絶海のサンゴ礁にポツンと存在 日本最南端の孤島「沖ノ鳥島」をご存じですか【連載】東京無人島めぐり(4)
2020年6月21日
知る!TOKYO東京都内に330もある島――その中でも無人島の歴史についてお届けする本連載。4回目となる今回の島は「沖ノ鳥島」。案内人は、ライター・エディターの大石始さんです。
日本最南端の島
都心から1740km、小笠原諸島の父島から南へ910km、沖縄から1100km。あらゆる島から隔絶された海域に、日本の領土では最南端となる島・沖ノ鳥島は浮かんでいます。

沖ノ鳥島は周囲11kmのサンゴ礁のなかに北小島と東小島という岩礁がふたつ顔をのぞかせているだけの小さな島で、1931(昭和6)年に「沖ノ鳥島」という島名が付けられました。
沖ノ鳥島は宮崎県沖を北端とし、パラオ付近を南端とする全長約3000kmの海嶺(かいれい。海底の山脈)、九州・パラオ海嶺の上に浮かんでおり、この海嶺唯一の島とされています。
日本の面積より大きな排他的経済水域
極めて小さな島ではあるものの、沖ノ鳥島の重要性について東京都の産業労働局のウェブサイトでは、
「我が国の国土全体の面積(約38万平方キロ)を上回る約40万平方キロもの排他的経済水域をもつきわめて重要な島」
と説明されています。
排他的経済水域とは領海の外側にあり、沿岸から200カイリ(370.4km)以内の水域のことで、天然資源の開発や管理などについての主権的権利や海洋汚染規制などの権限が、沿岸国に認められています。

2005(平成17)年度の、小笠原島漁業協同組合による漁業操業の実績や都の調査指導船「みやこ」の調査結果によると、沖ノ鳥島周辺海域には
・ビンナガ
・クロカジキ
・キハダ
・メカジキ
など、さまざまな魚が生息しているほか、コバルトやマンガンといった貴重な海洋鉱物が眠っているとも考えられています。
沖ノ鳥島が水没すると広大な排他的経済水域も失われてしまうため、1987(昭和62)年からは護岸の設置などの保全工事が実施。現在では頑丈な波消しブロックとコンクリートが荒波から島を守っています。

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