五輪開会式で国旗が「ファミマ過ぎる」と話題に! いったいどの国だった?

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五輪開会式で国旗が「ファミマ過ぎる」と話題に! いったいどの国だった?

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アーバンライフ東京編集部

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日々熱戦が繰り広げられている東京オリンピック。選手たちへエールを送るだけでなく、普段あまりなじみのない国を知る絶好のチャンスでもあります。開会式では、街で必ず目にするあるコンビニとそっくりな国旗を掲げる選手団が視聴者たちの間で話題となりました。

ファミマのマークと完全一致?

 206の国と地域からトップアスリートたちが集結して開幕した東京オリンピック。選手たちの熱戦の様子を、テレビの前で固唾(かたず)を飲んで見守る日々が続いています。

 普段あまりなじみのない国や地域について知る機会を持てるのも、オリンピック・パラリンピックといった大型国際大会ならではの醍醐味(だいごみ)。

 とりわけ、全ての出場国・地域・選手団が一堂に会する開閉会式はその際たるシーンです。

 可憐な出で立ちが「お姫さまみたい」と一夜にして日本中のハートを射止めたカザフスタン旗手のオリガ・ルイパコワ選手(陸上女子)。

 上半身裸で見事な肉体美を披露したトンガ旗手のピタ・タウファトファ選手(テコンドー)。

 そして彼らのほかにも、もうひとつ、意外な形で注目を集めた国がありました。

コンビニのファミリーマートそっくりな国旗を掲げる、あの国は?(画像:写真AC)



「“ファミマ選手団”がオリンピックに出てる??」
「国旗がファミマのロゴマークそっくり!」
「これは完全一致ですね」

 国旗の配色、デザインが、国内コンビニ大手のファミリーマート(港区芝浦)と“うりふたつ”だと話題になったのは、西アフリカのシエラレオネ共和国。

 発色のいい緑、白、鮮やかな青色を3分割にした国旗は、まさに街角でおなじみファミマと見間違うようなカラーリングです。

内戦、エボラ熱――苦難を越えて東京出場

 2021年7月23日(金)夜に行われた開会式以来、インターネット上でこの相似が注目を集め、YahooやGoogleの検索ページでは「シエラレオネ」の関連ワードとして「ファミマ」が上位に表示されるほどに。

 さらにSNSでは、

「街じゅうに自分の国の国旗があって、選手たちはびっくりしただろうなあ」
「この際ファミマにシエラレオネ料理の商品を作ってもらいたい」
「ファミマで商品くじ当たったことあるからシエラレオネを応援する」

といった声まで寄せられ、日本国内における同国の認知度は一気に高まりました。

シエラレオネの国旗の色は、ファミマのロゴマークの色にそっくり?(画像:ファミリーマート)



 外務省のサイトによると、シエラレオネ共和国は面積約7万1740平方メートル(日本の約5分の1)で、人口は約781万人(2019年、世銀)。

 その現代史は、少なからぬ苦難を共にするものでした。

 1991(平成3)年、反政府軍が蜂起し、同国で産出されるダイヤモンドを財源に反政府戦闘行為が断続的に継続。1997年には政府軍下級兵士による軍事クーデターが起こり、大統領が隣国ギニアへ脱出する事態となりました。

 1999年の国連安保理による和平合意のための派遣などをへて、2000年に政府と反政府軍との停戦合意、翌年の武装解除の合意を受けて国家非常事態の終了宣言、という経緯をたどっています。

 その後2014年にはギニアで発生したエボラ出血熱の流行がシエラレオネにも拡大し、多くの犠牲者を出すなど幾多の困難を経験しましたが、こうして東京オリンピックへの出場を果たしたことについてSNSユーザーたちからは、

「長く内戦が続いていた国というイメージがあったから、東京オリンピックに来てくれたことがとてもうれしい」

と、開会式での選手たちの晴れやかな表情をたたえる声も上がっています。

さまざまな国に関心を広げるチャンス

 東京オリンピックに参加しているのは、

・柔道男子のフレデリック・ハリス選手(37歳)
・競泳男子のジョシュア・ワイズ選手(20歳)
・陸上女子のマギー・バリー選手(25歳)
・競泳女子のティティ・ダンブヤ選手(18歳)

の4人です(JIJI.COMサイト「TOKYO2020国別選手名鑑」参照)。

東京オリンピックのメイン会場となっている新宿区霞ヶ丘町の国立競技場(画像:写真AC)



 自国選手のメダル獲得数や、スター選手の連勝の行方などにばかり、つい一喜一憂してしまいがちなオリンピック・パラリンピック。

 もちろん、それぞれの選手がこのときに向けて想像を絶する努力を積み上げてきた末の晴れ舞台ですから、その結果はぜひ熱い応援とともに見届けたいもの。

 しかしまた同時に、今回のようなひょんなきっかけであれ、今まで知らなかった国について知り、思いをはせる機会となることもまた、オリンピック・パラリンピックが開催される重要な意義なのだということをあらためて感じさせられます。

 またとない自国開催の今こそ、さまざまな国や地域に対する関心を広げてみるのはいかがでしょうか。

シエラレオネ、国旗に込められた意味

 シエラレオネの国名は、スペイン語で「ライオンの山脈」という意味。

 国旗の緑は農業と自然資源と内陸部の代表的な地形である丘陵地帯を表し、青は大西洋と西アフリカ随一の良港である首都フリータウンを表しています。

 そして、その真ん中を貫く白色は「平和と正義」のシンボルを表しています(東京都立図書館サイト参照)。

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