東京の原風景が残る中央区「佃島」 進む再開発で下町情緒は失われたのか?
2021年3月1日
知る!TOKYO東京の原風景として、幅広いファンがいる中央区・佃島かいわい。しかしそんなエリアにも日々再開発が迫っています。フリーライターの県庁坂のぼるさんが解説します。
無くなった地域のランドマーク
佃島かいわいを久々に散策しようと、月島駅を下車して「月島もんじゃストリート」近くの月島駅7番出口から地上に出たところ、思わずビックリ。歴史を感じる外観で知られた佃島説教所(中央区月島1)がさら地になっているではありませんか。
地元の人に尋ねたところ、建物の老朽化のために取り壊され、今後は老人ホームなどが入る施設になると聞きました。
佃島説教所は、1934(昭和9)年に創建された浄土真宗本願寺派の寺院でした。佃島は元々、徳川家康の1590(天正18)年の江戸入府時に招かれた大阪・佃村の漁師たちが居住地としたエリアで、浄土真宗の信仰があつい土地でした。
浄土真宗といえば、都内では築地本願寺(同区築地)が有名です。築地本願寺は1657(明暦3)年の明暦の大火後、横山町(現・日本橋横山町)から移転して建てられた築地御坊が始まりとされており、その際に海を埋め立て、現在の築地の始まりをつくったのが佃島の人たちと言われています。
佃島説教所も元々は佃島にある小さな建物でしたが、地元からの寄付によって月島側に立派な建物として移転しました。

現在、佃島と月島の境目は佃大橋のかかる道路になっていますが、この場所は戦後までは運河でした。そのため、月島側にある説教所よりも北側が佃島という感じで、当時は地域のランドマークとなっていました。
そんな佃島説教所が無くなり、佃島かいわいからもいよいよ下町情緒が失われつつあるのでしょうか?

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