作る、撮る、集める――大人も子ども夢中、魅惑の「模型」市場とは
2020年2月23日
お出かけ近年じわじわと盛り上がりを見せる模型市場について、文殊リサーチワークス・リサーチャー&プランナーの中村圭さんが解説します。
多種多様な模型の趣味文化
わが国には模型の趣味文化があり、一定の市場を形成しています。
一口に模型と言っても、プラモデル、フィギュア、ラジコン、鉄道模型、ジオラマ、ドールやドールハウス、ペーパークラフトなど多種多様で、その楽しみ方も
・組み立てる
・汚す
・飾る
・写真を撮る
・動かす
・コレクションをする
などいろいろです。
日本玩具協会(墨田区東駒形)の調べによると、2018年度のプラモデル、ホビーR/C(ラジコン)、鉄道模型、フィギュアなどのホビー市場は1383億2400万円であり、2017年度から約4%の増加となっています。

このことからも、模型関連の市場規模は安定した規模を維持していると言えるでしょう。そして今、その模型市場はじわじわと盛り上がっています。
キーワードは「大人のリバイバル」「親子で参加」
新しいブームという訳ではないのであまり可視化していませんが、模型系のイベント会場に行くとその活気から市場の盛り上がりが体感できます。
2020年2月9日(日)には、幕張メッセ(千葉市)で世界最大のガレージキットイベント「ワンダーフェスティバル 2020冬」(通称ワンフェス)が開催されました。その他にも国内には世界的な知名度のある大型イベントを含むさまざまな模型イベントが多々あり、幅広い層を集客して盛況となっています。
また、2019年の7月13日から9月1日まで、「横山宏(こう)のマシーネンクリーガー展 立体造形でみせる空想世界」が八王子市夢美術館(八王子市八日町)で開催され、話題となりました。マシーネンクリーガーは、イラストレーターでモデラー(模型製作を趣味とする人)の横山氏がモデリングしたA.F.S(装甲戦闘スーツ)を基にしたフォトストーリーで、このような模型文化に根強いファンが存在していることがわかります。

プラモデル市場は「大人のリバイバル」「親子で参加」をキーワードに、また新しい盛り上がりを見せてきています。
プラモデルが一般の家庭に普及したのは1960年代で、玩具店などの子どもに身近な店舗で取り扱われ、小さいものは手軽な価格で購入できたため、プラモデルで遊ぶ男の子が増えました。
当時は戦艦や戦車、戦闘機などのミリタリーものが特に多く、人気がありました。今、注目されるのはこのプラモデル黎明(れいめい)期に子ども時代を過ごし、プラモデルの洗礼を受けた世代が、今、時間やお金にゆとりのあるライフステージになってきていることです。

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