大通りに「ベンチ」を置いたら人と街はどう変わるのか? 東京・京橋駅前で考える
2019年10月に突如、東京メトロ銀座線の京橋駅(千代田区京橋)前に真っ赤なベンチが設置されました。通行客たちはごく自然に腰かけて、思い思いにくつろいでいきます。それにしてもこのベンチ、誰がどのような目的でここに設置したのでしょうか。
街に自然と溶け込むベンチ
2019年10月、東京メトロ銀座線の京橋駅(千代田区京橋)前。オフィスビル・東京スクエアガーデンの公開空地(こうかいくうち。人々が利用できるまとまった空地)に突如、真っ赤なベンチ20台が設置されました。通行客たちは、昨日まで無かったはずのベンチを疑うこともなく、自然と腰をかけてぼんやりしたり、街を眺めたり、連れ合いとおしゃべりをしたり、足の疲れを癒したり……。めいめい自由にくつろいでいる様子です。
ベンチはあっという間に街の風景になじんだように見えました。

このベンチは、2020年開催予定のアート祭「東京ビエンナーレ」のプレイベントの一環で行われている「TOKYO BENCH PROJECT(東京ベンチ・プロジェクト)」の展示作品です。
手がけたのは建築設計事務所グランドレベル(墨田区千歳)の代表・田中元子さんとディレクター・大西正紀さん。同社のキャッチコピーは「1階づくりはまちづくり」で、建物の「1階」をつくることは街をつくることと同義、という同社の思想をベンチという道具に託して、街に新たな憩いの時空間をごく、さりげなく出現させたのだといいます。

New Article
新着記事
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画