東京美女の代名詞 米倉涼子はなぜCMで「大声」で叫ぶのか

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東京美女の代名詞 米倉涼子はなぜCMで「大声」で叫ぶのか

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ふくだりょうこ

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テレビで見掛けない日はないと言っても過言ではない女優・米倉涼子さん。彼女が出演するCMは、大きな声でさけんだり個性的なダンスを踊ったりと、やや派手なものが多い印象です。なぜなのでしょうか?

銀座や六本木が似合う女性

 東京という街にふさわしい、洗練された「都会的美女」と聞いて、真っ先に思い浮かべる女性のひとりは女優の米倉涼子さんではないでしょうか。

 都内のハイセンスな情報を紹介する月刊誌『東京カレンダー』では2020年7月号の表紙を飾り、大人の女性向けに国内各地の上質な旅行スタイルを提案する電子雑誌『旅色』(2020年6月)では、銀座や六本木の街を華やかにドレスアップして歩く姿を披露しました。

 1992(平成4)年の「全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞し、デビュー。以来、30年近くにわたって第一線での活躍を続けています。年を重ねてますます美しく生き生きとしている様は、都会で自立して生活する女性たちの揺るぎないロールモデルになっていると言えるでしょう。

 さて、そんな米倉さんはテレビCMにも多数出演しています。

数々のCMに出演している米倉涼子さん。あなたの印象に残っているものは?(画像:楽天グループ)



「テレビをつけていればその顔を見ない日はない」という言葉を聞いて、まず思い出すひとりに間違いなく数えられます。

 それもそのはず、実は米倉さんは2020年の年間テレビCMタレント別ランキング(関東地区)で1位に輝いているのです。CM起用社数では橋本環奈さんが22社でトップですが、米倉さんは出稿量(秒数)で1位。

 まさに「テレビCMで一番お茶の間に流れた」芸能人ということになります。

人を引きつける声と振る舞い

 彼女が出演しているCMというと、どれが最初に頭に浮かぶでしょうか。

 筆者の場合は『楽天モバイル』です。「楽天モバーイル!」というよく通る声でのコールの後、「スマホ代は高すぎる!」と勢いよく断じられると、思わず作業の手手が止まり、テレビの画面に見入ってしまうというもの。ただ一言発するだけで、強く頭に残ります。

雑誌の誌面などでは、銀座や六本木の街をドレスアップして歩く姿を披露。都会的な美女という表現がよく似合う(画像:写真AC)



 またスキンケア化粧品『CANADEL(カナデル)』のCMでは、加藤茶さんのネタ「ちょっとだけよ」というセリフとともに個性的なダンスを披露。

 米倉さんの長い手足が際立っていましたが、その奇妙な動きは一度見ただけで何となく頭に残ってしまいます。また見たくなってしまい、“スルメ”的な効果があります。ある意味、CMとしては大成功と言えるのかもしれません。

 このように米倉さんの出演するCMは、声が大きい、個性的なダンスなど、迫力があるばかりかどこかコミカルなものが少なくないという印象です。

 冒頭で紹介した「洗練された都会美女」とはある意味で真逆とも受け取れる内容ですが、それはなぜなのでしょうか。

経験と実績に裏打ちされた才能

 理由を探るうえで、彼女のこれまでの実績に目を向けたいと思います。

 米倉さんは2019年、ミュージカル『シカゴ』で3度目のブロードウェイの舞台に立ち、日本人女優初となる快挙を果たしました。世界の舞台でも堂々たるパフォーマンスを披露しています。

 幼少期からバレエを習っていたこともあり、身体能力は抜群。よく通る声や長く培ってきた身体表現が、CM出演の場面でもいかんなく発揮されていると言えそうです。

 また、米倉さんがCMだけでなく数多くのドラマにも出演しているのはご存じの通り。

 特に「私、失敗しないので」というセリフがブームになった『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)は高視聴率を連発。ハマッて見ていた、という人も多いのではないでしょうか。

 飾らない言葉、白衣を翻し颯爽(さっそう)と歩く姿が印象的でした。なんと、難しい手術シーンなども本人が演じているのだとか。

 そして医師という仕事から離れ、麻雀をやっているときは人情味あふれる一面も垣間見せていました。そんなギャップも役柄として魅力的なところ。

 医師役をはじめ、査察官役、刑事役、元弁護士役をこなし、松本清張作品でも多く主演を務めています。

 それらの作品で共通する米倉さんの役どころは、「強くクールな女性のイメージ」。でもそれは単にパブリックな「強い女性」ではなく、彼女だからこそ表現できる「強さ」がすでに作り上げられているのではないでしょうか。

 ただ強いだけではなく「米倉涼子っぽい強さ」があるのです。

屈託のない笑顔がキュート

 一方、バラエティー番組で見る米倉涼子さんは笑顔を弾けさせ、とても明るくフレンドリーな印象があります。

 飾らない、という点は役どころと共通しますが、人を傷つけない明朗な受け答えは真似したくなるところ。

 本人は自身について「実は暗い性格で自信がない」とも語ることが。2019年に放送されたバラエティー番組『TOKIOカケル』(フジテレビ系)では、仲の良い松岡昌宏さんが「家に帰ったらずっと膝(ひざ)を抱えているタイプ」と話したことも。

 しかし、自信がないという自己認識があるからこそ、さまざまな役柄を真摯(しんし)に演じて、バラエティーでも周りの人を気遣う言葉を発することができるのかもしれません。

都会の女性のロールモデル

 多くの人が行き交う東京という街は、遠慮しながら歩いていると埋もれ、時には弾き飛ばされてしまうことも。しかし、米倉さんの姿は東京にナチュラルに溶け込みつつも、その存在感を発揮しているのです。

米倉さんの人間らしさと洗練された振る舞いは、東京で働く女性たちのロールモデルとなっている(画像:写真AC)



 多様性、という言葉がありながらも、多くの女性が心のどこかで「都会らしい女性像」「都会的な女性像」のお手本を探しています。やはりロールモデルがあると安心できるもの。

 米倉さんは、多くの人が思い描く「都会的女性」にぴったりです。ただ、「自信がない」という一面も見せる米倉さんの人間らしさが、また多くの女性の心をつかむことになっているのかもしれません。

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