みちょぱ、なえなの……最近の若手タレントに「ひらがな名前」が多い理由
東京ガールズCにも「ひらがなモデル」多数 2020年11月13日(金)夜、“令和teen”のためのガールズフェスタ『TGC teen 2020 Winter』(東京ガールズコレクション)がオンライン上で開催されました。 今冬の東京のトレンドを発信するファッションショー(無観客)や、出演者と視聴者がオンライン上で触れ合える参加型コンテンツを配信した本イベントでは、今注目を浴びている若手モデルが多数出演。 出演者一覧を見てみてると、なえなの、ゆうちゃみ、おさき、せたこ……など、ひらがな表記の芸名を持つモデルが多いことに気付きました。 はやたく、みっき~など、女性だけでなく男性でも同様で、ひらがな3~4文字のモデルが多くいます。 もともと4文字略称が好きな日本人だけど… もともと日本人は4文字前後の略称が大好き。アーティストなら「ミスチル」や「セカオワ」、人気ドラマでも「ロンバケ」や「逃げ恥」など、数々の例があります。 ただ、今回のテーマである若手モデルの名前に関しては、そこに「ひらがな」という要素が加わっているのが特徴です。なぜなのだろう? と気になったこと、皆さんはありませんか? ひらがなモデルたち、共通は出身メディア?ひらがなモデルたち、共通は出身メディア? 多くのモデルやインフルエンサーが本名や本名のような漢字を使った芸名ではなく、あだ名のようなひらがなの名前で活動をする背景にはいくつか理由があると思いますが、まずはSNS出身のインフルエンサーということがひとつあります。 「なえなの」や「はやたく」といったモデルは、SNSが人気となりインフルエンサーとして活躍しています。 連日テレビでも見掛ける、みちょぱ(左)と、注目インフルエンサー、なえなの(画像:日本ネイリスト協会、GROVE) 現在利用者の多い主なSNSのうち、本名での登録が義務付けられているのはFacebookだけ。TwitterやInstagram、TikTokなどは好きな名前でアカウントを作成することが可能なため、本名以外で登録している人も多くいます。 あだ名となると必然とひらがなになる傾向があるので、そのひらがな名前をそのまま芸能活動でも使用しているモデルが多いのでしょう。 本名があっても愛称を前面に出すモデルたち本名があっても愛称を前面に出すモデルたち また雑誌などでも活躍しているモデルによく見られるのが、本名あるいは漢字を含んだ本名っぽい芸名がありつつも、ひらがなの愛称があるパターンです。 たとえば「ゆうちゃみ」は自身のInstagramアカウントにも「ゆうちゃみ(古川優奈)」と表記しています。 今回のTGC出演者以外にも、みちょぱ(池田美優)、ゆきぽよ(木村有希)、くみっきー(舟山久美子)など多数。 2019年に初エッセイを出版するなど、高い人気を誇る、ゆきぽよ(画像:木村有希、KADOKAWA) みちょぱは自身のTwitterのプロフィール欄に「あまり本名は知られていません」と記載するほど。いかに「みちょぱ」という愛称が世間に浸透しているのかが伝わってきますね。 思い返せば、20代前半の筆者が『セブンティーン』や『Popteen』といったティーン向けのファッション雑誌を読んでいた学生時代、モデルが本名で活動しつつも、雑誌内ではあだ名で呼ぶことも多くありました。 その流れが今も雑誌内にあり、読者やファンからもその名が定着して、活動時の名前がひらがな愛称になったのだと考えられます。 先駆け? ゆうこすがあだ名を推奨する理由先駆け? ゆうこすがあだ名を推奨する理由 ひらがな名前と聞いて筆者が真っ先に思い浮かべたのは、ゆうこす(菅本裕子、すがもと ゆうこ)でした。 彼女は自身の著書『共感SNS』(幻冬舎)で、「ゆうこす」という名前を今でも発明だと思っていると語っています。 マーケティング本としても人気という、ゆうこすのビジネス書(画像:幻冬舎) 今のSNS時代における発信について書かれている本書の中で、 「あだ名のようなキャッチーな名前があると、みんなが間違えずに読める、誤字や変換ミスが起きにくくなる、フォロワーが親近感を持ちやすくなる」 などのメリットを掲げています。 特に「親近感を持ちやすくなる」というのはとても共感しますし、今のSNS時代にとって重要なことでしょう。 確かに、菅本裕子の名であれば漢字の変換ミスも頻繁に起こりそうですが、ゆうこすであれば間違えることはほとんどなさそうです。また裕子ちゃんと呼ぶよりも、ゆうこすの方が気軽に呼び掛けられそうな気がしますよね。 現代に欠かせない「親近感」というファクター現代に欠かせない「親近感」というファクター 今の時代、特に若い世代には遠くにいて絶対に手の届かないあこがれの人よりも、親しみを持ってコミュニケーションを取ることのできる近い人に人気が集まる傾向があります。 そのため、ひらがなあだ名で親しみを持って気軽に呼び掛けることができるというのはとても重要なことになっているのです。 「ひらがなけやき」の愛称で呼ばれた、「けやき坂46」時代の現・日向坂46(画像:ソニー・ミュージックレーベルズ) 今や個人でも企業でも、何の活動をするにしてもSNSでの発信が欠かせなくなってきている時代。 その中で大事なのは「親近感」だと個人的には感じます。親近感を持つことで応援したいと思ったり、サービスであれば面白そう、使ってみようかなと思ったりすることもあるはずです。 今後もひらがなモデルが増加するのではないかと思います。
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