偶然か必然か――東京・港区に外国の「大使館」が多い理由
2020年9月27日
知る!TOKYO東京の港区には多くの大使館があります。いったいなぜでしょうか。ただの偶然? それとも……フリーライターの大居候さんが解説します。
都内屈指のセレブエリア
セレブが多く住んでいることで知られる東京都港区。街を歩けば明らかにお金を持っていそうな人が多く歩いています。最近では「港区女子」という言葉もあるそうで、時代そうは変わらないものだと感じます。
筆者の港区の思い出といえば、大学生時代です。両親がリッチで港区にいくつもの超高級マンションを持っている先輩がいたのですが、彼にある日、賃貸に出していた部屋の掃除をバイトで頼まれたことがあります。
当日、先輩と一緒に鍵を開けて中に入ると部屋には家財道具などが一切なく、郵便物のみが散乱していました。それもすべて督促状。あのときこそ「諸行無常」という言葉を強く感じたことはありません。
先輩はその後、明らかに験(げん)の悪そうなこの部屋を事務所にして起業したこともあり、筆者はしばらく出入りしていたのですが、当時はまだ港区に大江戸線の通っていない時代です。
広尾から麻布、麻布十番にかけてのエリアは、東京人でもめったに足を踏み入れたことのない、ある意味で「秘境」でした。
とりわけ、麻布十番の最寄り駅は六本木駅。主な交通手段はバスです。五反田駅や新宿駅から混雑したバスで移動している人が意外に多かったのにとても驚きました。
かつては周遊スタンプラリーも実施
そんな港区ですが、世界各国の大使館が集中していることでも知られています。
残念ながらコロナ禍で中止になりましたが、2020年の1月から港区で開催された「港区ワールドフェスティバル」では「港区大使館等周遊スタンプラリー」という催しも開催されました。
国によって温度差はありますが、一般的に大使館は警備が厳しく、容易に入れません。米国大使館(港区赤坂)は建物に近づいただけで、近くの警察官が「なにか御用ですか?」と声をかけてきます。

もっとも警備が厳しいのは千代田区のイスラエル大使館(千代田区二番町)で、入館する際には小銭入れの中まですべて見せないといけません。
なお日本に大使館を設置している国は156で(2020年2月末時点。欧州連合代表部を含む)、そのうち港区には約半数が存在しています。このともからも港区はセレブエリアでありながら、同時に大使館エリアでもあるのです。

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