29歳・慶應卒、アプリ起業で「動物保護」を目指す理由

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29歳・慶應卒、アプリ起業で「動物保護」を目指す理由

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アーバンライフ東京編集部

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動物好きの若き女性社長が開発したのは、ペットシッターのマッチングアプリです。なぜ開発に至ったのでしょうか。

熊本県出身、米国でIT修業

 毎日の仕事が忙しくて、愛犬を散歩に連れていけない――。

 そんな現代人の悩みに答えてくれるiOSアプリ「ぱうわん」が2019年3月25日(月)、サービスを開始しました。開発したのは2018年5月創業のスタートアップ・ぱうれんつ(港区南麻布)です。

 代表の前田葵さんは熊本県出身で、1989(平成元)年生まれの29歳。慶應義塾大学法学部卒業後に渡米し、現地IT企業に勤務したのち帰国。その後、国内最大手のチャットアプリの開発業務に携わってきました。そんな前田さんが開発した「ぱうわん」、いったいどのようなサービスなのでしょうか。

愛犬とともに笑顔を見せる「ぱうわん」代表の前田葵さん(画像:ぱうれんつ)



「ぱうわん」は、仕事などで忙しいペットの飼い主が、散歩や一時預かり、トリミングなどをプロのペットシッター(以下、シッター)やトリマーに依頼できるサービス。対応エリアは現在、港区と目黒区、渋谷区の都内3区のみですが、2019年内に5区まで拡大を予定しています。

 利用者はアプリをダウンロードしたら、個人情報(クレジットカード情報含む)とペットの情報を登録。その後、利用日時やペットの受け渡し場所(3区内)、シッターの性別など選択し、依頼を行います。一度の依頼で指定できるペットは2頭まで。サービスの主な対象は犬ですが、シッター次第では猫やその他の動物も依頼できます。ペットを返却してもらう場所は3区外でも構いません。

 指定時間になったら、マッチングしたシッターと待ち合わせ、ペットを預けます。その際、首輪とリード、エチケット袋は事前準備が必要です。ペットを受け渡し後、アプリ内のチャットでシッターと細かなやりとりができます。

 また、利用者はスマートフォンのGPS機能を利用してペットとシッターの現在地を把握できるほか、ペットの食事や水を飲んだ回数、排泄回数までもリアルタイムで知ることができます。

 ここでひとつの疑問が。こんなに細かいサービス、本当にニーズがあるのでしょうか。

「実は2019年2月1日にアプリのベータ版をリリースしたとき、ペットの行動が可視化できるこのようなサービスがもっとも好評だったんです。飼い主さんたちは、ご自身と離れてからも常にペットが心配でならないご様子でした。今回の本格的なサービス開始にあたり、飼い主さんたちに『安心感』を感じてもらうためにも、サービスの強いPR点にしていきたいです」(前田さん)

 なお、サービス中に事故が発生した際には、賠償責任保険が適応されます。

保護犬施設のボランティアも

 登録されている全シッターはペットのプロで、「プロフェッショナル」と「レギュラー」の2種類に分かれています。プロフェッショナルは「動物取扱業」の登録証を同社に提出しているシッターで、レギュラーは登録証が未提出であるものの、一定の資格や経験を持つシッターとなります。

 料金はプロフェッショナルが2000円/15分に対し、レギュラーは500円/15分と安価な設定に。ともに課金制で利用時間は30分から。上限はありません。依頼はサービス開始の1時間前までとなっています。

 想定する主な利用者は会社員(年収700万円以上)から、会社社長、士業などの高所得者。利用者の95%を「プロフェッショナル」利用で、1回あたりの客単価を8000円と見込んでいます。「リピート率を70~80%までに高めることで、安定した収益化につなげていきたい」と前田さんは話します。

「ぱうわん」の利用方法(画像:ぱうれんつ)



 代表の前田さんは、私生活でも保護犬施設のボランティアを行ったり、施設に物品の寄付を行ったりしているほどの、筋金入りの動物好きです。ぱうれんつ創業の背景について、次のように話します。

「犬にとっての24時間は、人間の1週間に等しいといわれています。仮に平日の5日間、一度も散歩に行かないと、犬は約3週間自宅で閉じこもっているのと同程度のストレスを感じます。しかしフルタイムで働いたり、子育てや介護をしたりしながらペットを育てる飼い主さんがペットをケアすることは簡単ではありません。飼い主さんはそのことに対して罪悪感を抱えているケースが多く、それをとにかく解決しようと考え、会社を立ち上げたんです」(前田さん)

「売上の10~15%を動物愛護団体に寄付したい」

「ぱうわん」利用者の目標は「3か月以内に300人」。売り上げは12月までの約9か月間で1000万円を見込んでいます。シッターの登録者数は4月末までに50~60人を想定しています。

 そのほかにも、同社は2019年夏ごろから、都内でシニア犬の飼い主を対象とした獣医往診サービスも提供予定で、こちらは23区対応となっています。

 前田さんは今後、売り上げの10~15%を動物保護団体やNPO団体に「アグレッシブに寄付していく」とのことです。

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