21世紀の「価値ある企業」とは? 「ESG」という評価基準、GAFAを例に考える
2019年5月19日
ライフさまざまな情報が氾濫するなか、財務面だけでなく、環境や社会への貢献度など、多面的に企業を評価し、投資活動を行う動きが広がっています。正当な企業評価とはどのようなものでしょうか。ESGに特化した金融サービス会社「アラベスクS-Ray」の日本支店代表・雨宮寛さんが解説します。
インターネット界を代表する4大企業「GAFA」
日ごろ、経済ニュースにあまり関心のない読者も、おそらく「GAFA(ガーファ)」という言葉を耳にしたことはあるでしょう。グーグルの頭文字の「G」、アマゾン・ドット・コムの「A」、フェイスブックの「F」、そしてアップルの「A」を合わせてGAFAと呼ばれます。

いずれも米国のIT企業ですが、グーグルはインターネットの検索エンジンやユーチューブなど、インターネットサービスを代表する企業です。アマゾンは世界最大級のネット通販で、アップルはiPhoneやiPad、そして音楽配信サービスのiTunesで世界中に多くのユーザーを抱えています。フェイスブックはSNSの先駆的な存在で、2017年の流行語大賞に選ばれた「インスタ映え」のインスタグラムも同社のサービスです。
GAFAの企業価値は、日本のGDPの「3分の2」
GAFAはそれぞれの得意分野で圧倒的な地位を築いていることから、その分野の基礎を構築する「プラットフォーム企業」とも捉えられています。どれだけ大きな企業なのでしょうか。時価総額という、株価で企業価値を計算する方法で比べてみましょう。
・グーグル:8096億ドル(約89兆円)
・アマゾン:9305億ドル(約102兆円)
・フェイスブック:5376億ドル(約59兆円)
・アップル:9072億ドル(約100兆円)
※2019年5月10日現在。1ドル=110円で換算
※グーグルの時価総額は、親会社アルファベットの時価総額を使用。
2019年5月10日現在、アマゾンの企業価値がGAFAで最も大きく約102兆円です。普通の生活では考えられない金額となっています。日本の国内総生産(GDP)は約535兆円ですから、アマゾンの企業価値は日本のGDPの約2割に相当するということになります。
世界最大の経済大国である米国のGDP(約2130兆円)と比較しても、アマゾンの企業価値は約5%に相当します。GAFAの4社合計で考えると、合計した企業価値の大きさに驚くのではないでしょうか。しかし、これら4社の提供するサービスが日頃の生活に密接にかかわっている人も多いと思いますので、不思議さはあまりないのかもしれません。なお、GAFAの企業価値を合計すると日本のGDPの3分の2に相当します。
GAFAの4社はいずれも世界の企業の時価総額ランキングで現在上位10社にランクインしています。ちなみに世界企業の時価総額ランキングで、常時100社以内に入っている日本最大企業のトヨタの時価総額は約18.5兆円です。アマゾンの企業価値の2割程度の水準に留まっているのです。

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