コロナ禍の「巣ごもり生活」で孤独にならないための七つの方法【連載】東京・居場所さがし(4)

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コロナ禍の「巣ごもり生活」で孤独にならないための七つの方法【連載】東京・居場所さがし(4)

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いしいまき

漫画家、イラストレーター

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長引く外出自粛。自宅でひとり仕事をするのは、寂しさを感じたり効率が上がらなかったりというデメリットもあるでしょう。2018年夏から東京で在宅勤務をする漫画家のいしいまきさんが、孤独に陥らないために実践してきたことを紹介します。

まずは在宅勤務をする人へのアドバイス

 外出自粛要請により、テレワークによる在宅勤務になった人も多いことと思います。特にひとり暮らしの場合、思った以上に孤独を感じてらっしゃる人もいるのではないでしょうか。

 わたし(いしいまき。漫画家、イラストレーター)は仕事柄ずっとひとりきりで在宅勤務をしておりました。特に2018年夏に上京して間もないころは、友達ともなかなか会わず誰ともしゃべらず1日を過ごす日の方が多かったくらいです。

在宅勤務をしていると、誰とも会わずに1日が過ぎていくことも(いしいまきさん制作)



 いくらひとりが好きとはいえ、それが続くとあまりメンタルによいとは思えません。ですので早めに、メンタルを健やかに保つ自分なりの方法を発見しておきましょう。

 以前なら気分転換に図書館やカフェに行って仕事をしたりもしていたのですが、新型コロナウイルスが流行している今はそれがかないません。自宅にいながらちょっとした工夫でできる快適な過ごし方について、皆さんより少しだけ先に在宅勤務を経験していた者として振り返ってみたいと思います。

ひとりの空間で自分を律するのは難しい

●タイマーに管理してもらう
 もうなんでもタイマーにゆだねます。休憩時間、ご飯の時間、など全てです。

 ほかに人がいない空間で自分を律するのはなかなか大変なこと。30分ごとにタイマーをかけて、屈伸運動をしたり、立って深呼吸したりして、座り過ぎを防いでください。時間がただただ過ぎていくのはメンタルにもよくありません。1日にメリハリをつけるためにも、ここはひとつタイマーに頼りましょう。

●気分転換に家事をする
 在宅勤務の大きな利点のひとつとして、仕事の合間に家事ができるというのがあります。どうせやらなきゃいけないことなのだから、気分転換に活用してしまえれば一石二鳥です。

仕事後の「ごほうび」に最適なものとは

 朝に洗濯物を干し、仕事をし、朝ごはんを食べ、仕事をし、昼ご飯を食べ、朝昼の茶わんをまとめて洗って仕事をし、疲れてきたら風呂掃除で気分転換し、洗濯物を取り入れ……またもうひと仕事、というふうに、仕事に飽きてきたら家事をするのです。これもひとつのメリハリをつける方法です。こまめに家事をしておくと仕事が終わった後の時間を気分よく過ごせるので、一石三鳥かもしれません。

●作品をSNSにアップ
 わたしは仕事柄、作品をSNSにアップしていたのですが、見てくれた人から反応があったり、実際に仕事が舞い込んで来たりもするので、社会とのつながりを強く感じることができました。

 会社員の人も、自分の仕事についての考えなどをnote(文章やイラストなどを個人が投稿・配信できるウェブサイト)などに投稿してみてはいかかでしょうか。思いもよらぬ出会い、反応があるかもしれません。

 ポイントは、仕事につなげようと思って気負い過ぎないことです。なぜなら、ゆるくても続けることが大事だから。……と言いいながらわたしもブログを放置していることを思い出しました。また絵日記などを描いていきたいですね。

●テレビドラマや漫画を「ニンジン」にする
 よくやる方法なのですが、 「ここまで終わったら楽しみにしてたドラマ1話見ちゃうぞ」と、仕事をするための楽しみ = ごほうびを設定します。「馬の鼻先にニンジンをぶら下げる」という慣用表現がありますが、まさにこの状態ですね。

 特に続き物のドラマは、早く先が見たくて仕事がはかどるのでおすすめです。でも、あくまでも「ニンジン」です。うっかり全話一気見しないように注意しましょう(自分自身にも言い聞かせながら……)。

 仕事についてはこのような感じです。これらの方法で仕事の効率は守れても、ひとりの寂しさはやっぱりぬぐえない……。そんな人のために、家でできる社会や人とのつながりをつくる趣味もご紹介します。

「今日ひと言も発していない」の防止策

●ツイキャスをしてみる
「ツイキャス」をご存じでしょうか。個人でラジオのようなものをライブ配信できるツイッターと連動したアプリのことです。

 わたしは以前からひそかにラジオDJにあこがれていました。なぜなら言葉だけで番組を仕切っているのがすごくかっこいいと思っていたから。そこでツイキャスを使って「ラジオごっこ」をしてみることにしたのです。

ラジオDJになった気分で、最近の出来事をツイキャスで発信(いしいまきさん制作)



 ひとりだと生活で言葉を発しなくなりがちなので、それを防ぐためにもおすすめです。コメントが返ってくるとうれしいですし、もし誰も聞いていなくてもラジオのDJ気分で番組の構成を考えるのも楽しいと思います。わたしは最近の出来事や自分のダイエットの進捗(しんちょく)、おすすめの本などについて話していました。

●文通してみる
 かわいい便せん、家に眠っていませんか? わたしはかわいいレターセットや切手を集めるのが好きなので、それらを使ってときどき人に手紙を書きます。特に両親や祖母に送ると喜ばれます。今は家族のグループラインもありますが、ふと何気ないときに手紙が届くとうれしいもの。手紙はハードルが高いという人は、絵はがきを書いてみるのはいかがでしょう。

●スープ・みそ汁を作る
 外出自粛中の今、パン作りやお菓子作りをする人が増えているようですね。楽しそうですが料理初心者にはちょっとハードルが高いと思った人もいるのでは。

 そこでスープです。冷凍野菜を買ってきて、キッチンはさみで切ったベーコンとともにコンソメで煮ればすてきな野菜スープのできあがり。まるで丁寧な暮らしをしているかのような自分に酔えます。

この自粛期間中を何とか乗り切るために

 同様に液体タイプのみそを買っておいて、乾燥わかめとゴマをいれたおわんにお湯とともに溶かせば簡単みそ汁のできあがり。

 液体タイプのみそは、市販の小分けと違い自分で塩分調節できるところがいいですね。健康になった気持ちになって、わたしの場合はメンタルが安定しました。おすすめです。

※ ※ ※

 在宅勤務で仕事の能力を発揮できるかどうかは案外、仕事以外の過ごし方にも掛かっているものです。

 わたしもまだまだではありますが、効率の良い仕事の仕方を考えたり、心の健康を保つために日々の楽しみを見つけたりしてこの自粛期間を過ごしていきたいと考えています。

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