ホエホエ〜! インド映画で突然始まる「あのダンス」が激安体験できる

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ホエホエ〜! インド映画で突然始まる「あのダンス」が激安体験できる

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アーバンライフ東京編集部

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インド映画のミュージカル場面にしばしば登場するダンスは「ボリウッドダンス」と呼ばれ、フィットネスやダンス教室で取り入れるところが増えています。インド大使館が運営する「ヴィヴェーカナンダ文化センター」では、このボリウッドダンスの教室を開講しているほか、古典舞踊や楽器のレッスンも格安な受講料で実施しています。

インド映画の世界観を体感、ベースに3種類のダンス

 日本ではまだメジャーとはいえないインド映画ですが、そこにダンスシーンが必ず出てくるのを知っている人は多いでしょう。インドではキスシーンの放映が禁じられていたことから、ラブシーンの演出を男女の歌と踊りで表現し、観客の感情を煽動する手法が取られてきました。インド大使館によると、最近はキスシーンも解禁になったそうですが、賛否両論あり、まだ多くはないとのこと。

 ムンバイで制作されるインド映画は、ムンバイの旧名「ボンベイ」とアメリカ映画の本拠地「ハリウッド」をかけて「ボリウッド(ムービー)」と呼ばれます。また、そこで繰り広げられる群舞を「ボリウッドダンス」は呼ばれ、昨今、東京のフィットネスやダンス教室で教えられています。

 インド大使館が運営する「ヴィヴェーカナンダ文化センター」(千代田区九段南)では、このボリウッドダンスを「コンテンポラリーダンス」として、レッスンを行っています。同センターは、インドの多様な文化に触れてもらうことを目的に各種カルチャー講座を実施しています。

「ヴィヴェーカナンダ文化センター」のボリウッドダンスのレッスン模様(2019年4月3日、宮崎佳代子撮影)



 ボリウッドダンスの受講料は、半年間の受講が6000円(週1回)と、試しにやってみるにはうれしい価格。講師はインド舞踊スクールを主宰し、メディアにも多数出演するダンサーの野火杏子(のび きょうこ)さんです。野火さんは、南インドの古典舞踊「バラタナティアム」に魅せられ、その表情の表現方法を学ぶため、ボリウッドダンスを参考にしているうち、すっかりハマったそうです。

 群舞は、伸び伸びと楽しく踊っているように見えますが、野火さんによると、かつては、インドの古典舞踊とフォークダンス、西洋ダンス(ヒップホップなど)が踊れないと群舞に加われなかったというほど、高度な技術を要するものだそうです。

レッスンでは民族衣装を着て踊る人も

 授業は、野火さんが映画音楽の歌詞に合わせて考えたベーシックな振り付けを教えているそうですが、見ていてとにかく一緒に踊りたくなるような楽しい雰囲気です。「パンジャビードレス」と呼ばれる、インドの民族衣装を着て踊る人たちも多くいます。

 振り付けは歌の内容に合わせていますが、受講生たちは歌詞の意味がわからないため、さまざまな動きの順番を覚えるのが少し大変そう。しかし、「ホエホエ〜」「ハエハエ〜」など、陽気な語感の歌詞やリズムも楽しく、皆、笑顔が絶えません。

「ヴィヴェーカナンダ文化センター」のボリウッドダンスのレッスン模様(2019年4月3日、宮崎佳代子撮影)



 ボリウッドの群舞ダンサーたちは、小さい頃からダンススクールに通い、難関と言われる州立の試験をパスして資格をとり、さらに映画のオーディションを受けて合格したら、晴れて映画に出演できるそうです。競争が激しい分、個々のスキルが高く、それが見るものを惹きつける要素になっています、

