行政書士ができること一覧|独占業務がある?|仕事内容を徹底解説!

  • 全国
  • 行政書士
行政書士ができること一覧|独占業務がある?|仕事内容を徹底解説!

\ この記事を書いた人 /

アーバンライフメトロ編集部のプロフィール画像

アーバンライフメトロ編集部

編集部

ライターページへ

行政書士の独占業務として、認可申請や権利義務、事実証明に関わる書類作成があります。その独占業務における具体的な業務内容と、同じ士業で人気の高い司法書士との違いについて、紹介しました。これから行政書士を目指している方や迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

 弁護士や税理士、司法書士などの士業と同様に、行政書士にも独占業務はあります。

 行政書士の独占業務は非常に幅広く、取り扱える書類だけでも1万点以上です。

 本記事では、行政書士の独占業務と業務内容、また同じように人気の高い司法書士との違いについて、紹介しています。行政書士の非常に幅広い業務内容について、詳しく解説しているので、行政書士を目指している方や迷っている方も、ぜひ参考にしてください。

行政書士ができること一覧

 行政書士は、行政手続を専門とした業務を中心に、他の資格で独占していない業務も行えるため、非常に幅広い業務範囲を持ちます。まずは、行政書士が行える業務のなかでも、中心となる業務を紹介していきます。

 ここに記載の業務以外にも、行政書士の行える業務はありますが、まずは今回紹介する業務を理解しておくこと良いでしょう。

 行政書士が行える主な業務は、以下六つです。

  • 許認可申請
  • 国際関連業務
  • 相続関連業務
  • 成年後見業務
  • 自動車関連業務
  • 会社設立関連業務

 それでは、それぞれの業務について、詳しく解説していきます。

許認可申請

 許認可申請業務は、行政書士が行う業務の中でも、最も代表的な業務です。

 許認可申請とは、新たに事業をはじめるときに、官公署へ事業に関する許可や届出を提出することです。例えば「介護福祉業を開業したい」「建設事業の会社をはじめたい」「農地などの敷地に住宅を立てたい」など、あらゆるケースが想定されます。飲食店や建設業、産業廃棄物処理業、介護福祉業、運送業など、あらゆる業種を開業する際に許認可申請は必要となります。このような開業に伴う許可や認可の判断基準は非常に複雑であり、申請書類も膨大な数です。

 そのため、高い専門性を持つ行政書士が、プロの視点で相談から書類作成、申請代行などを行います。その結果、事務手続きの効率化が図れて、スムーズな開業を行うことが可能となります。

国際関連業務

 国際関連業務とは、外国人の在留資格の手続きなど、入国管理局へ各種申請を行う業務です。本来、在留資格の申請は本人による申請が必要ですが、行政書士は申請取次として代わりに手続きを行うことが可能です。

 国際関連業務には、以下の五つの業務があります。

  • 外国人登録
  • 在留資格の取得
  • 永住許可の取得
  • 帰化申請
  • 外国人雇用

 それでは、それぞれの国際関連業務について、詳しく見ていきましょう。

在留資格の取得

 外国人登録を行うための外国人登録制度は、日本における市町村や特別区で作成されていた外国人の住民に関する記録でした。しかし、2012年7月に制度そのものが廃止されました。現在では、代わりに「在留カード」「特別永住者証明書」が利用され、日本にいる外国人も住民基本台帳で管理されています。

在留資格の取得

 在留資格とは、外国人が日本に滞在している間、なんらかの活動を行うのに必要な資格です。

 在留資格は、特定の仕事が決まっており、全部で33種類あります。在留資格は、主に就労系資格(教授、芸術、教育、会計業務など)と、身分系資格(永住者や日本人の配偶者など)の2種類に分けられます。また、一人が同時に保有可能な在留資格は一つのみで、保有している資格以外の仕事を行えません。

 これらの在留資格取得のためには、出入国在留管理局へ「在留資格認定証明書」の交付申請を行います。その後、必要書類を記入した上で、査証(ビザ)と合わせて提出し、許可が下りれば完了です。在留資格とよく混在されるのが、この査証(ビザ)です。ちなみに、査証は「入国の許可」で、在留資格は「入国して働く許可」です。

