かつては東大・京大「ダブル合格」の珍事も 論議を呼んだ「共通1次」とは
2021年1月11日
ライフ2021年度から実施される「大学入学共通テスト」。そんな同テストの前にはセンター試験のほか、かつて共通1次と呼ばれる試験もありました。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
大学入学共通テストまであとわずか
センター試験に代わる新しい入学試験「大学入学共通テスト」の第1日程である試験が2021年1月16日(土)と17日(日)の両日、実施されます。

初年度は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京都のほか、首都圏の3県(神奈川県、埼玉県、千葉県)で行われるなど、例年以上に緊迫したなかでスタートすることになりました。
改革の目玉とされた記述式問題や英語民間試験の導入は見送られましたが、センター試験と異なる問題が出題されるのは、大学入試センター(目黒区駒場)が2017年度と2018年度に行ったプレテストを見ても明らかです。
30年間続いたセンター試験(1990年1月~2020年1月)から新たなテストへと変わることで、志願者数に変化はあるのでしょうか。
大学入試センターの2020年12月8日(火)の発表によると、大学入学共通テストの志願者数は53万5245人に確定。前年度より2万2454人減少しましたが、特に浪人生(高校卒業生)の志願者は前年度より1万9369人少ない、8万1007人にとどまりました。このことから、新制度移行のために現役志向が強まったことが影響していると考えられます。
10年間行われた「共通1次」
「大学入試」と聞くと、現役会社員世代の多くはセンター試験を思い浮かべますが、その前に実施されていたのが「大学共通第1次学力試験」、いわゆる「共通1次」です。
戦後の日本において(1949年~1978年)、国立大学の入試は長らく各大学の1期・2期の日程に分かれて行われていました。
東京大学(文京区本郷)や京都大学(京都市)を始めとする旧帝国大学が1期に集中していたこともあり、大学の序列化が進むことを危惧した国は問題解決のため、共通1次を生み出しました。

共通1次はマークシート方式が採用され、1979(昭和54)年1月から1989(平成元)年1月までの計11回実施。この結果によって、受験生が2次試験で受ける大学を決めるという、現在まで続く一連の流れを作りました。
ただし、志願できる大学は国公立大学と産業医科大学(北九州市)から1校のみ、1学部1学科と受験生にとっては厳しいものでした。

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