「社労士」とは、社会保険労務士についての略称です。
社会保険や労働関連における専門家として、企業の人事や労務管理を担う人のことを指します。
一方で、「行政書士」とは、行政手続きを専門とする法律家のことです。
この2つの資格はどちらも法律に関する資格であることから、混同されやすい傾向にあります。
しかし、実際には仕事の内容や年収、資格取得の難易度などが大きく異なります。
いま現在、法律関係の資格の取得を目指している方のなかには、行政書士と社労士では、どちらの資格を優先的に取得するべきか悩んでいる人もいるでしょう。
そこで本記事では、行政書士、社労士それぞれの仕事内容や試験の具体的な難易度と、ダブルライセンスを取得することについてのメリットを解説します。
おすすめの勉強方法や試験を受けるべき順番についてもお伝えしていますので、行政書士を目指しており、社労士の受験も視野にいれている方は、ぜひご一読ください。
行政書士と社労士のダブルライセンスが人気
行政書士と社労士、二つの資格を持つと、それぞれの業務において不足している部分を補い合える関係にあることから、近年は、資格を組み合わせて取得することに大きな注目が集まっています。
特に、「行政書士だけでは、収入がなかなか安定せず、先行きが不安…」「クライアントからの要望に答えられず、もどかしい思いをしたことがある…」「就職や転職において他の求職者と差をつけたい」といった人は、行政書士と社労士のダブルライセンスを取得することで、社労士として働きながらも、クライアントのニーズに応じて行政書士としての業務もこなすことができるようになるため、おすすめです。
また、双方の資格を生かしながら、収入アップにつなげられますし、難易度の高い国家資格を2つ所有していることで、クライアントから強い信頼を勝ち取ることができるため、法律系士業としての営業が優位になり、ビジネスチャンスも広がります。
加えて、社労士には、学歴や実務経験の有無といった、厳しい受験資格が設けられていますが、行政書士資格を先に取得しておけば、それらの条件はクリアできます。
社労士と行政書士という、いわゆるダブルライセンスを取得できたような人材を積極的に募集している企業・事務所も増えているため、少しでも迷っている方は、ぜひ、どちらの資格にもチャレンジし、オリジナルの強みを見出してみてはいかがでしょうか。
行政書士と社労士の仕事内容
行政書士と社労士は、一見似たような資格に思われがちですが、実は、取り扱い業務が双方で大きく異なります。
まずは、行政書士と社労士で、それぞれの仕事内容について詳しく見ていきましょう。
行政書士の仕事
行政書士になるためには、行政書士試験に合格後、日本行政書士会連合会が管理している行政書士名簿へ、個人登録をする必要があります。
行政書士は、官公署に提出しなければならない、さまざまな書類の作成および、作成した書類を官公署に提出する手続きを代理することをなりわいとしています。
その書類のほとんどは、許可・認可などに関係するもので、その数は、およそ一万種類を超えるとも言われています。
そんな行政書士が担う具体的な業務は、「書類作成業務」と「経営サポート業務」の2つです。以下では、行政書士について、仕事内容を詳しく説明します。
書類作成業務
行政書士は、権利義務や事実証明に関する書類の作成や、それらの相談に応じることが主な役目です。
このうちで、権利義務に関する書類については、なにかしらの権利が発生または変更、または消滅した場合に、企業としての意思表示を行い、効力を発生させることを狙いとした書類を指します。
たとえば、契約書や念書、示談書、告訴状などが該当します。
一方、事実証明に関する書類とは、協議を必要とする事象を証明する書類のことです。
会計帳簿や車庫証明、財産目録などが、それにあたります。
また、会社を立ち上げる際には「会社設立許可申請」、飲食店をはじめる前には「飲食店営業許可」といったように、ビジネスシーンにおいては、役所への許可申請が必要な場面が、多々訪れます。
しかし、許可申請は、書式が煩雑なうえに、少しでも不備・不足があると、再作成が求められてしまうため、素人がこなすには難しい作業です。
対して、この分野のプロである行政書士に依頼すれば、スムーズに、各種許可申請を提出することが可能です。
このように行政書士は、事業運営に欠かせない、あらゆる書類の作成および関連機関への提出を、代理人として実行しているのです。
経営サポート業務
