東京オリパラで外国人観光客が来日していたら、ぜひ案内したかった「東京の街」5選

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東京オリパラで外国人観光客が来日していたら、ぜひ案内したかった「東京の街」5選

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岩本信彦

フリーランスライター

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東京オリパラでもしインバウンドが来日していたら、あなたは都内のどの街を案内したかったですか?

コロナ禍で見送られた観客受け入れ

 新型コロナウイルスの感染拡大で開催が危ぶまれた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(7月23日~8月8日、8月24日~9月5日)ですが、結果、多くの日本人選手がメダルを獲得するなど、大活躍しました。

 今回は海外からの観客受け入れを見送ったため、100万人規模といわれていたインバウンド(訪日外国人)に日本を楽しんでもらえなかったのは少し残念ですが、もし来日していたら、どの観光地を訪れていたのだろうか、とつい考えてしまいます。

 ということで、筆者が案内人だったら、コロナ禍がなかったら、インバウンドをどこに案内したかを想像して、五つのスポットをご紹介します。

インバウンドが戻って来た東京のイメージ(画像:写真AC)



 あなたならどこに案内するのか、文章を読みながらご意見をいただけると幸いです。

1.神保町(千代田区)

 東京のオリエンタルな雰囲気を感じられる観光地といえば浅草や上野ですが、筆者がおすすめしたいのは神保町です。

神保町(画像:写真AC)

 観光地といった趣はありませんが、街特有のカルチャーが根付いています。特に有名なのがカレーです。過去には「神田カレーグランプリ」なるイベントも開催されているほど。多くのインバウンドにとって、神保町は極東の島国にある「謎のカレータウン」に映るかもしれませんが、実はどのお店も個性的で魅力があります。

 ただ、カレーはまだ中東・アジア諸国のイメージが強く、日本のカレーといってもピンとこないインバウンドがほとんどでしょう。だからこそ、筆者は神保町をおすすめしたいのです。

 神保町のカレーは外来文化をうまく取り入れた、いわば日本オリジナルのカレーが多いため、神保町を案内すれば

「輸入文化をそのまま受け入れるのではなく、独自に解釈し、アレンジする」

という日本人が得意とするスタイルを感じてもらえるのではないでしょうか。

2.高円寺(杉並区)

 中央線沿線は個性的な街が多いですが、なかでも異彩を放っているのが高円寺です。

高円寺(画像:写真AC)



 高円寺といえば、古着の街。特にアメリカンビンテージの品ぞろえは秀逸で、多くのコレクターが訪れます。玄人(くろうと)をうならせる店が多く、ビンテージものが好きな人は世界中に存在することから、インバウンドが見て回るだけでもきっと楽しめるはず。

 また、ミュージシャンなどの一芸に秀でた人たちが多く住む街でもあるため、どこか浮世離れしたような雰囲気の人も多く歩いています。このようなことからもさまざまな属性の人たちを優しく包み込んでくれる街でもあるのです。

 そんな街の空気感が伝われば、気に入るインバウンドも多いのではないでしょうか。レトロな商店街も捨てがたい魅力です。

3.門前仲町(江東区)

 門前仲町は昭和レトロな街並みが残り、わかりやすい日本的な魅力を漂わせている一方、「角打ち」を楽しめる店が多いという特別な魅力も持っています。

門前仲町(画像:写真AC)

 角打ちとは、酒店の店頭で飲むことです。普段お酒を飲まない場所で飲むという特別感はアピール度が高め。お酒好きのインバウンドは喜ぶこと間違いありません。

 何といっても酒店で直接飲むため、おいしい日本酒が非常にリーズナブルに楽しめます。その上、おつまみの取りそろえもばっちり。「折原商店」「せ・ぼん」などはその魅力を十分に味わえる良いお店です。

4.赤羽(北区)

 これまでメジャーな観光地は避けて紹介してきたので、少し判断に迷いましたが、近年インバウンドの増えた赤羽を入れておきます。

赤羽(画像:写真AC)

 赤羽といえば「せんべろ」で有名な街です。せんべろとは

「1000(せん)円も出せばべろべろになるほど酒が飲める酒場」

のこと。門前仲町に続きお酒が好きな人向けの街ですが、せんべろを楽しめる人なら最高の場所です。安くてもコスパのよいおつまみが食べられます。漫画家・清野とおるさんの代表作『東京都北区赤羽』の舞台にもなったディープな魅力は、インバウンドも魅了することでしょう。

 せんべろといえば「はしご酒」です。はしご酒を楽しむためには、赤羽周辺に宿を取っておけば問題ナシ。酔いつぶれるのもご愛嬌(あいきょう)でしょうか。

5.神楽坂(新宿区)

 料亭イメージが強く、少し敷居が高いと感じるのが神楽坂です。

神楽坂(画像:写真AC)



 予算が許せば、料亭で日本料理に舌鼓を打つことも素晴らしいですが、散歩をするだけでも十分楽しめます。

 料亭以外にも茶屋や陶器店など、多くの老舗が軒を連ねており、道の間に「横丁」と呼ばれる裏道が多く、一本入ると、別世界のような風景が広がっています。大通りの騒がしさとは異なり、非常に落ち着いた雰囲気で、控えめな夜の明かりも魅力的です。

 特に神楽坂を代表する横丁「かくれんぼ横丁」など、大正時代の趣を残す路地はインバウンドにも良さが伝わるはず。

 30代以降のインバウンドであれば、慌ただしいターミナル駅周辺よりも大人の街が好みという人もいるでしょう。友人などのアテンドに役立つこと間違いなしです。

東京の良さを再発見しよう

 新型コロナウイルスの感染拡大で、今や観光地でインバウンドを見かけることは少なくなりました。たしかに多くの街は活気がなくなりましたが、その魅力は決して衰えていないように感じます。

 今回は「どの街に訪日外国人を案内するか」という筆者視点で執筆しましたが、改めて東京の好きなところを発見できました。

インバウンドが戻って来た東京のイメージ(画像:写真AC)

 来る観光再開に向けて、ひとりひとりができることは少ないかもしれませんが、まずは身近な東京を深堀りしてみてはいかがでしょうか。普段訪れない街に行くことで、新たな視点を手に入れられるかもしれません。

 あなたはインバウンドをどこに連れて行きたいですか?

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