もう神頼みしかない? 新型コロナ禍で存在感増す目黒の「大黒さま」とは【連載】拝啓、坂の上から(2)
2020年3月26日
知る!TOKYOフリーライターで坂道研究家の立花加久さんが、東京散歩にぴったりな坂の由来を教えてくれる連載「拝啓、坂の上から」。今回は目黒区内にある「行人坂」を巡ります。
困ったときの大黒さま参り?
このところ、新型コロナウイルスが世間を騒がしています。そんな大変な時期に散歩するのは考えものですが、とはいえ家に閉じこもってばかりだと、退屈するでしょう。
そんなとき、日本人は昔から「困った時の神頼み」で不安を払い、心の安寧を得てきました。そんな今だからこそオススメするのが大黒天、通称「大黒さま」参りです。

大黒さまは七福神(大黒天・恵比須〈えびす〉・毘沙門天〈びしゃもんてん〉・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋〈ほてい〉)の中でもリーダー格の神様です。
古代インドでは仏教が成立する前、多神教のバラモン教が信仰されていました。現在のインド人の多くが信仰するヒンズー教はこのバラモン教から発展したとされています。大黒さまはその中の神様の中にいて、インド出身だったことがわかります。ちなみに他の七福神も「恵比須さま」以外は、すべてインドや中国出身です。
中国では軍神としても祭られていた
バラモン教の神様は「創造」「維持」「破壊」の三つの担当に分かれ、大黒さまはその中でも「破壊」担当である「シヴァ」の分身「マハーカーラ」と呼ばれ、信仰されていました。マハーは「大いなる」、カーラは「黒や暗黒世界」を意味します。日本に伝わる前の中国では軍神としても祭られていました。

そのほかにも大黒さまの意外なプロフィルをご紹介すると、インド出身だけにヨガの神様や農業や財宝、食糧の神様でもあります。さらには神話「因幡の白兎(うさぎ)」で知られる出雲大社の「大国主命(オオクニヌシノミコト)」の神徳が習合され、縁結びという女性受けするスキルもあります。
このように大黒さまは極めて剛腕なので、今はやりの新型コロナウイルスを払っていただきたいと切に思います。
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