2020年「今年の色」発表 1位はグレー、でも3位に「緑」が入った明るい理由とは

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2020年「今年の色」発表 1位はグレー、でも3位に「緑」が入った明るい理由とは

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暮れゆく2020年。新型コロナ一色だった世相を表す「今年の色」を、日本流行色協会が発表しました。皆さんはどんな色で今年1年を振り返りますか?

26.9%の圧倒的得票率で選定

 毎年のカラートレンド情報などを発信している日本流行色協会(千代田区神田神保町)が2020年12月4日(金)、2020年の世相を表す「今年の色」を発表しました。

2020年の世相を表す「今年の色」、選ばれたのは?(画像:日本流行色協会)



 同会のウェブサイト上でユーザー投票により選ばれた2020年「今年の色」は、グレー。

 あらかじめ用意された候補15色の中で、「今年のムードを象徴すると思う色」として26.9%もの票を集めました。

先行きが見えない不安な気持ちを表す色

 理由はやはり、コロナ禍における不安な気持ちを表しているとの声が圧倒的。

「先行きが見えない不安な気持ち」
「自粛が続き閉塞感があった」
「あいまいで曇り空のようにすっきりしない感じ」
「状況が目まぐるしく変わり混沌(こんとん)としていた」

などの意見が寄せられたといいます。

コロナ禍で「先行きが見えない不安な気持ち」などの理由で選ばれたグレー(画像:日本流行色協会)

 ちなみに2位はベージュで得票率9.4%。肌に近い色のため人のぬくもり、人とのつながりの大切さなどのイメージを重ねたコメントが多かったとのことです。

 3位は緑で8.7%。

 不安な日々の中、気分転換のためアウトドアで過ごしたりガーデニングを始めたりする人が増え、植物などの緑に癒された人が多かったよう。また人気作品『鬼滅の刃』の主人公の着物の色として挙げる人もいたそうです。

 どの色も、コロナ禍の影響を受けたコメントが大半を占める結果となりました。

2021年を表す「来年の色」は?

 また協会は併せて、2021年を象徴する「来年の色」も独自に選定し、発表しています。

 単なる流行色という意味ではなく、2021年のムードを象徴するさまざまなキーワードを内包したその年のテーマカラー。それは白、名付けて「ゼロホワイト」。

協会が選定した「来年の色」は「ゼロホワイト(系統色名:ホワイト)」(画像:日本流行色協会)



 コロナによって社会経済や日常生活などに大きな変化があった2020年。来る2021年は、こうした変化を前向きに捉え、新しいスタートの年になるという「始まり」や「希望」の意味を込めて選定したとのこと。

清潔さ、知性、潔白を象徴

 白にはほかにも、コロナ禍で欠かすことのできない「清潔さ」や、さらには「知性」や「潔白」といったイメージがあります。

「2021年は(混沌とする情勢の中で)何が本当かを見抜く知性が求められ、また政治に対しては隠し事のない清廉潔白が求められるでしょう」(協会)。

清潔さ、知性、潔白などを象徴する白色に、2021年への希望を込めて(画像:写真AC)

 同会担当者は、

「コロナ禍ではテレワークなどの働き方改革や、ハンコ見直しといった業務効率化など、さまざまな変化がありました。まさに新しい時代へ変わっていく予感を、多くの人が抱いていると考えています」

と話します。2020年「今年の色」を選ぶ投票の中にも、「グレーから白へ変わってほしい」といった声が寄せられたと言います。

「漢字」や「色」で振り返る世相

 1953(昭和28)年の創立以来、ファッションをはじめとする産業界に向けてカラートレンド情報を発信してきた同協会。流行の発信地・東京などを中心にさまざまな分野で時代の主潮をけん引してきました。

 協会が「今年の色」と「来年の色」を発表しているのは2015年からで、今回が6回め。

 日本漢字能力検定協会が毎年発表する「今年の漢字」と比べるとまだ歴史は浅いですが、色もまた漢字と同じように、その年その年の世相を振り返り、後に思い出す重要な手掛かりとなりそうです。

 ちなみに近年選ばれた「今年の色」「来年の色」は、次の通りです。

<2019年>
・今年の色:オレンジ
・来年の色:ヒューマンレッド(系統色名:ビビッドレッド)

<2018年>
・今年の色:ビジョナリーミント(系統色名:ベリーペールブルー)
・来年の色:アウェイクニングオレンジ(系統色名:ストロングオレンジ)

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