子育ては大変だとわかっているのに、なぜ人は子どもを産み育てるのか
2019年9月23日
ライフ電車にベビーカーで乗れば邪魔者扱いされるような現状にありながら、なぜ人々は子どもを産むのか――。ライターの秋山悠紀さんが持論を展開します。
行けない保育園、できない仕事
子どもができると、「これでもか」と制限されるお金と時間。独身時代に比べると羽根を鎖で体にくくりつけられているような、バンザイしたい両手をグっと押さえつけられているような感覚を覚える人も多いでしょう。
今の日本は電車にベビーカーで乗れば邪魔者扱いされ、抱っこ紐で子どもを抱っこしていればバックルを外してくる人がいます。また、妊娠中の女性や小さな子どもを連れて電車に乗っている親がいても、皆がスマホに夢中で席を譲られない光景が珍しくありません。
このような状況で、「子育ては大変」と最初からわかっていたにもかかわらず、人はどうして子どもを欲しがり、産み、育てようと努力するのでしょうか。

筆者には現在、保育園に預けている1歳の子どもがいます。夫は仕事が忙しいため、平日の保育園の送迎含め、土日も食事の用意やお風呂、寝かしつけなどはほとんど筆者が行っています。いわゆる「ワンオペ育児」です。
2019年7月後半、子どもが手足口病に初めて感染。その看病が、どれほど大変なのか痛感しました。下がらない熱、体のあちこちに現れる発疹、痛みのせいで常にグズグズな機嫌、ご飯も食べず夜中もギャン泣きなど、筆者は連日続く寝不足で、自分自身にも病気が移らないように細心の注意を払っていました。
病気は約2週間で治ったものの、お盆直後にはRSウイルスに感染し気管支炎を発症。血液検査や点滴、レントゲン検査などを1日がかりで受けさせ筆者はヘトヘトでしたが、同じく約2週間で完治しました。
さらにその数日後の9月中旬には、手足口病に再び感染。結局7月後半からの約1か月半の間、筆者は毎日のように子どもを病院に連れて行き、自宅では昼夜問わずつきっきりでした。気づけば仕事は滞り、保育園にはまったく預けられず、「あぁ、預けていないのに保育料が引き落とされる……」と不安やモヤモヤを抱える日々を過ごしていたのです。

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