板橋と世田谷が生んだコンビ「とんねるず」 人気のウラにあった、ふたりの「地元愛」とは
2020年5月10日
ライフ板橋区成増と世田谷区祖師谷大蔵が生み出したお笑いコンビ「とんねるず」。そんな彼らの魅力について、社会学者で著述家の太田省一さんが解説します。
「テレビっ子芸人」の第1世代
学校の人気者とプロのお笑い芸人は似て非なるもの。必ずしも学校の人気者が芸人として大成するとは限りません。
ただ、例外もいます。明石家さんまなどは高校時代から人気者だったようですが、とんねるずもそうでした。
とんねるずの石橋貴明は東京都板橋区成増、木梨憲武は同じく世田谷区祖師谷大蔵の出身。そして東京の私立高校である帝京高校に通っていた同級生であることは有名でしょう。
石橋が野球部で、木梨がサッカー部。どちらも全国レベルの強豪校です。その経歴は、いまも『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』(テレビ朝日系)で生かされています。

生まれたのは、石橋が1961(昭和36)年10月で木梨が1962年3月。ちょうど池田内閣による所得倍増計画が打ち出され、戦後の日本が本格的な高度経済成長期を迎えようとしていた頃でした。それは同時に、テレビが娯楽の王様になった瞬間でもありました。
物心ついたときにはテレビが当たり前にあった彼らは、純粋なテレビっ子芸人の第1世代と言えます。そのことは、ネタにも色濃く反映されました。
初のテレビ出演は高校生
ふたりはプロになる前の高校生のときに、すでにテレビに出演しています。
例えば、日本テレビの『TVジョッキー』という日曜午後の素人参加番組。そのなかに「ザ・チャレンジ」というお笑いネタを競い合うコーナーがあり、石橋と木梨は「笑いながら怒る人」のネタで人気だった竹中直人などとともに、その常連でした。

その頃から、ふたりのネタはアントニオ猪木や和田アキ子の物まね、アニメ『巨人の星』や『魔法使いサリー』の一場面の再現などテレビが元でした。
それは、同じ素人参加番組の『所ジョージのドバドバ大爆弾』(東京12チャンネル)への出演をきっかけに、コンビ「貴明&憲武」になってからも変わりませんでした。深夜のお色気番組『11PM』(日本テレビ系)のオープニングシーンをふたりで再現するネタなどは、まさにテレビっ子の面目躍如といったところでした。

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