企業の会社経営をサポートすることも、行政書士の役割です。
IT化推進における電子定款の作成代理や交通事故の保険金請求といった内容まで、行政書士の出番は幅広いものです。
また、昨今では、公的融資の申し込みや事業承継、事業再生サポートといった業務の需要も高まっており、経営全般に関わる仕事も増えてきています。
▼行政書士の仕事については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています
社労士の仕事
「社労士」とは、社会保険労務士の略称となります。社会保険や労働・人事関連の法律のプロとして、企業の労務管理を担う人のことを指します。
社労士になるためには、国家資格である、社労士試験に合格をする必要があります。
誰でもなれる職種ではないことに加え、雇用や社会保険、労働問題などに関する唯一の国家資格であるため、昔から需要の高い仕事です。
社労士が取り扱う仕事は、各種申請書類や帳簿書類の作成、コンサルティング業務などが主となっており、これらは具体的に、「1号業務」「2号業務」「3号業務」の三つに分類されています。
以下では、それぞれの業務の特徴について紹介します。
1号業務(申請書類等の作成)
1号業務とは、行政機関に提出する申請書類を作成する業務です。労働社会保険諸法令に基づいて、届出書、報告書などの作成や提出を代行します。
また、申請した書類の調査や処分が行われた際には、企業の依頼により、代理人として陳述なども担います。
2号業務(帳簿書類の作成)
2号業務とは、各企業が所有しておかなければならない帳簿類を、労働社会保険諸法令に則って、作成・取り扱いする業務です。
具体的には、就業規則や賃金台帳、給与規定の作成・変更などが挙げられます。
なお、上記の1号業務とここで解説した2号業務は、社会保険労務士法第27条によって、社労士の独占業務であることが決められています。
3号業務(コンサルティング業務)
3号業務とは、企業や会社経営者へ社会保険や労務管理に関するアドバイスを行う、いわゆる「コンサルティング業務」のことです。
コンサルティングの内容は相続手続を踏むことになる相談など、個人レベルのものから、企業の経営・法務相談といったものまで、さまざまです。
近年は、コンプライアンスが強く重視されていることもあり、3号業務の需要はその他の業務と比較しても、非常に高まっている傾向にあります。
なお、この3号業務は、社労士の独占業務に含まれません。
行政書士と社労士の難易度比較
行政書士試験と社労士試験は、数ある国家資格のなかでも、かなり合格までのハードルが高い資格として知られていますが、実際はどの程度の難易度なのでしょうか。
ここからは、行政書士試験と社労士試験の難易度や合格率、合格に必要な勉強時間について確認していきます。
行政書士の難易度
まずは、行政書士試験の難易度について見ていきましょう。
行政書士試験は、決して一筋縄で合格できる試験ではないものの、誰でも試験を受けられるうえに、合格ラインに達すれば、合格できる絶対評価が設けられていることから、超難関試験とまでは言えません。
実際に、過去には14歳の最年少合格者を輩出したこともあります。
このように、行政書士試験は真面目に勉強に取り組めば、誰でも合格できる可能性がある試験なのです。
合格率
行政書士試験の合格率は、平均して8〜13%です。直近の2022年度試験では12.13%、2021年度は11.18%、2020年度は10.72%、2019年度は11.48%と、いずれも10%前後をキープしています。
近年で最も合格率が高かったのは、2017年度の15.72%です。
年度によって、若干の幅はあるものの、ここ10年は大きな推移変動は見られません。
合格に必要な勉強時間
行政書士試験合格までに、必要な勉強時間については、法律を勉強した経験がない初心者の場合はおよそ1,000時間、経験者の場合はおよそ500~800時間と言われています。
ただし、実際に必要な学習時間については、個人差があるため、一概にこの時間が必ずしも必要不可欠とは言い切れません。
いずれにせよ、毎日堅実にコツコツ集中して勉強に励むことで、やっと合格を手に入れられる、難しい資格と言えるでしょう。
社労士の難易度
続いて、社労士試験の難易度についてを紹介します。
まず前提として、社労士試験を受けるためには、「学歴(高卒以上)」「実務経験」「厚生労働大臣の認めた試験合格」のいずれかを満たしていなければなりません。