永住許可の取得

 永住許可とは、外国人が在留期間の制限なく、日本国内への永住を許可することです。永住権を取得することで、在留期限がなかったり、日本人の配偶者が死亡しても在留可能だったりします。

 永住権の取得には、滞在年数や素行、独立生計など、厳しい要件が設定されています。特に、日本の永住権取得は比較的ハードルが高いといわれています。また、永住許可申請に要する標準的な審査期間は約4カ月と、決定までに一定の期間が必要です。申請書類は、在留資格によって異なるため、しっかりと行政書士のプロの目でサポートを行います。

帰化申請

 帰化とは、現在在籍している国籍を放棄、離脱し、他国の国籍を取得することです。帰化を許可された後は、選挙権の付与など、その国の国民として扱われます。

 帰化申請とは、帰化の承認を得るために申請書類を、住所地を管轄する法務局に申請します。その後、法務大臣の許可を得て、無事に日本国籍を取得できます。帰化の申請をするにあたっては、居住条件や能力条件などさまざまな要件を満たす必要があります。要件を満たした後も、法務局への複数回の面談や申請、清算などが必要なため、それらを行政書士がサポートします。行政書士はサポートを行いますが、実際に面談などには本人が足を運ぶ必要がある場面もあります。

外国人雇用

 外国人を日本で雇用する際には、出入国在留管理局への申請手続きが必要です。申請手続きとしては、外国人労働者の在留資格の取得申請を行っていきます。手続きや資格内容については在留資格で説明した通り、各資格から該当の在留資格を選び、進めていきます。

 在留資格の取得申請や外国人雇用の申請、帰化申請も含めて、随時、様式なども改定されており、1カ所でも誤りがあると申請が通らない場合があるため、非常に慎重に進める必要があります。このように非常に専門的な内容であることから、行政書士が円滑に手続きを終えられるようにサポートするのが一般的な流れです。

相続関連業務

 相続関連業務とは、遺言書の起案、作成の支援をはじめ、遺産相続における相続人の確定や相続財産の調査、遺産分割協議書等の作成を行う業務です。それに付随して、金融資産や有価証券、自動車の名義変更など、遺族に関連した細かな業務も行います。相続財産の確定のためにすべての財産の洗い出しを行ったり、相続人の確定のためにすべての戸籍を取得したりと、なかなか大変な作業です。

 相続関連の業務を行う場合には、相続税に関する知識をある程度知っている方が良いでしょう。どの段階で税理士を紹介するべきかを判断できます。また、相続の業務を行う際、法律に関連する相談や不動産の名義変更などには、携われないので注意が必要です。

成年後見業務

 成年後見制度は、2000年に開始した制度で知的障害や認知症などによって本人に十分な判断能力がない場合に、本人に代わって法律行為などを行う代理人(成年後見人)を立てられる法制度です。

 成年後見業務は、成年後見制度の利用に伴う必要書類の収集や相談対応などを行う業務です。また、行政書士は成年後見人への助言だけでなく、自身が成年後見人にもなれます。成年後見制度の利用のためには、収支管理や各種申請書類の作成、申請を家庭裁判所に行う必要があるので、それらの手伝いまたは成年後見人として申請を行います。

 行政書士が成年後見となることで、現状の身の回りの法律業務だけでなく、遺言書の作成など、相続に関する業務も対応していき、被後見人のトータルサポートを行えるでしょう。このように少子高齢化社会が進む中で、今後ますます需要が高まる介護福祉の分野に携ることが可能です。

自動車関連業務

 自動車関連業務とは、自動車や車庫証明の登録、各種保険金の請求などを行う業務です。そのほか、交通事故示談書や自動車重量税申告など、自動車に関する業務全般を取り扱います。

 車庫証明申請などの簡単な申請代行については、顧客の手間が省けるメリットとして、活用されます。他の申請でも同様ですが、窓口である警察署は平日の昼間帯しか空いておらず、複数回提出するのは手間に感じる人も少なくありません。

 また、各種保険金の請求については、お金に関わる業務として、安全のためにも申請する方が多いようです。行政書士の中には、交通事故による保険金請求などに特化して業務をしている人たちもいます。

会社設立関連業務

 会社設立関連業務とは、学校法人やNPO法人、宗教法人、組合など、法人の設立に関連する業務全般を指します。具体的には、法人の設立に関する手続きや、事業運営の支援(議事録、定款、会計帳簿など)を行います

