荒川が流れてないのになぜか「荒川区」――東京「名実不一致」問題にズバッと切り込む【連載】東京うしろ髪ひかれ地帯(8)
2020年8月5日
知る!TOKYO港区にある「品川駅」、品川区にある「目黒駅」。東京には“名実不一致”なスポットがさまざまあります。中でも、荒川区に荒川が流れていない理由は、長い歴史の末の結果なのだとか。都内探検家の業平橋渉さんが解説します。が解説します。
江戸時代から続く長き水害との闘い
東京のあちこちにある、「○○(地名)なのに、○○にない問題」。東京ディズニーランドは千葉県。品川駅は港区。目黒駅は品川区など……。
いくつも思いついてしまう地名と、実際の所在地がズレている問題。とりわけマンションや商業施設になると、イメージのよい地名を使ったり名の通った駅名を掲げたりしているので「ここが○○(地名)だって?」と首をかしげてしまうことも。
そんな東京の所在地で、ぜひ知っておいてほしいことがあります。それは、「荒川区に荒川が流れていない」問題です。

この問題、ちょっと東京に詳しい人なら知っているかもしれません。
そう、「荒川が隅田川になったんだよね」。
……でも、そこに至る「水との闘い」を語ることができてこそ、アーバンな東京人。今回は、その話題です。
全く異なる流れだった江戸期の荒川
徳川家康が江戸に入る以前、荒川の流れは今とはまったく異なるものでした。
埼玉県・山梨県・長野県の3県が接する甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)を源流に流れる荒川は、現在の埼玉県越谷市・吉川市付近で利根川に合流し、東京湾(当時は江戸湾)へと注いでいました。
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