。最後に聞いてみました。

「同じ占い師がAとBを行っても、基本的に結果は同じです。異なる占い師がAとBを行った場合は、先ほどお話したように、個々によって目の付け所や見方、表現が異なるので違う結果になる可能性もあります。ただ、西洋占星術でもタロットでもそうですが、占いはおまじないではなく、プロによる『技術』ですから、基本的に結果はあまり変わりません。また、同じ結果を聞いても、相談者によって受け取り方や解釈も違うので、その辺りはフレキシブルに活用していただければ、といった感じでしょうか」(長谷さん)

 また、自分にフィットした占い師を見つけるには、まずその人のプロフィールによく目を通して、「得意なジャンルが自分の相談内容と合っているかどうか」をチェックするのが良いと、長谷さんは話しています。

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