女性の5割超「男性のフルメイク反対」 多様性尊重の追い風が吹く中、一体なぜ?

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女性の5割超「男性のフルメイク反対」 多様性尊重の追い風が吹く中、一体なぜ?

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メイクを行う男性の認知度は近年向上していますが、その一方で男性の「フルメイク」について、女性のなかには否定的な意見もまだ根強いようです。

拡大するメンズコスメ・スキンケア市場

 男性美容メディア「BiDAN(ビダン)」を運営するクラフィルジャパン(渋谷区千駄ヶ谷)が全国の20代から40代までの女性560人を対象に行ったインターネット調査で、女性の約80%が、男性がニキビやシミを隠すために「ベースメイク」を行うことに好印象を持っていることが分かりました。

近年は「メイク男子」なる言葉も生まれ、女性の理解も深まっている(画像:写真AC)



 経済産業省のデータによると、メンズコスメ・スキンケア市場(男性皮膚用化粧品)の出荷額は2001年から2014年までの13年間で、約2倍に増加しています。

男性皮膚用化粧品の出荷額の推移(画像:経済産業省の生産動態統計調査を元にULM編集部で作成)

 クラフィルジャパンの担当者はその背景について、「女性の社会進出で、(男女の性差をなくそうとする)ジェンダーレス社会が拡大しているため」と説明します。

男性メイク「ナルシスト」「自意識過剰」の声も

 その一方、調査では、男性がアイラインなどの「見た目を変えるメイク」や「フルメイク」をすることについて、半数近くの女性が反対の意見を持っていることも分かりました。

 反対の理由は「ナルシストだと思う」「男がメイクを気にすることはない」「女の特権を取らないで欲しい」「自意識過剰」「自分に自信の無いことの表れ」などなかなか辛らつで、ジェンダーレス社会とは程遠い状況のようにも見えます。

 ベースメイクは支持するのに、「見た目を変えるメイク」や「フルメイク」には反対。いったいなぜなのでしょうか。

男性の「ベースメイク」「見た目を変えるメイク」「フルメイク」に関する女性の意識調査(画像:クラフィルジャパンのインターネット調査を元にULM編集部で作成)

 その理由について、クラフィルジャパンの担当者は次のように話します。

「スメルハラスメント(臭いによるハラスメント)などの言葉があるように、近年、男性のエチケットに対して、女性が敏感になっているため、『身だしなみに気をつけている』『清潔感がある』男性は女性からの評価が高くなっています。

 ベースメイクに好印象が多く集まったのは、女性たちがベースメイクを『清潔感や身だしなみのケア』と同様に考えているからです。しかし『見た目を変えるメイク』やフルメイクについては、『男性は男性』『女性は女性』という否定的な考えを持つ女性が少なくありません。性別で区別する考えを潜在的に持っているのでしょう」(クラフィルジャパン)

 しかし同社はこれらの値が今後、上昇していくと指摘します。

「LGBT(性的少数者)に対する考えと同様で、自分独自の価値観を持って生きるという考え方が肯定されていくためです。中性的な感性を持つ人がメディアで活躍することが増えていることからも分かるように、社会が少しずつ多様性を尊重する流れに変化し、『メイクをするしないは個人の自由』という考え方が浸透していくでしょう」(同)

「インフルエンサーの発信、不可欠」

 そういった流れを後押しするためには、いったい何が求められているのでしょうか。

クラフィルジャパンが開催した美容コンテスト「メイク男子のミスターコンテスト」(画像:クラフィルジャパン)



「発信力を持つメディアが、メイクを行う男性を積極的にフィーチャーし、その魅力を発信することが必要です。また、中性的なタレント『りゅうちぇる』さんや、Youtubeでメイク動画を配信している『よきき』さんのように、著名なインフルエンサーの発信も必要不可欠です」(クラフィルジャパン)

 同社は先日、美容コンテスト「メイク男子のミスターコンテスト」を開催。その反響からもメイクを行う男性は今後、象徴的な存在になると予想しています。

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