東京五輪の気になる「最終聖火ランナー」 過去の日本開催で選ばれていた意外な人物とは
2021年4月25日
知る!TOKYO日本ではこれまで3回の五輪が開催されてきました。そんな五輪では、どんな人たちが開会式会場で聖火をつないだのでしょうか。ライターの橘真一さんが解説します。
ランナーの人選は当日までシークレット
東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開閉会式会場となる新国立競技場(新宿区霞ヶ丘町)は、スタンド席を覆う屋根が木製であることから、五輪期間中に聖火をともし続けることができません。そのため、常設の聖火台は湾岸地区にある夢の大橋(江東区青海~有明)に設置される模様です。
開閉会式限定の聖火台は新国立競技場に設置され、開会式でそこに点火された聖火は、夢の大橋の聖火台に移されると見られています。ただし、開会式での聖火リレーがどのような形式になるかは、ランナーの人選も含め当日までシークレットなのは間違いないでしょう。
ちなみに通常の五輪では、開会式会場内を何人かがリレーをした後に、最終ランナーが聖火台に点火するという形式が定着しています。
平昌五輪(2018年)ではキム・ヨナ(2010年バンクーバー五輪フィギュアスケート金メダリスト)が務めたように、最終ランナーは、五輪にゆかりのある著名アスリートが起用される場合が多くなっています。
では、日本で過去に3度行われた五輪において、どんな人たちが開会式会場で聖火をつないだのでしょうか。
最終聖火ランナーの特筆すべきプロフィル
前回の東京五輪開催時(1964年)、開閉会式はエンターテインメント性が薄く、開会式会場となった旧国立競技場(国立霞ヶ丘陸上競技場)を走った聖火ランナーはひとりのみ。

坂井義則という陸上選手がトラックをさっそうと半周したあと、スタンド席の階段を駆け上がり、聖火台に点火しています。
当時大学生だった坂井は東京五輪代表に漏れた陸上選手でしたが、その大役を務めるのにふさわしい人物でした。なぜなら、彼は原爆が投下された1945(昭和20)年8月6日に広島県で生まれた若者だったからです。
終戦から19年、“平和の祭典”の幕開けに坂井がトーチを掲げて走ったことは、大きな意味があったのです。
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