東京駅構内に「カニの化石」が! 大学教授も驚く珍発見に3万いいね「よく見つけたねぇ」
あっと驚く衝撃の場面、感心させられる発見や豆知識、思わず涙を誘う感動の出来事……。SNS上では毎日、新鮮な話題がいくつも発信されています。そのなかから「東京」に関連するものを厳選してご紹介します。巨大ターミナル駅のどこに? 東京駅構内で「カニの化石」を発見――。 ツイッターにアップされた、そんな書き込みと画像がユーザーたちを賑わせました。2021年10月22日(金)11時までに集まった いいね の数は3万件超。 それにしても1日平均45万人前後(JR東日本)が行き来する巨大ターミナル駅のいったいどこに、カニの化石はひそんでいたのでしょうか。 輪郭くっきり、カニの化石 ツイッターに投稿したのは、ひとみしり犬(@kuta0041378)さん。かねて街中にある化石を探して歩き、ツイッター上で発信しています。 「東京駅構内のecute Tokyoの入口近くの柱にカニの化石を見つけました。石材での報告は海外ではありますが、国内では初かと思います」 と添えた今回の投稿画像には、ベージュ色の石材の中にだ円のような形をしたカニの輪郭がはっきり写し込まれています。ふたつの爪を頭上に持ち上げたさまや、左右の目もしっかり確認できます。 東京駅構内の柱に発見されたカニの化石(画像:ひとみしり犬さんのツイート) ひとみしり犬さんは、 「同じ柱に貨幣石があるので、その頃のカニさんだと思います。場所は(土産物の)『ごまたまご』(の看板)の左側辺りです」 とも付け加えています。「貨幣石」とは数千万年前に繁栄した、硬貨のような形状の有孔虫。カニも同じ時代に生きていたと推測されるというのです。 まるでトレジャーハントのようまるでトレジャーハントのよう 太古のカニの化石発見にフォロワーたちからは、 「おー、ほんとだカニさんだ!」 「カニに見えるという冗談なのかと思ったら、本物の化石なんですね。興味深いです」 「カニの化石は珍しいね それにしてもよく見つけたねぇ!」 と驚きと歓喜の声が続々。また、 「街中でトレジャーハントできるんだ、すてき」 「実際に見てみたい!」 と、街の中で見つかる化石の存在に興味を寄せる人も数多く見られました。 子ども時代にハマった化石探し 投稿者のひとみしり犬さんに話を聞きました。 ――いつ頃から化石に興味を持って探しているのですか。 「昭和50年代後半に大理石の化石を探すブームがありました。そこで子どもの頃にハマって、かれこれ30数年になります」 ――東京のような都心でも化石を発見できるのですね。 「東京駅周辺にはまだまだ化石スポットがたくさんあります。他にも銀座や新宿、東京以外でも大きめの街には化石が見つかることが多いです」 東京駅の外観(画像:写真AC)――今回発見されたカニの化石は、いつ頃のものと考えられますか。 「同じ柱から化石が見つかった貨幣石という生物は、新生代古第三紀(※編集部注、6600万~2300万年前)という時代に活動していました。ですので、カニもこの頃に生きていたものと思われます」 地質学の教授も「珍しい」地質学の教授も「珍しい」 愛知大学で地質学や岩石学などを教える西本昌司教授は、今回の発見について、 「(石材にカニの化石が見つかるのは)珍しいことです。よく気付いたなぁと、その観察眼に感心しました」 と話します。 街中で使われている石材の中に渦巻き模様のアンモナイト化石があることはよく知られていますが、カニが極めて珍しいのは、アンモナイトに比べて「気付かれにくいから」だと指摘します。 アンモナイトが閉じ込められた大理石のイメージ(画像:写真AC) ひとみしり犬さんは、化石探しの魅力について「自分だけしか気付かないような、宝探しをしている気分になる」。 西本教授も「宝探しのような見つける楽しさと、太古の地球を垣間見ることができるという点」を挙げます。 ひとみしり犬さんの投稿には「(小学館の漫画)『MASTERキートン』を思い出すなぁ。自分に出会うために何万年も待っていたって台詞がすごく深かった」といった声も寄せられていました。 街中にはまだまだ、誰にも発見されていない化石が眠っているかもしれません。今回の投稿によって、次に街へ出かけたときには石柱にも注目してみようと思った人は少なくないようです。
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