原宿は日本のハロウィン誕生の地? 3年ぶり開催のイベントも見逃せない

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原宿は日本のハロウィン誕生の地? 3年ぶり開催のイベントも見逃せない

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日野京子

エデュケーショナルライター

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10月に入るとハロウィンの準備を始めるほど、季節行事として日本に浸透したハロウィン。今では日本の各自治体でも保育園や幼稚園の集まりでも楽しむイベントになりましたが、もとはアイルランド起源のお祭りでした。なぜここまで日本に浸透したのか、子どものイベントに詳しいエデュケーショナルライターの日野京子さんが解説します。

 21世紀に入り、日本ですっかり季節の風物詩として定着したハロウィン。今では単独イベントの他に、自治体の秋のイベントにもハロウィン要素を盛り込むなど、季節の目玉イベントとして受け止められています。

 コロナ禍によりハロウィンのイベントの中止や規模縮小が続いていましたが、今年は全国的に3年ぶりに通常開催で行われるケースが多く、仮装した人々が集まり華やかな雰囲気になりそうです。

ハロウィンのかぼちゃ(画像:photoAC)



 今回は、クリスマス同様に「季節行事」としておなじみになったハロウィンが日本で浸透した経緯や、3年ぶりに開催される「原宿表参道ハロウィンパレード」をご紹介していきます。

日本でのハロウィンの歴史は原宿が起点

アイルランドのダブリン城 (画像:photoAC)

 ハロウィンの起源は紀元前、アイルランドに住んでいた古代ケルト人の宗教儀式と言われています。

 その後、長い時を経て「子どもが仮装をして町を練り歩く」「近所の家を訪問しお菓子をもらう」という子どもメインの楽しいイベントという現在のようなイメージが、アメリカを始めとする欧米諸国で浸透しました。

 ハロウィンというと「仮装」「お菓子」の二つがつきものです。日本では、1970年代初頭に原宿の「キディランド」でハロウィングッズを扱ったのが最初とされています。

 原宿駅近くの代々木公園である場所には戦後、アメリカ軍やその家族の住居を含む施設「ワシントンハイツ」が作られました。そうした歴史的背景もあり、都心の中でも外国人が多く住む街になりました。

 キディランドが商品をそろえたことは「外国の子ども向け」というニーズに応える意味合いがある一方で、「ハロウィン」という当時の日本人の大半が全く知らなかった欧米の季節行事の商品を50年前から店頭に並べていた意義が大きいと言えます。

 原宿店では1983(昭和58)年にハロウィンの仮装パレードを開催するなど、孤軍奮闘でハロウィン関連イベントを行っていたということです。

20世紀末から全国的な広がりを見せる

「カワサキ ハロウィン 2018 ”キッズ・パレード” 」の様子(画像:川崎市 プレスリリースより)

 「ごくごく一部で行われているイベント」というイメージから大きく変わったのが、東京ディズニーランドの存在です。

 1997(平成9)年から大々的にハロウィンを題材にしたスペシャルイベントを開催し、2009年以降は東京ディズニーリゾート全体で行われるようになりました。ディズニーのキャラクターに扮(ふん)した来場者の仮装のレベルは非常に高く、SNSやメディアで大きく取り上げられています。

 また、1997年には街のイベントとしても神奈川県川崎市の「カワサキハロウィン」が始まり、まさに日本でのハロウィンブームの転機となった年といえます。

 カワサキハロウィンは2021年に惜しまれつつ24年の歴史に幕を閉じましたが、「仮装して通りをパレードする」「ハロウィンを楽しむ」というスタンスは2010年代に入ると急速に浸透。

 飲食店やお菓子、アミューズメント施設といったさまざまな業界でハロウィンに関連したイベントや商品が開発されています。

 また、8月下旬になると百円ショップでもハロウィンの専用コーナーが登場し、インテリアや仮装のグッズなど手軽に購入し楽しむことが出来るようになりました。すでにコスプレ文化のあった日本において、ハロウィンは季節行事として受け入れられています。

表参道をパレードする原宿のハロウィンイベント

仮装する子どもたち(イメージ画像:photoAC)

 日本のハロウィンの歴史が始まった場所ともいえる原宿で、3年ぶり、そして38回目の「原宿表参道ハローハロウィーンパンプキンパレード」の開催が10月30日(日)に予定されています。

 原宿の表参道を約1キロメートル封鎖した上でパレードをするという大イベントで、参加者はパレードの他にスタンプラリー的な「お菓子ラリー」もできるなど、欧米のハロウィンに似た雰囲気を楽しめます。

 コロナ禍以前の3分の2の規模ですが、久しぶりに原宿でパレードが復活することになります。パレードに参加できるのは12歳以下の子どもと付き添いの保護者です。

 ただし、子どもがイベントに参加する場合は参加証(1枚1,000円)の購入が必要です。今では当たり前になっているオンライン販売はありません。

 今年の販売日時は2022年10月16日(日)9時から12時を予定しており(混雑状況により販売開始時間を早める場合あり。規定数に達し次第終了)、販売場所は神宮前交番横 ラルフローレン前まちかど庭園で、必ず保護者が購入する決まりになっています。

 一般的に仮装して街を練り歩くというと、ニュースなどで取り上げられるような無秩序なイメージがつきまといがちですが、原宿のイベントは参加者を12歳以下の子どもとその保護者に絞り、和やかなムードで過ごせる歴史あるイベントです。

安心安全にハロウィンを楽しもう

大人も子どもも楽しむハロウィン(画像:photoAC)

 今年は徐々にさまざまなイベントも復活していますが、「何に仮装するか」と考えただけでワクワクするハロウィンは大人も子どもも楽しめるイベントです。とはいえ、子どもを連れて歩くには安全策がしっかり取られているか気になります。

 原宿のハロウィーンパンプキンパレードは子どもに特化し、規模も大きい上に歴史あるイベントということで安心感があります。さらに、普段は交通量の多い表参道を歩くチャンスは滅多にありません。

 付き添いの保護者も仮装が参加条件になっているので、親子で話し合って衣装を決めてみてはいかがでしょうか。

参照
原宿表参道ハローハロウィーンパンプキンパレード2022公式サイト

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