そのため、国家資格のなかでも、比較的受験までのハードルが高い資格として知られています。
合格までの道のりは、かなり険しいため、「絶対に合格するぞ!」という固い意思を持って、勉強に取り組まなければ、合格はまずもって難しいでしょう。
合格率
社労士試験の合格率は、およそ6%前後です。
行政書士試験に比べると、わずかに低い数字となりますが、この理由には、「各科目に合格基準点が存在すること」や「試験科目数が多いこと」が考えられます。
単純計算でも、全体の9割以上が合格できない計算となるため、かなりの難易度の高い試験であることが伺えます。
合格に必要な勉強時間
社労士試験合格に対する必要な勉強時間は、平均しておよそ1,000時間程度です。
こちらも、行政書士試験同様、具体的な学習時間は個人のスキルや経験によって異なります。
しかし、少なくとも500時間以上の勉強時間は必要な難しい試験であるため、学習範囲を絞り込んだ、効率の良い勉強をすることが試験を合格に導くキーポイントとなります。
行政書士と社労士のどちらが稼げる?
せっかく資格を取得するのであれば、その後の収入アップにもつなげたいものですよね。
ここでは、そんな悩みを解消するべく、行政書士と社労士について、年収を比較しました。
ぜひ、行政書士試験および社労士試験の受験を検討する際の参考にしてください。
行政書士の年収
行政書士の平均年収はおよそ600万円前後です。
ただし、これはあくまで平均年収であり、勤務形態や役職などによって、具体的な収入は異なります。
特に、独立開業型については、大きな差があり、年収1,000万円を優に越す人も珍しくありません。
これだけを聞くと、独立開業が最もベストな選択肢と思われがちですが、安定して収益を出すためには、当然のことながら、豊富な経験や一定以上のスキルが不可欠です。
さらに、新規顧客を獲得し、信頼を積み重ねるには時間がかかるため、はじめのうちは、勤務型よりも低い年収となることが予想されます。
自分にとって理想のワークライフバランスをよく考えながら、働き方を決めると良いでしょう。
社労士の年収
社労士の平均年収は、約500万円です。行政書士と同じく、社労士にもさまざまな働き方があり、年収についても個人差が顕著に見られます。
特に、社労士はスキルによって、年収の差が非常に激しくなります。
実力によって、月にどれくらい案件を獲得できるかも変動するため、ある程度の下積みは欠かせません。
また、円滑に業務を遂行するためのコミュニケーション能力や、リピート客を獲得するための営業力なども求められるため、将来的に独立開業を目指す場合であっても、まずは、企業や事務所に就職して、経験を積むことが推奨されています。
行政書士と社労士を含めたトリプルライセンス
ここからは、行政書士・社労士以外におすすめな資格を五つ紹介します。
以下の資格を取得し、トリプルライセンスを目指すことで、貴重な人材として企業に重宝されることでしょう。
仕事内容や勉強科目についても解説していますので、ぜひお目通しください。
司法書士
「司法書士」とは、司法に関係した業務で、行政機関に提出する書類の作成などを行う職種です。
特に、登記や供託の手続きを担うことが多く、状況によっては、審査請求の手続きを企業の代理で行います。
企業にとって必要な手続きを専門家として適切に進めることが、司法書士の役割であると言えるでしょう。
司法書士試験には、社労士試験と違って受験資格が定められていません。
そのため、年齢や学歴、実務経験に関係なく、誰でも自由に受験することが可能です。
しかし、司法書士試験は、試験範囲が非常に多岐に渡ります。さらに、筆記試験は、基準点を通過することが条件であり、口述式試験もあるため、合格率は3~5%前後に留まります。
このような理由から、司法書士試験は社労士試験、行政書士試験よりも、難易度が高い資格と考えられています。
中小企業診断士
「中小企業診断士」とは、中小企業における経営課題を解決するための診断・アドバイスを行う専門家です。
生産管理や収益性の改善、コスト削減など、企業の生産性を向上するための具体的な改善策を診断報告書に取りまとめ、助言を行います。
中小企業診断士として働くことで、会社の経営状態などを、多角的に見ることができるようになるため、行政書士や社労士として独立した後も、役立ちます。
中小企業診断士試験には、行政書士試験同様、受験資格は設けられていません。