 会社設立に関わる業務は、とても複雑で多額のお金が動くため、顧客みずから行うことは少なく、行政書士に依頼されることが多いです。そのほかにも、会計記帳や財務諸表、決算書の作成といった、会計業務に携わることや、中小企業に対する法的観点から幅広くアドバイスを行うこともあります。また、行政書士の中には、会社設立の手続きや支援だけではなく、税理士などと提携して、設立後のコンサルサポートまで提供している人もいます。

行政書士の独占業務一覧

 行政書士の独占業務は、官公署(自治体や警察署など)に提出する書類や、権利義務、及び事実証明に関する、書類の作成代行業務です。これら独占業務で取り扱いできる書類は、およそ1万点以上にも及びます。

 行政書士が独占業務で扱う書類は、大きく「官公署へ提出する書類」「権利義務に関する書類」「事実証明に関する書類」の三つに分類されます。

書類の種類概要具体例
官公署へ提出する書類官公署へ許認可申請や届出するために提出する書類・飲食店営業許可申請書
・旅館営業許可申請書
・道路使用許可申請書
・農地転用許可申請書
・NPO法人許可申請書
・風俗営業許可申請書
・建設業許可申請書
・医療法人設立許可申請書
・旅行業登録申請書  etc
権利義務に関する書類権利の発生や変更、消滅などの意思を示すための書類・遺産分割協議書
・相続分譲渡証書
・売買契約書
・賃貸借契約書
・請願書
・上申書
・贈与証書 etc
事実証明に関する書類社会生活する上で交渉が必要な事柄を証明するための書類・定款
・株主総会議事録
・取締役会議事録
・交通事故調査書
・現況測量図
・現地案内図  etc

行政書士にはできないこと

 ここまで説明した通り、行政書士は非常に幅広い分野の書類作成や相談などが可能ですが、残念ながら実施できない業務もあります。法律で定められている他士業の、独占業務に該当する内容については、行政書士では行えません

 具体的には、税理士の独占業務である「税務申告業務」や、弁護士の独占業務である「紛争性のある事案に関する契約書の作成及び相談、交渉」が該当します。ただし、税務申告に必要な一部書類作成や、紛争性のない書類の作成及び相談などは行政書士でも行えます。

 このように、業務が細かく分かれており、線引きは難しいものですが、他士業の独占業務を行うと法令違反で懲戒処分を受ける可能性があります。行政書士が実施できる業務の範囲と、実施できない他士業の独占業務の範囲を、しっかりと理解しておくことが重要です。

 また、行政書士で実施できない業務についても、信頼できる税理士や弁護士を紹介することで、お客様からの信頼獲得にもつながります。行政書士のような、幅広いつながりがある業務をこなすからこそ、そのつながりを強みとして橋渡しすることが重要です。

行政書士と司法書士の違い

 行政書士と似ている士業として、よく取り上げられるのが司法書士です。この二つの資格は名前や業務、国家資格であることなど、類似している点も多いことから混同しやすい資格です。

 そのため、今回は行政書士と司法書士の違いを「業務内容」と「試験の内容と難易度」の観点から解説していきます。それぞれどのような違いがあるのか、しっかりと理解を深めておきましょう。

業務内容が異なる

 司法書士は、主に登記や供託に関する手続き、書類作成を行います。一方で、行政書士の業務内容は、許認可申請や権利義務などに関する書類作成です。どちらも公的機関に提出する書類作成や申請業務が中心という点では、類似しています。

 行政書士と司法書士の明確な違いは、作成した書類の提出先が異なることです。行政書士は作成した書類を市役所など官公署に提出するのに対して、司法書士は法務局や検察庁、裁判所に提出します。相続や会社設立など同じ分野で活躍することも多いので、混在しないように注意しましょう。

試験の内容と難易度が異なる

 司法書士と行政書士では、試験内容と難易度がどちらも異なります。まず、行政書士の試験内容は、憲法、民法、商法、行政法が中心なのに対して、司法書士では行政法を除く三科目のほか、民事訴訟法や不動産登記法など多岐に渡ります。また、試験の形式においても、司法書士では択一式問題と記述式問題に加えて、口述試験も行われます。

 次に難易度についても、行政書士の合格率が8~15%なのに対して、司法書士では3~4%とかなり低い水準です。このように試験の内容と難易度としては、行政書士に比べて司法書士の方が難関資格といえます。

行政書士に関するよくある質問

 ここまで行政書士ができること、できないことなどを解説してきました。行政書士がどのような資格であるか、理解できたのではないでしょうか。

 最後に、行政書士に関するよくある質問を紹介していきます。

  • 行政書士試験の難易度は?
  • 行政書士の年収は?
  • 就職や転職の際に有利になる?
  • 独立や開業がしやすい?

