拷問器具から妖怪まで……かなりディープな、知られざる「大学博物館」の世界
2020年6月27日
お出かけ大学のキャンパスは、在校生でもない限り普段なかなか立ち入る機会のない場所。しかしそこには、誰でも入れて知的好奇心をくすぐる展示がたくさんあります。大学ジャーナリストの石渡嶺司さんがナビゲートします。
市民に開かれた知の「見学スポット」
大学見学、と言えば受験生がするもの、とお考えの方も多いでしょうけど、そんなことはありません。
いや、もちろん、普段、何もないキャンパスをうろついて面白がるのは、大学ジャーナリストを自称し続けて18年の私(石渡嶺司)くらいのものでしょう。
ですが、平日であっても、大学によっては見学スポットがあります。一般の人でも入場可能であり、街歩きのついでに訪問するのも楽しいはず。見学スポットのひとつが「大学博物館」です。
拷問器具を唯一展示する明治大学
東京都内でもっとも有名な大学博物館と言えば、明治大学です。
JR御茶ノ水駅の御茶ノ水橋口から神田方面に下って歩くこと2分。右側に駿河台キャンパスの高層ビル、アカデミーコモン(千代田区神田駿河台)が見えてきます。ここの地階にあるのが「明治大学博物館」です。
入場無料の同博物館は大学史展示室の他、3部門(商品、刑事、考古)に分かれています。このうち、よく知られているのが刑事部門。
「建学の理念『権利自由』にもとづき、刑事関係資料を展示しています」(同博物館サイトより)とありますが、刑事関係資料を収集・常設展示している博物館・資料館はそう多くありません。

特に日本唯一の展示となっているのが「ギロチン」「ニュルンベルクの鉄の処女」。海外でもそうそう見ることのない、処刑台と拷問具がお茶の水、という東京のど真ん中で見学できるのはなかなかシュールです。
商品部門では伝統工芸品である陶器、漆器などの製造工程が展示しています。考古部門では明治大学の考古学調査・発掘の成果を公開。細石器や土器などがズラリと並んでいます。
早足で見学していけば30分ないし1時間程度。いずれかの展示に興味があれば、もう少し、余裕を見た方がいいでしょう。

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