ただし、試験に合格するためには、一次試験と二次試験のどちらにも合格する必要があり、その合格率は一次試験で30.2%、二次試験で18.3%、両方の合格率は5.5%です。
そのため、社労士試験や、行政書士試験よりも、若干難易度が高くなっています。
ただし、一次試験と二次試験は、それぞれ別の年に受験をすることも可能なため、2〜3年をかけて、着実に合格を目指せる点は、中小企業診断士試験ならではのメリットと言えるでしょう。
宅建士
「宅建士」とは、宅地建物取引士の略称で、例年多くの受験者数を誇る、国内最大規模の国家資格です。
宅地建物取引業者が行う、宅地や建物の売買・交換もしくは貸借の取引に対して、公正かつ誠実に取引が進むように管理する「不動産取引法務の専門家」と考えると分かりやすいでしょう。
宅建士の業務は、登記以外にも、水道・電気・ガスなどのインフラの供給施設の管理、契約の解除方法の指導、水害ハザードマップの作成などさまざまです。
契約締結前の重要事項の説明や、重要事項説明書面への記名など、宅建士にしかできない仕事があるため、取得しておくと就職や転職に有利に働きます。
宅建士に合格するためには、宅建試験に合格する必要があります。
宅建試験の合格率は、15~17%程と比較的高く、一発合格も十分に狙える数値となっています。
また、試験科目についても、4科目のみとなっており、試験時間も2時間で終わります。
一方、社労士試験の試験科目は、10科目となっており、試験時間も3時間30分と長時間におよびます。
そのため、宅建試験は、社労士試験よりも易しく、行政書士試験と同等程度の資格に区別されています。
税理士
「税理士」とは、税金に関する専門家として、納税者が自らの所得を正しく計算し、納税額を算出できるよう、申告納税制度の推進を行う職種のことです。
税理士の主な仕事内容は、相続税や所得税、法人税などの申告を、納税者に代わって行うことや、税金に関する相談を受けることにあります。
顧客の規模は、個人や中小企業がほとんどであり、依頼主の良きパートナーとして、財務面における具体策の立案や税金対策を行います。
税法を駆使して、いかに依頼主にとって、メリットのある助言を提言できるのか、また、いかに融資を獲得し、利益を高められるのかを考えることが、業務の中枢です。
税理士試験は、試験科目こそ11科目と多いものの、そのうちの、5科目に合格できれば、資格を取得できます。
ここまでを聞くと、社労士試験よりもハードルの低い試験のように思えますが、実際には、理論や計算を基礎としたの問題が多く出題されることや、難易度の高い数学系の問題が出されることなどを原因に、1科目ごとの難易度は、社労士試験より高いものとなっています。
ただ、一度でも合格したことのある科目は、翌年以降の試験で免除されるなど、社労士試験にはない優位性も存在します。
弁理士
「弁理士」とは、特許法などを代表とする、知的財産法を取り扱う法律家のことです。
弁理士法で規定された知的財産権に関する業務を遂行する国家資格者で、職務上、特許庁に請求を行うことができる八士業のうちのひとつです。
弁理士試験には、受験資格は設けられておらず、基本的に誰でも受験することが可能です。
そのために、弁理士試験は、難関資格のなかでは、受験までのハードルが低い試験のひとつとして知られています。
また、弁理士試験のうち、短答式筆記試験に合格した人は、短答式筆記試験の合格発表日から2年間は、同試験が自動的に免除されます。
このような免除制度も、弁理士試験を受験する人が多い理由の一因です。
ただし、誰でも受験ができるからといって、勉強することなく、合格を目指せる資格なわけではありません。
実際に、弁理士試験の2021年の合格率は、6.1%です。100人受けて、わずか6人しか合格できていないことになるため、難易度自体は社労士と同等程度と言えるでしょう。
また、弁理士試験の合格に必要な勉強時間は、およそ3,000時間とされています。
そのため、合格には、入念な学習計画と十分な勉強時間の確保が必要不可欠です。
行政書士と社労士に関するよくある質問
ここまで、行政書士と社労士、それぞれの仕事内容や年収について見てきました。
しかし、ダブルライセンスを実現させるためには、どちらの資格取得を優先するべきか分からないという方もいることでしょう。
この章では、そんな悩みを解消するべく、行政書士と社労士に関する、よくある質問について回答します。
どちらを先に勉強した方がいい?
