ひそかに、だが着実に加速する東京都心の「超ロボット化」 もはや現実はSF世界と紙一重

気づかぬうちに、少しずつ、着実に、東京都心で加速している「超ロボット化」をご存じでしょうか。SFアニメの中だけだと思っていた科学技術の活用は、すでに現実のものとなっています。具体例を見てみましょう。


SF作品はもはやフィクションではない?

 アニメ作品には、いろいろなジャンルがあります。

 なかでもSF(サイエンス・フィクション)を題材とした作品群には、人気のタイトルも数多く存在します。

 SFアニメの世界では、科学技術が発展した街の様子や人々の暮らしが描かれており、何気ないシーンであっても現実を超える世界観や設定に興味を引かれることが間々あると言えるでしょう。

 一方、現実の世界でも、科学技術の発展を実感する機会がこの数年に一気に増えました。そのひとつが、身近な場所におけるロボットの存在です。

 例えば飲食店での接客や配膳、さらにビルの清掃も……。こうしたロボット導入は、今後も積極的に進められていくはずです。

ロボット接客の飲食店が街に増殖

 東京都内では今、どのような科学技術の実用が進んでいるのでしょうか。

 まずは、ロボットが働いている飲食店を紹介しましょう。

 飲食店でロボットを活用するメリットとして、24時間いつでも同じパフォーマンスを発揮できることが挙げられます。また、人間より外国語への対応力が高い点も見逃せません。

 一例目として紹介するのは、ロボットがコーヒーを提供している、その名も「変なカフェ」(渋谷区神南)。2018年に渋谷MODI(モディ)地下1階にオープンした、カフェスペースです。

おいしいコーヒーを淹れてくれる「変なカフェ」のTom(画像:エイチ・アイ・エス)



 店頭に立つのは、アメリカのRethink Robotics(リシンク・ロボティクス)が開発した協働ロボット「Sawyer(ソーヤー)」。同店ではTom(トム)の愛称で親しまれています。

 Tomはロボットアームで器用にカップをつかみ、おいしいドリップコーヒーを淹れてくれます。さらに搭載された(人工知能)AIで、接客することも可能です。

 同店では夏休み企画として、この様子を見学できるイベントを2021年8月31日(火)まで実施しているとのことです。

おなじみペッパーくんがずらり5人も

 次に紹介するのは、東急プラザ渋谷(渋谷区道玄坂)の5階に位置する「ペッパーパーラー」。

 いまやすっかりお馴染みになったヒューマノイドロボット、ペッパーくんが、人間のスタッフと一緒に働いています。

 それにしても、ペッパーくんはなぜか「くん付け」で読んでしまいたくなる雰囲気があります。見た目も人間に近く、仕草も表情豊かで、より愛着や親近感を感じさせるからでしょうか。

ペッパーくん、たくさん並ぶと、ひとつひとつ個性があるように見えてくる(画像:ソフトバンクロボティクス)



 まず同店の受付で出迎えてくれるのは、5台(5人?)のペッパーくんです。

 来店客の年齢や性別、表情を分析して、その人に合わせたメニューをすすめてくれます。また「相席ペッパー」が備え付けられている席に座れれば、簡単な会話や占い、ミニゲームなどを楽しむことも!

スタッフもうれしい配膳ロボット

 自動配膳ロボットは、目的のテーブルまで自律走行し、料理を提供するロボットです。

 配膳だけでなく、食べ終わったお皿を回収する下げ膳の業務もこなせることから、人手不足の解消や生産性アップなどにも期待が寄せられています。

 加えて、最近は新型コロナ禍で従業員と来店客の接触をおさえたいというニーズにも応えられることからさらなる注目を集めています。

 実際にロボットを導入した店舗では、スタッフに体力・精神的余裕が生まれ、サービスの質の向上につながったとの報告を寄せられています。

 そんな配膳ロボットを2021年より試験導入したのが、イタリアンレストラン「Gaston & Gaspar(ガストン アンド ギャスパー)」御茶ノ水ソラシティ店(千代田区神田駿河台)。

日本人も大好き、猫耳ロボットが活躍

 採用されたのは、かわいらしいネコ型の配膳ロボット「BellaBot(べラボット)」です。

 中国シンセン市に本社を置く、Pudu Roboticsが開発しました。ディスプレイに映し出された顔は、表情豊かで親しみやすい印象を受けます。

張り切ったような表情をしているように見えるネコ型の配膳ロボット、べラボット(画像:Drone Future Aviation)



 残念ながら2021年7月に同店を“卒業”してしまいましたが、可能性を感じた人は多いのではないでしょうか?

