新型コロナウイルスは東京の大学入試にどのような影響を与えるのか
国公立大入試を目前に控えた現在 新型コロナウイルスの感染力はすさまじく、日本国内でも感染経路が不明なケースが取り沙汰されるなど、日常生活で誰しもがそのリスクと隣り合わせの状態です。発症の際には、経過観察や自宅待機などの措置が取られています。 東京大の赤門(画像:写真AC) しかし国公立大入試を目前に控え、受験生の周囲で新型コロナウイルスの陽性反応が出た場合はどうすれば良いのでしょうか。今回は2020年2月19日(水)午前までに判明している東京の国公立大の対応について、ご紹介していきます。 国内での市中感染が疑われる最中に行われる大学入試 国公立大の2次試験を週明けに控え、人生の岐路に立った受験生とその家族にとって、新型コロナウイルスはまさに「目に見えない敵」となっています。 1月下旬までの発症者は中国・武漢関連に限定されていました。しかし2月中旬に入ると、日本国内でのヒト・ヒト感染や明確な感染路がわからない発症例が出ています。 東京のイメージ(画像:写真AC) 悪いことに、このような状況下で大学入試という大勢の人たちが同じ場所で数時間にわたり試験を受けるイベントが、これから待ち受けているのです。 新型コロナウイルスは感染力の強さが指摘されている上、初期症状が風邪に似ていたり無症状の感染者が報告されたりするなど、非常に手ごわいウイルスです。 試験会場のような閉ざされた空間に大勢の人たちがいる場所では、ひとりでも感染者がいると瞬く間に広がる可能性が高まります。 大学入試は、全国から多くの人が集まります。危機を未然に防ぎ、不測の事態を避けるため、東京の国立大は大事に至らないよう、入試前から方針を表明しています。 罹患した場合は受験させない方針を表明した東大罹患した場合は受験させない方針を表明した東大 2月19日午前中の時点で、東京の複数の国立大は新型コロナウイルスに罹患(りかん)している志願者に対し、受験拒否の方針を表明しています。 東京大(文京区本郷)は、2月1日(土)に学校保健安全法における第1種の指定感染症および検疫感染症に指定されたことを受け、2月13日(木)付けで新型コロナウイルスに罹患者の受験を認めず、追試などの特例措置も行わないという通達を公開しました。 また東京学芸大(小金井市貫井北町)や東京外国語大(府中市朝日町)、東京医科歯科大(文京区湯島)や東京農工大(府中市晴見町)では、罹患し治癒していない場合は受験と追試入試などの特別措置や検定料返金に応じないと明言しています。 受験拒否の方針の表明イメージ(画像:写真AC) 東京海洋大(港区港南)では感染が疑われるケースでも受験できないとし、より厳しい文面で受験生に伝えています。 東京の国立大で、受験生への新型コロナウイルスに対する注意喚起を2月10日(月)に公表した電気通信大(調布市調布ケ丘)は、文書内では具体的な措置を明言していませんでした。 その1週間以内で国内での感染者が増加したため、他の東京の国立大同様、罹患した場合は受験拒否や特例措置を行わないことを示唆すると考えられます。 お茶の水女子大(文京区大塚)と首都大学東京(八王子市南大沢)は、2月19日午前時点で具体的な指示を公表していませんが、今週末までに何らかの発表があると思われます。 受験生や家族にとって気が休まない1週間になる受験生や家族にとって気が休まない1週間になる 全国的に見ると、国公立大の新型コロナウイルスへの対応は大学によって異なっており、受験生やその保護者は頻繁に公式ホームページを確認する必要があります。 東京の多くの国立大では、新型コロナウイルスに関する文書内で、受験生に対しして人混みを避け、マスク着用と手洗いうがいの敢行を奨励しています。基本的に風邪やインフルエンザ予防と同じ対応ですが、治癒方法も確立されていない未知のウイルスは誰にとっても脅威です。 満員電車のイメージ(画像:写真AC) 満員電車に乗って通勤している受験生の家族や、日頃から多くの人と接する職業に従事している家族とって、 「万が一自分が感染したらどうなるのだろうか」 と不安な気持ちになるのは当然です。嵐が去るのをじっと待とうと願っても、相手がウイルスでは完全に回避することは難しいでしょう。 受験生は入試が終わるまで例え自宅にいたとしても、家族との接触回数をなるべく抑えるなどの対策を行っていくことが必要になるのではないでしょうか。
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