いよいよ明日スタート 「レジ袋有料化」が招くのは環境意識の向上か、はたまた単なる家計の負担増か?
2020年6月30日
ライフ7月1日から始まるレジ袋の有料化。取り組みの本質と実施によって生まれる新たな課題とは何でしょうか。フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。
有料化と環境問題の関係性
明日7月1日(水)から、スーパーやコンビニなどで当たり前のように無料配布されてきたレジ袋が有料化されます。

すでに一部のスーパーは有料配布に切り替えている店もありますが、少しでも家計負担を軽減するため、マイバッグを持参している人は少なくありません。
レジ袋を有料化する流れは、環境問題から出発しています。それは、旧来のレジ袋が石油由来の原材料で製造されていたためです。
石油は有限な資源です。枯渇すれば、私たちの生活は成り立たなくなります。
今般、ガソリン車から水素を動力とする燃料電池車への切り替えが進められてきていますが、旧来のレジ袋も石油を原材料にしているので、使用を抑制する機運が高まったのです。
また、旧来のレジ袋は海洋生分解性の素材をあまり使わずに製造されてきました。そのため、廃棄された後も分解されないまま海や河川を漂い、海洋汚染の原因とされてきました。
また、動物がレジ袋をついばみ、体内に入って死に至る事例も報告されています。著しく生態系が狂うと、それは気候変動の要因にもなります。
そうした環境汚染の問題を解決するには、これまでの非エコだったレジ袋をエコな素材に切り替えて製造すればいいだけの話です。
無料配布の条件とは
実際、多くのレジ袋メーカーはバイオマス素材を使い、海洋生分解性の基準もクリアしたレジ袋への製造に切り替えています。

日本国内でもエコなレジ袋は普及していますが、政府は有料化を開始するにあたり
1:海洋生分解性プラスチックを100%使用していること
2:バイオマス素材を25%以上配合していること
3:繰り返し使えるように袋の厚さを50μm以上にしていること
の3条件のうち、ひとつをクリアすれば無料での配布を認めています。
コンビニやスーパーで無料配布されていたレジ袋のほとんどは、これらの基準をクリアしています。引き続き無料で配布できますが、多くの小売店はこれを機にレジ袋を有料に切り替えます。
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