 しかし、そこまで努力してスクリーンデビューしても、大概は群舞止まり。そこからスター(主役級)になる人は滅多にいないと野火さんは話します。ボリウッドの世界は世襲制で、「ミスインディア」や「ミスワールド」に選ばれるような美貌の持ち主以外は、有名俳優の子供であるのが常。彼らはダンススクールなどには通わないため、群舞の人たちの方が踊りが上手かったりするそうです。

 授業では、まずは慣れ親しむことを目標に、習得しやすい振り付けから教えているとのこと。受講生たちは、レッスンが終わった後も振り付けを確認しあったりして、かなり熱心でした。受講生は女性だけでなく、男性もいます。授業の感想を聞いたところ、「いいエクササイズと気分転換になる」「振り付けがとっつきやすい」「先生が入れる合いの手が絶妙で、とにかく楽しく踊れる」などの声が挙がっていました。

 また、映画音楽を通じて日本と異なるインド人の習慣(朝に耳掃除をするなど)を知ることもあり、「文化の違いを知れて楽しい」「習うほどに深みにハマっていきます」との声も。

受講生「バラタナティアムは、物事に前向きになる踊り」

「ヴィヴェーカナンダ文化センター」では、ヨガとボリウッドダンスのほかに、南インドの古典舞踏の「バラタナティアム」、インド東部のオリッサ州の古典舞踊「オリッシー」、インド太鼓の「タブラ」の教室も開催しています。

 記者はかつて、南インドのマドライ(タミール・ナドゥ州)でバラタナティアムを見たことがあり、深く感動しました。もとは、ヒンドゥー寺院で奉納されていた踊りで、後に宮廷舞踊となったそうです。インドを代表する古典舞踏とされています。

「ヴィヴェーカナンダ文化センター」のバラタナティアムのレッスン模様(2019年4月3日、宮崎佳代子撮影)



 踊りは非常に高度で、常にステップを踏みながら指先にまで神経を行き渡らせ、多彩な動きと表現を繰り返し、顔の表情も次々と変わっていきます。踊りのテンポも早く、一見してとても体力を要するように思われます。

 文化センターでは、このダンスを初心者でも楽しめるレベルで教えています。講師は、ボリウッドダンスと同じ野火さん。幼い頃からいろいろな踊りを習ってきた野火さんがバラタナティアムにハマった理由は、「あまりに難しかったことで、征服したい気持ちを掻き立てられて」とのこと。

 運動量がかなり多く、受講者は皆汗だく。レッスン後に感想を聞いてみると、「覚える型が多いけれど、ほかの踊りにない動きがたくさんあって面白い」「姿勢がよくなる」「エネルギッシュな踊りなので、レッスン後もパワフルに物事と向き合える」などの声が挙がっていました。難しいだけに、できるようになった時の喜びもひとしおのようです。

「タブラ」は南インドで使われている楽器で、世界で最も難しい太鼓とも言われているもの。「音の出し方から、指の使い方、演奏における細かなルール、調音と、どれも一筋縄ではいかないのがその難しさです」と講師でタブラ奏者の森山 繁さんはいいます。

 森山さんはインドのバナーラシーで暮らしながら有名なタブラ奏者に師事して学び、タブラ演奏を生業としてきた経験豊富な奏者です。授業では、初心者はまずは音を出すことから始め、ゆっくりとパターンの練習を進めていきます。さらに学びたい人を対象に、中級者のクラスも設けられています。

 バラタナティアム、タブラ、オリッシーは、半年間週1回の受講で6000円、2回で9000円です。どれも日本では馴染みのないものですが、古代より続く伝統芸能の奥深さを一度知ると、その深みにハマってしまう人が多いようです。5月末より、7月からの受講生を募集するとのことです。

●インド大使館 ヴィヴェーカナンダ文化センター
・住所:東京都千代田区九段南2-2-11
・受付時間:10:00〜12:00、14:00〜17:00
・定休日:土日祝
・アクセス:各線「九段下駅」2番出口から徒歩約5分
※受講料は、新規又は1学期以上休学していた場合は、5000円の登録料が別途必要です。

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