東京都の独自対策「ベビーシッター利用支援事業」とは何か? 新型コロナの影響で拡大の可能性も
2020年5月14日
ライフネット上でさまざまな話題を呼んだ「東京都ベビーシッター利用支援事業」の現状について、シッターアプリ大手のキッズラインにライターの秋山悠紀さんが取材しました。
在宅で育児と仕事の両立は困難
新型コロナウイルス感染拡大の影響で小中高校の臨時休校が注目される一方、保護者に登園自粛を要請しながらも、原則、開園状態が続いている保育園。
厚生労働省は2020年1月末から、保育所等における新型コロナウイルスの対応策について各自治体に周知しています。また4月17日(金)には、子どもや職員が罹患(りかん)した場合や、医療従事者などの子どもに対する保育所等の対応について告示しています。

登園を自粛している多くの家庭では、保育をしながら在宅勤務を行う親も少なくありません。しかし、未就学児が家にいるなかで仕事を行うのは非常に困難。そこで出てくるのが、ベビーシッターの利用という選択肢です。
都独自「ベビーシッター利用支援事業」とは
東京都では2018年度から、都独自の待機児童対策として「ベビーシッター利用支援事業」をスタートさせています。これは0~2歳児の待機児童の保護者や育児休業明けの保護者を対象に、格安の負担額で東京都の認定を受けた認可外のベビーシッター事業者を利用できるというもの。
この事業はこれまで、ベビーシッターを1時間250円の負担額で利用することができました。しかし2020年4月1日(水)からは、1時間150円へと引き下げられています。ベビーシッター利用額はだいたい1時間2000円~3000円の料金がかかるため、この格安の負担額は保育園に入園できなかった保護者にとって、心強いものです。

この事業はベビーシッター利用料と利用者の負担額との差額を、東京都および区市町村が公費で負担する仕組み。そのため、公費で負担した助成額は利用者の「雑所得」という扱いになり、支払う所得税や住民税、社会保険料などに影響を及ぼします。
そのためベビーシッターを利用して働けても、翌年の確定申告によって所得税を支払わなくてはいけなくなる可能性も出てくるのです。
助成分が「雑所得」に
差額が雑所得となることについて、東京都は事業開始当初から資料等に明記しており、自治体でも利用者に説明を行ってきました。また2020年度4月以降のページには、税額の目安やモデルケースを掲載し、より利用者が安心して制度を利用できるよう取り組んでいます。
しかし2020年2月にこの内容がネット上で取り沙汰されると、「わかりにくい」「多額の税金を払わされる」「差額を非課税にすべき」とさまざまな意見が集まりました。また東京都だけでなく、事業者に詳しい情報発信を求める声も少なくありません。
東京都ベビーシッター利用支援事業の事業者として認定されているキッズライン(港区六本木)も、自社のウェブサイトで事業概要を説明したり、利用検討の保護者を対象にオンライン説明会を開催したり、情報提供を行っています。
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