ダウン・タウン・ブギウギ・バンド『カッコマン・ブギ』――銀座が若者文化を背負っていた最後の時代 中央区【連載】ベストヒット23区(22)
2020年7月5日
知る!TOKYO人にはみな、記憶に残る思い出の曲がそれぞれあるというもの。そんな曲の中で、東京23区にまつわるヒット曲を音楽評論家のスージー鈴木さんが紹介します。
紅白で堂々たる存在感を見せた椎名林檎
「ベストヒット23区」を決めていく連載も、いよいよ残り2区。今回は中央区です。
中央区と言えば銀座。銀座と言えば音楽の宝庫、と思いきや、実は『銀座の恋の物語』(1961年)に代表される「ムード歌謡」の宝庫という感じで、この連載で取り上げているポップス系については、実はそんなに曲が無いのです。
今回は、そんな数少ない「銀座ポップス」を、新しいところから掘ってみましょう。2017年4月20日にリリースされた、椎名林檎とトータス松本『目抜き通り』。
これは、リリース同日にオープンした銀座の大型商業施設「GINZA SIX」(中央区銀座6)のテーマ曲でした。ということは、「有楽町そごう」のCMソングだったフランク永井『有楽町で逢いましょう』(1957年)の後継になりますね。

2017年のNHK紅白歌合戦では、白組でも紅組でもない特別枠として、この曲が歌われました。翌2018年の紅白では、同じく特別枠で、同じく椎名林檎が、宮本浩次と『獣ゆく細道』を歌いました。
この両回での椎名林檎は素晴らし過ぎました(私は椎名林檎を「2010年代紅白のMVP」だと思っています)。日本屈指の声量を持つオヤジふたりを、その独特のパフォーマンスと歌声で完全に食ったと、個人的には感じ入ったものです。
トータス松本と宮本浩次は1966(昭和41)年生まれで、いわゆる「丙午(ひのえうま)」。迷信で「丙午の女性は男を食い潰す」と言われ、実際1966年の出生数も少なかったのですが、紅白においては「丙午の男性(トータス松本と宮本浩次)が女(椎名林檎)に食われた」結果となったと、私は見ました。

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