※緊急事態宣言の発令により、8月31日(火)まで営業時間を変更

 さらに、また別の事例として挙げられるのが、ソフトバンクロボティクス製の「Servi(サービィ)」です。Serviは60cmの幅を走行可能で、よりコンパクトに稼働できることが特徴。

 大手焼肉チェーン「焼肉きんぐ」の運営会社が400台以上導入したことでも話題になりました。実際に板橋前野町店(板橋区前野町)などで活躍中です。

 またファミリーレストラン「100本のスプーン TACHIKAWA」(立川市緑町)などでも導入済みです。

※いずれも、緊急事態宣言の発令により営業時間変更や酒類販売休止などを実施

人手不足の救世主となるか? 清掃ロボット

 日本の労働人口の減少がさけばれるなか、ビル管理業界における人手不足も大きな問題となっています。特に近年は大型ビルやホテルの建設ラッシュが進んだことで、清掃スタッフの確保はますます重要課題になっているといえるでしょう。

 そこで役に立つのが、清掃用ロボットです。最新技術の集合体であるロボットは、人間にも負けない質の高い仕事をしてくれます。

 まず紹介するのは、ソフトバンクロボティクスが開発した、AIを搭載する掃除ロボット「Whiz(ウィズ)」です。

2020年2月、女優・広瀬すずさんのCMで話題になったロボット掃除機「Whiz」と、ペッパーくん(画像:ソフトバンクロボティクス)



 使用時は、清掃エリアの地図データを作成し、清掃ルートを記憶させます。一度覚えてしまえば、あとはWhizが自律走行で清掃可能です。

 このWhiz、東急グループのオフィスビル「渋谷ソラスタ」(渋谷区道玄坂)で採用されています。

 操作の簡便さ、人の往来が多いエントランスホールでも使える安全性などが評価されてのことといい、ほかにも「相鉄フレッサイン 日本橋茅場町」(中央区日本橋茅場町)といったビジネスホテルでも導入が進んでいます。

先々を見通せる超賢い清掃ロボット

 もうひとつ紹介するのが、CYBERDYNE(サイバーダイン)製の次世代型清掃ロボット「CL02」。

効率的・効果的な清掃を得意とする賢い清掃ロボット「CL02」(画像:CYBERDYNE)



 1回の充電で最大3000平方メートルもの広範囲を清掃可能。また作業終了後には、対象としたエリアのゴミ分布マップを生成して作業結果を可視化することで、より効率的・効果的な清掃計画の策定につなげているのも特筆すべき点です。

 またコロナ対策としての消毒液噴霧機を搭載したことで、壁面および床面への消毒液の噴霧を可能としています。

 これらの機能が評価され、羽田空港旅客ターミナル(大田区羽田空港)へ導入されました。

ロボットとの共生は今後どうなるのか

 飲食店ではロボットのキャラクター性を生かしてサービスの前面に押し出したお店がある一方で、人間の労力を減らすため「縁の下の力持ち」として活躍している例もあります。

 また人出不足が指摘されるビル清掃においても、ロボットへの期待が高まっています。

 今回取り上げたのはほんの一例です。開発中のものや検討中のものも含めれば、もっとたくさんあるでしょう。

 今後、より多くの場所・場面で、ロボットの活用は進んでいくのではないでしょうか。私たちの生活圏にロボットがどれだけ進出してくるか、今後も注目していきたいと思います。


【画像】東京の街にあふれる「ロボット」たち(4枚)

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