「大学でも余裕ぼっちw」最近の若者はなぜ“友達が少ない”ことをやたらアピールするのか

「ともだち100人できるかな」。小学校に上がる頃に習う曲にはそんな歌詞がありましたが、最近の若者はどうも、逆に「友達が少ない」ことをステータスに感じている節があるようです。いったいなぜなのでしょうか。イラストレーターでライターのイララモモイさんが解説します。

上京者が多い東京で特に顕著?

「ひとりで東京ディズニーシー行ってきた!」
「東京出てきてから大学でまだ誰とも話してない(笑)」
「上京して以来、地元の同窓会に一度も誘われたことないなー」

 近年、こうした書き込みがSNS上で増えているようです。

友達がいない、少ないことを自虐的にSNSに投稿する若者のイメージ(画像:イララモモイさん制作)



 共通するのは「自分には友達が少ない(いない)」ことをやや自虐性も込めて主張しているという点。上京して単身で暮らす人が多い東京を中心に、若者の間でこの傾向は高まっているようです。

「友達の少ない人」に対して、あなたならどんな印象を持つでしょうか。

 一見するとネガティブな言葉ですが、近頃、「友達が少ない」ことは必ずしもネガティブに受け取られないようです。「友達が少ない」ことはむしろステータス―――そんな風に考える若者がどうも増えているようなのです。

 一体それはなぜなのでしょうか。

他者に依存しない、自立のイメージ

 まず、大きな理由がひとつ考えられます。それは、「友達が少ない」ことが「個としての強さがある」ことだと捉えられつつあるということです。

「友達が少ない」人のことを、「友達ができない、さみしい人」と捉えるのではなく、「友達が少ない」=「他者に依存的でない、自立した人」でもあると感じる人が、少なからず増えてきているのではないでしょうか。

 では、なぜそもそもそのような価値観が広まっていったのでしょうか。

都内に多数ある大学。なかには「ぼっち」という学生も(画像:写真AC)



 この理由について、まず、現代社会のもつ大きな特徴のひとつである「SNSの普及」という視点から考えていくこととします。

 言うまでもなく、現代社会にはTwitter、Instagram、LINE……などさまざまなSNSが広まり、いまやSNSをひとつも利用していないという人はごくまれになってきています。

 SNSは人とのつながりが分かりやすく可視化されるツールであり、簡単に大勢な人と「友達」になることができます。

 SNSを通じ、私たちはたやすく「友達」を増やし、またその数を明確に確認し、「友達」に対して自分に関するさまざまな情報を顕示し、またそれに対する「いいね」の数を明確に確認することができるようになりました。

 そんなSNS上で散見されるのは、「友達」の数や、「友達」からの「いいね」数にこだわろうとする姿です。

フォロワー数を増やしたいSNSユーザーたち

 今やSNSを利用するほとんどの人が、SNS上で「友達」からの承認を得ようと躍起になっているように感じられます。

 数千、数万ものフォロワーを抱えるアカウントは「インフルエンサー」や「アルファ」などと呼ばれ、SNS内で一目置かれる存在となりました。自分もそうした存在になるべく、目標フォロワー数を公言しているユーザーも少なくありません。

 友達からの承認の高低が数値で分かりやすく確認できるようになってしまったことで、私たちはその数に依存し、またその数によって自分の価値が決まるかのように感じ、振り回されてしまっているのです。

 そんな姿は逆説的に、「友達」からの承認が得られないと自信が持てない、「弱い人」であると捉えられるようにもなりました。

 実際に、SNSの「友達」の数に振り回される人たちへの批判や、そういった人たちのおかしさを描いた漫画作品なども多く制作、投稿されています。一度は目にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

 一方、そういった人たちと対照的に、今や珍しい存在となった「SNSにこだわらず過ごしている人」のことは、逆説的にそのような「友達」からの承認を必要としない「自信のある、強い人」と考えることもできます。

 事実、「SNSをやっていない人のほうが魅力的に感じる」といった意見は多く聞かれます。

おひとりさまブームがハードルを下げた

 SNSの発展に伴い、「友達」の数に依存する人たちのおかしさが強調されるようになったことで、逆説的に「友達の数にこだわらずに過ごす人」への評価が高まり、「友達が少ない人は魅力的」と感じる人が増えてきたと考えられるのではないでしょうか。

 さて、「SNSの普及」のほかに考えられる要因としては、「おひとりさま行動」がブームとなったことが挙げられます。

「ひとり焼肉」「ひとりカラオケ」といった「ひとり○○」という業態は、近年特に盛り上がりを見せています。

「ひとり○○」の普及につれ、友達を伴わないひとり行動に対する認識は、今や、友達の少ない人が仕方なしに行う恥ずかしい行為ではなく、自分の時間を自由に楽しむ行為として捉え直されてきているのです。

 また、そんな「ひとり○○」に難易度別のランキングが付けられたりと、度胸試しのような見方がされることもあるようです。

「ひとりカラオケは今どき珍しくないけど、ひとり遊園地は難易度が高い」
「国内ひとり旅はしたことがあっても、海外ひとり旅ができる人はあまりいない」

といった具合です。

 つまり、「ひとり○○ができる = 度胸がある」と捉えられる価値観があるということです。

ライフスタイルが多様化、時代も後押し

 友達が少ない人のほうが「ひとり○○」に挑戦する確率が高いことが予想できますが、「友達が少ない人」の行う「ひとり○○」が、「友達に依存せず、自分の時間を大切に、自由に楽しむ行為」もしくは「周りの視線に惑わされない、度胸のある行為」として捉えられるようになったとすれば、それに付随して「友達の少ない人 = 自分の時間を大切にできる、度胸のある人」というイメージが持たれるようになり、好意的に受け入れられるようになったとは考えられないでしょうか。

ひとり焼き肉、ひとりカラオケ、ひとりラーメン。ひとり行動を楽しむようになった若者たちのイメージ(画像:イララモモイさん制作)



 以上の理由から、「友達が少ないことがステータス」と捉えられるようになった背景をまとめると、

・SNSの普及により、友達の数にこだわる人のおかしさが強調されたことで、逆説的に友達の数にこだわらない、依存しない人は自信のある人であると評価が高まった

・おひとり様行動のブームにより、友達の少ない人の自由なスタイルと度胸が評価されるようになった

 こうした時代的背景が要因となり、「友達が少ない = 個としての強さがある」と評価されるようになった、と考察することができます。

 多様なライフスタイルが認められるようになった現代社会において、「友達」の数にこだわらないような自由なスタイルは、これからさらに広がっていくと言えるのかもしれません。

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