私大入学者の過半数が「AO・推薦入試」利用の衝撃 広がる学力差、あなたは賛成?反対?
2020年11月1日
ライフ大学受験シーズンになると何かと話題となるAO・推薦入試。その現状について、教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
年々増加するAO・推薦入試の入学者
慶応義塾大学(港区三田)が1990(平成2)年に湘南藤沢キャンパス(神奈川県藤沢市)の開校とともに始めた入学試験改革、それが「AO入試」です。

AO入試とは従来からの学力試験を課さず、小論文や面接によって学生の合否を決める選抜制度で、他の大学もその後追随するようになりました。なお、AOとは「入学事務局」を意味する「Admissions Office(アドミッション・オフィス)」の略です。
AO入試が始まった1990年代は一般入試による大学入学が主流でしたが、AO入試と推薦入試による入学者数は年々増加していきます。
増加の背後にある私大の存在
文部科学省の「大学入学者選抜関連基礎資料集」によると、通信課程および外国人留学生を除いた2000年度の国公私立大学の入学者59万2878人のうち、一般入試組が65.8%(38万9851人)、推薦入試組は31.7%(18万8083人)そしてAO入試組は1.4%(8117人)でした。
しかし、2018年度の入学者61万4243人のうち一般入試組は54.5%(33万4478人)、推薦入試組は35.5%(21万8014人)、AO入試組は9.7%(5万9831人)と一般入試による入学者が10ポイント以上も減少しています。
この数値変動は私立大学が大きく影響しています。2000年度に私立大学に入学した学生46万8260人のうち一般入試による入学者は60.1%(28万1319人)。そして推薦入試は37.2%(17万4121人)、AO入試組は1.7%(7773人)でした。
しかし2018年度になると、入学者48万3622人に対し一般入試組は47.3%(22万8967人)まで減少。代わりに推薦入試組は41.0%(19万8057人)、AO入試による入学者は11.4%(5万5329人)と増加しています。
国立大学はこの18年間、一般入試組の割合は88.3%から83.7%と減少したものの、推薦入試組は10.2%から12.2%、AO入試組は0.3%から3.7%とそれぞれ数ポイントの増加にとどまっています。

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