 みなさんの疑問に思っていることを解消できると思います。これから行政書士を目指していきたいと考えている方や迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

行政書士試験の難易度は?

 令和3年度の行政書士試験の合格率は11.18%です。例年、10%前後の合格率で推移しています。合格率からも分かるように、難易度は比較的高めの資格といえるでしょう。しかし、行政書士試験は、受験資格に年齢や学歴の設定がなく誰でも受験できる上に、合格基準が明確です。そのため、法律を学んだ経験がない方でもチャレンジしやすく、しっかりと計画的に学習を進めることで合格を目指せます。

 また、はじめて法律を学ぶ人が独学で勉強する場合、合格までに約800~1,000時間の学習時間が必要です。通信教育や通学を利用した場合は、約500時間が目安です。

行政書士の年収は?

 行政書士の平均年収はおよそ600万円程度といわれています。日本全体の平均年収である440万円と比較すると、比較的高めの年収です。ただし、行政書士の中でも、行政書士事務所や一般企業で働く場合は平均年収400万前後。個人で独立や開業する場合は、年収1,000万円以上も十分に目指すことが可能です。このように行政書士として働く人の中でも、さまざまな働き方をしている人があるため、年収の個人差が大きいのも特徴です。

 また、一般企業での平均年収は400万円程度ですが、業務内容やスキル、勤続年数などによって600万円以上も見込めます。

就職や転職の際に有利になる?

 行政書士の資格を保有していると、就職活動や転職活動で有利になる場合も少なくありません。一般企業の総務部や法務部においては、契約書類や許認可申請などの業務を行う際に、専門的な知識を有している人材を求めています。行政書士の資格を取得していることで、行政や会社法などの知識があることを証明できるでしょう。

 とくに有利になる就職先としては、行政書士事務所、法律事務所、また一般企業の総務部及び法務部が挙げられます。しかし、いずれの就職先においても、行政書士の資格が必須としている求人は少ないため、将来的には独立を見据えた就職、転職をすると良いでしょう。

独立や開業がしやすい?

 行政書士は、実務経験がなくても独立や開業できます。資格を取得したらすぐに開業できるなど、独立のハードルは低いでしょう。また、開業の手続きや独立にかかる費用についても、ほかの士業と比較しても少ないようです。

 そのため、行政書士の資格保有者は、一般的に就職や転職に比べて、独立や開業を行うケースが多いようです。行政書士として独立、開業を行うことで、年収1,000万円も可能でありますが、ターゲットとする分野や業務によって大きく異なるでしょう。そこで最近では、独立や開業をする際には、ほかの行政書士と差別化を図るために、ダブルライセンスを目指す方も少なくありません。司法書士や税理士、中小企業診断士などの資格も同時に持つことで、業務の幅を広げられる可能性が高いのです。

まとめ

 行政書士の独占業務は、官公署(自治体や警察署など)に提出する書類や、権利義務及び事実証明に関する書類の作成代行業務です。行政書士が独占業務で扱う書類は、大きく「官公署へ提出する書類」「権利義務に関する書類」「事実証明に関する書類」の三つに分類されます。

 この三つの独占業務の中でも行政書士の業務範囲はとても幅広いものとされています。そのため、自分の専門分野を見つけて、専門性の高い行政書士や、幅広い業務に対して柔軟に対応できる行政書士のように、自分にベストマッチする行政書士像を目指すことが可能です。

 行政書士と司法書士では、どちらも公的機関に提出する書類作成や申請業務が中心であり「書類作成のプロ」です。ただし、行政書士は作成した書類を市役所などに提出するのに対して、司法書士は法務局や検察庁、裁判所に提出する違いがあります。また、司法書士の方が専門性が高く、資格の難易度も高いといえます。

関連記事