行政書士試験と社労士試験、どちらも試験を受けることが確定している場合には、先に行政書士試験に合格した後、社労士試験に挑戦するのがおすすめです。
なぜなら、社労士試験よりも、行政書士試験のほうが、合格の難易度が低いためです。
また、社労士試験は受験にあたっていくつかの条件が設けられており、学歴や実務経験などを満たしていなければ受験することはできません。
しかし、行政書士試験をはじめとする一部の国家資格を保持している場合には、その条件をクリアしていなくとも受験が可能です。
このような理由から、はじめに行政書士試験を受験するほうが良策だと考えられているのです。
行政書士資格があると社労士試験の受験免除になる?
結論から言うと、行政書士資格を持っていても、社労士試験が受験免除になることはありません。
社労士試験の受験が免除になるケースは、特定機関の実務経験が10〜15年以上ある場合のみです。
なお、この場合も全ての試験が免除になるわけではなく、試験科目のうち、一部のみが免除の対象となるため、注意が必要です。
行政書士と社労士に合格するなら
行政書士試験と社労士試験の合格を本気で目指すなら、通信講座を活用するのもひとつの手です。
通信講座では、それぞれの試験に合格するために必要な内容を、プロから体系的に学べます。
また、通信講座は通学型の講座と違ってインターネット環境さえあれば、いつでも好きな時に勉強を進められるため、時間や場所の制限を受けないこともメリットです。
加えて受講中は、試験内容だけでなく効率的な勉強の進め方なども教えてもらえるため、モチベーションを落とすことなく、試験勉強へ打ち込めます。
現在は、さまざまな通信講座が教育業界各社から展開されているため、ぜひ自分に適した講座を見つけてみてください。
まとめ
今回は、行政書士と社労士について、以下のポイントを解説しました。
- 行政書士と社労士のダブルライセンスが人気な理由
- 行政書士と社労士の仕事内容
- 行政書士と社労士の難易度比較
- 行政書士と社労士のどちらが稼げる?
- 行政書士と社労士を含めたトリプルライセンス
- 行政書士と社労士に関してのよくある質問
- 行政書士と社労士に合格するなら
行政書士と社労士は、どちらも法律関連の資格ですが、具体的な業務内容や年収、試験の難易度などは、それぞれで異なります。
行政書士は、社労士よりも合格率が高く、直近の2022年度の合格率は12.13%、2021年度は11.18%と、10%台の数値をキープしています。
一方、社労士試験の合格率は、およそ6%前後であり、受験者のほとんどが合格することができない、非常に難易度の高い試験となっています。
この理由には、社労士試験は行政書士試験と比べ、受験資格が厳しく設けられていることや、各科目に合格基準点が存在すること、試験科目数が多いことなどが考えられます。
行政書士と社労士、どちらを取得するか悩んでいる人は、まずは自分がどのような仕事をしたいかを改めて検討し、それに合った資格取得を目指しましょう。
そのうえで、さらにスキルアップをしたい場合や活躍の幅を広げたい場合、将来的に独立して事務所を開業したい場合などは、行政書士と社労士のダブルライセンスを視野に入れてみてください。
なお、ダブルライセンスを目指す場合は、まずは行政書士の資格を取得し、次に社労士資格に挑戦するのがおすすめです。
先に行政書士の資格を取っておくことで、社労士試験における受験資格をクリアできるうえ、行政書士資格で得た法律全般の知識は、社労士試験時にも役立つためです。
本記事が行政書士試験および社労士試験の挑戦を考えている方の参考になれば幸いです。